実録!完全週休2日制を実現した病院
小倉第一病院は腎臓病と糖尿病の専門病院。1997年に日本医療機能評価機構(病院機能を第三者の立場で評価するために、1995年に設立された厚生労働省の外郭団体)の認定を日本で最初に取得(第1号一般病院種別A)、2000年には日経優秀先端事業所賞、2005年に第2回日本e-Learning大賞審査委員特別優秀賞を受賞し、完全週休2日制をいち早く実現したことで知られている。
病院というと夜勤や残業の多い3K職場の代表で、休みもろくに取れないというイメージがあるだけに、完全週休2日制を実現しているのは驚きだ。正直、看護師が院内を走り回っているのか、診療などの記録に手抜きがあるのかと疑われても仕方ないかもしれない。もちろん手抜きなどが行なわれているはずもなく、制度面での改良やIT活用により業務の効率化、生産性の向上を実現している。具体的には会議時間の有効活用、カルテの精度向上、リフレッシュ施設の充実、フレキシブルな休暇制度、eラーニングの導入などだ。こうした病院改革を実現するために、desknet'sが最大限に活用されている。
小倉第一病院では2007年にdesknet’sが導入されており、現在126ユーザーが利用している。具体的には(1)全職員の勤務状況を一覧できる「スケジュール」、(2)福利厚生施設、PCルーム、会議室の管理などの「設備予約」、(3)稟議・報告書・届け出等の行なう「ワークフロー」、(4)電話や口頭で行っていた伝言を書き込む「回覧板」などが利用されている。
このうちdesknet’sで活用されているのは、おもに会議時間の短縮である。小倉第一病院は決して大きな規模ではないが、全部で40種類近くの会議が存在しており、関係者一同が参加するのは不可能に近いという。そこで、小倉第一病院は従来型の担当者全員参加型の会議をやめ、当日集まることのできる関係者を中心に会議を行ない、その議事録をdesknet’sの回覧板で伝達することにした。これであれば、参加できなかった人も空き時間にはコメントを加えることができ、履歴も残るため、「言った言わない」といったトラブルを防ぐのにも役立っているという。
また、空き時間に技術や知識を取得できるよう、回覧板をワンポイントレッスンに活用している。回覧板に資料をつけて回覧したり、問題を流して、回答を集め、再度答えを回覧するという運用だ。院内の約9割が「役立つ」と実感しており、利用時間帯についても58%が「勤務時間内の空いた時間を利用している」という。
グループウェアを全員に活用してもらうための工夫として、基本的になんでも書き込んでよいという運用を行なっているという。たとえば、福利厚生情報や結婚披露宴の様子、従業員の出産報告、地元のお祭りの様子などが書き込まれ、愛着の沸く内容になっている。逆に福利厚生などはグループウェアを見ていないと把握することができないお得な情報のため、ユーザーはまめにログインする。こうした仕組みも利用率を上げるユーザー側の工夫だ。
こうした事例を見るとグループウェアの利用が、業務の効率化に有効であることが再認識できる。導入しているユーザーもグループウェアの使い方を見直し、活用について考えてみるとよいだろう。
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