このページの本文へ

Interopで人気のセッションでアンコールで紹介

40/100Gbps Ethernetの全貌と誕生秘話が明らかに

2009年09月02日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

8月31日と9月1日の2日間、Interop Conference 2009が開催された。これは6月に行なわれた「Interop Tokyo 2009」での講演のうち、人気の高かったものを再演する有料プログラム。仮想化関連やShowNetの挑戦、クラウドコンピューティング、IPv6に関する講演のほか、2日目の最後には次世代Ethernetに関する講演も行なわれた。

次世代Ethernetは40Gbpsと100Gbpsの2つ

NTT 未来ねっと研究所 石田 修氏

 講演ではNTT未来ねっと研究所の石田修氏が、Ethernetの歴史と最新のEthernetの標準化動向を説明した。石田氏は、まずCSMA/CDのアイデアやUTPケーブル、スイッチング技術の登場、WANなど適用領域の拡大、データそしてセンターでEthernetを使うDCB(DataCenter Bridging)など最新の技術までEthernetがたどってきた30年の歴史を総括。次のステップとして、10GbEを超える次世代Ethernetについて解説した。

 現在は10GbEが本格的に普及するタイミングにさしかかっているが、2006年には10Gbpsを超える伝送速度を持つEthernetを策定するHSSG(Higher Speed Study Group)が結成。次世代Ethernetは2010年の6月に完了する見込みとなっている

技術的な仕様はほぼフィックスし、標準化は2010年6月に完了する予定

 次世代Ethernetの最大の特徴は、歴史上初めて40Gbpsと100Gbpsを同時に標準化されることだ。石田氏は「同時に作ることには激論があった。端末側のインターフェイスとしては24ヶ月で2倍になるプロセッサの速度に依存するため、2010年の時点では40GbEで十分。一方、スイッチなどを束ねるアップリンク側の方では40Gbpsでは足りなくなるため、100Gbpsが必要になった」ということで、40GbEと100GbEが併存とされた経緯を説明。「100GbEはデータセンターやIXでのスイッチ間接続、40GbEは端末からスイッチ、WANへのアクセスで使われる予定」ということだ。ちなみに石田氏が米国で人気のSNSであるフェースブックの担当者と話したところ、「ポートが多すぎて困っている。100GbEがあればすぐに導入したい」と話していたとのことで、需要は確実にあるようだ。

スタック可能なFSM7250RS FSM7226RS
40GbEと100GbEが同時に標準化されるのは、2010年の市場を見越した結果だという端末インターフェイスは40GbE、ノード間インターフェイスは100GbEを想定している

マルチレーン化により10GbEを最大限に利用

 40/100GbEの技術面での特徴は、10GbEの技術を最大限に活用すること。MACフレーム形式や10GbEの64B/66B符号を継承しつつ、10GbEを複数束ねるマルチレーン化することで高速化を実現するのが、40/100GbEの正体だ。送信側がマーカーという識別子を挿入し、複数のレーン同士で生じる遅延を防ぐ仕組みが導入されているという。10GbEと同じく、40/100GbEもケーブル種別や伝送距離の違いなどから数多く規格化される予定だが、40GbEは10GbEの4本、そして100GbEでは10本を束ねることで実現される。例外的に100GbpsをSMFで10km/40km送信する100GBASE-LR4/ER4だけが、25Gbps×4で実現しているという。

複数の10GbEを束ねるPHYタイプがそれぞれ用意される。25Gbps×4の100GbE規格であるLR4/ER4が例外的な扱いだというレーン間の遅延を解消するためのマーカーを挿入される。低レイヤで媒体ごとに振り分けるだけなので、遅延は少なくなるとのこと

 マルチレーン化に関しては、4×10GbpsのCWDMにするか、40Gbpsのシリアルインターフェイスにするかが最後までもめ、結局安価なCWDMを用いることになったという。石田氏は「光の通信は単一の光で送る方がコスト面で安くなるので、長期的にはシリアル伝送のほうが望ましい。しかし、Ethernetが通信事業者だけではなく、エンタープライズの領域で使さえるようになると、どちらかというと短期的な視野で市場が重視される。そのため、40GbEは既存のCWDMを使って、市場にスピーディに投入するという方向性になった。長期的な視野に立てば、40GbEにおいてシリアル伝送にチャレンジしなかったのは、先端技術を得意とする日本にとって、ちょっと残念な結果」と述べた。

1、初出時、図面はすべて会場で撮影したものでしたが、配布用のPDF提供を受けたのですべて差し替えました。2、講演者のほうから指摘を受けました。初出時「100GbEでは10本をCWDMで束ねることで実現される」とありましたが、WDM技術は使っておりません。また、「そのため、40/100GbEは既存のCWDMを使って~」は40GbEのみを指します。以上、お詫びして、訂正させていただきます。本文は訂正済みです。(2009年9月2日)

■関連サイト

カテゴリートップへ

ピックアップ