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100%寄付金で運営する、ボーカロイドSNS「にゃっぽん」

2009年10月10日 12時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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にゃっぽんで「ものを作る」喜びを知ってもらいたい

―― カレンダーやイベントなど、「リリース時期」を区切りにしてコミュニケーションをとれるのが他のSNSとの大きな違いなのかなと感じています。

わーい 特定目的で集まっているコミュニティなので、SNSとしてはやりやすいですよ。にゃっぽんが使っているMyNETSというプログラムは、参加者のコミュニケーションをうまく促進できるように、OpenPNEというプログラムから派生して作られているので、用途とうまくマッチしているのかなと思います。

長月 mixiだとボーカロイドに興味のある人もない人もいますよね。そうすると「オタ隠し」をすることも多い。その点、こちらの場合は初めから分かっていることが前提になっている。誰に話題を振っても分かってくれるし、求めている出会いにぶつかる可能性というのも大きいんです。


―― 楽曲を投稿できるようになっているのも「ならでは」だろうなと。

わーい 音楽系をやっているなら必要だよねということから、ニコニコ動画やYoutube対応はスタート直後から入れています。実際に日記で「新曲出来たよ」という書き込みがあればそのまま聴けるので。他社のサービスではピアプロzoomeVOONの再生にも対応しています。VOONの出力フォーマットには「ボーカロイドにゃっぽん」という項目を作っていただいています。


―― 「ドキッ☆ ボカロ曲だらけの生ライブ」のように、参加者同士がライブイベントを企画したり、オムニバスでアルバムなどを作る例もありますね。

「ドキッ☆ ボカロ曲だらけの生ライブ」公式サイト。主催の「にいとP」がSNS上で参加者を募って開催した

長月 書かれている内容が見えない非公開コミュニティを作って、声をかけている例が多いですね。主催者が企画を呼びかけて、やりたい人が集まってくる。企業内のプロジェクト運営に近いですね。ユーザー同士がオフラインで直接コミュニケーションをとる場合も多いので、あとの打ち合わせはにゃっぽんで、ということもあります。

わーい 現在、たとえばアルバムを作ったりするときに、ファイルを直接交換出来たりといった、プロジェクトを動かせるシステムを作りたいなと思っています。タイムラインを書いて、プロジェクトに関わるタスクをみんなで共有して消化していくとか。今、それが出来る企業向けのプログラムを確保しようと頑張っています。


―― 聴き手と作り手が1対1で交流できて、そこに契約事務所やレコード会社などの「仕込み」がないのがにゃっぽんの魅力ではないかなと思います。

にゃっぽんのプロフィール欄には使用しているソフトのチェック項目が並ぶ。DTMソフトはもちろん、イラストソフト、3DCG制作ソフトなどの名前も並ぶ

わーい 聴く側が作る側に変わることもあって、それが一番いいなと思ってるんです。コミュニケーションを通じて1つの形あるものを作ることが出来れば、もっと広がっていくと思うんですよね。ボーカロイドだけでなく、音楽をやったり、絵を描いたり。形は何でもいいと思うんですが。その1つで自己紹介ページに使用ツールをチェックする項目があります。これがあると「どっちのツールを買うか迷ってるんですけど」と尋ねるきっかけになりますよね。


―― ただSNSの場合、個人の発言が「炎上」して問題になることもあると思います。特に作者-ファンという関係があると対処が難しいのではないかと。

わーい サイト全体として問題があるものであれば対処しています。たとえば、巡音ルカがリリースされた時、ルカの公式画像にパンツをかぶせてサムネにするいうのが流行ったことがあったんですね。それを面白いと思う人、それはキャラの冒涜だと思う人とどちらの意見もあって騒ぎになりました。SNSを18禁にしてしまいたくないというのもあり、ちょっと配慮をお願いしたことはありました。

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