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Windows 7はビジネスPCを変えるか? ― 第5回

ソニーに聞く、「Windows 7」後のビジネスVAIO

2009年09月08日 09時00分更新

文● 塩田紳二

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コンシューマー向けのPCからスタートしたソニーのVAIOシリーズだが、現在では企業向けモデルも用意され、法人向けビジネスが行なわれているのをご存じだろうか。今回は、ソニーの花里隆志氏(VAIO事業本部企画戦略部門エリア事業推進部B2B事業室室長)を取材した。

type Pまで買える!? ソニーのビジネスPC展開

VAIO BUSINESS公式サイト
VAIOシリーズの公式サイトの上部にある「法人のお客様はこちら」をクリックすると、「VAIO BUSINESS」のサイトに移動する

 同社がビジネス向けに展開するPCは、コンシューマー向けモデルと同等のハードウェアだが、コンシューマーモデルと比べてバンドルされているソフトウェアなどに違いがある。ソニーとしては、開発時にコンシューマー向けとビジネス向けという形で製品を切り分けるのではなく、「どのようなユーザーがどんな場面で使うのか」を想定して開発しているため、製品によっては“コンシューマーのみの展開になるもの”と、“ビジネス向けにも販売されるもの”とがある。

 加えて、初期設定やバンドルソフトウェアなどをビジネス向けにし、ビジネスシーンを想定したBTOメニューなどを揃えている。こうしたタイプの製品では、Windows Vistaのダウングレード権を利用して、最初からWindows XPをインストールした形で出荷しているモデルもある。一方、完全に企業利用を想定した「type G」「type BZ」が、ビジネス専用モデルとなっているが、一部の量販店などでは取り扱いがあるという。

 また、コンシューマー向けモバイルノートとしてもハイエンドに位置付けられる「type Z」などは、設計段階からビジネスで利用するユーザーをある程度ターゲットにしているため、同じハードウェアをコンシューマー向けとビジネス向けの両方で展開している。

VAIO type Z
ビジネス向けだけでなく、コンシューマー向けでもモバイルノートのハイエンドに位置付けられる「VAIO type Z」(写真はビジネス向けモデル)

 販売ルートとしては、企業向けのビジネスを行なうディストリビューターやSI(システムインテグレーター、システム販売業者)経由のものと、ソニーの直販サイトなどがある。ただし、ビジネス向けのルートには、コンシューマー向けの製品も選択できるような仕組みにしているという。これは、「type P」のようなモバイルに特化したモデルなどにも企業からの需要が多いからだという。

 加えて、個人事業主やSOHOといった小規模なビジネス用途もあるため、Webサイトでの直販も行なっているのだ。


Windows 7登場後もOS乱立での混乱はない!?

花里隆志氏
VAIO事業本部企画戦略部門エリア事業推進部 B2B事業室室長の花里隆志氏。VAIOのビジネス向け製品を司る

 現状(Windows 7登場前)のビジネス向けモデルでは、購入される大多数がダウングレード権を利用したWindows XP搭載マシンだという。ソニーでは、ビジネス向けに関しては、ダウングレード権を利用したWindows XPをプレインストールしたモデルを用意しており(ユーザー自身がOSを再インストールする必要はない)、これが中心になっているという。

 Windows 7の出荷が始まると、ダウングレード権に関しては「Windows XP」と「Windows Vista」が選択でき、Windows 7と合わせて3種のOSが利用可能になってしまう。これに関して同社では、「最初は現状と同じくXPが多くなり、企業内での評価などが終わって初めてWindows 7に移行する」と見ている。このため、Windows 7出荷開始後に「Vistaを利用することは少ないのではないか」と考えている。

 顧客などの反応を見ていると、Windows 7に対しては「期待は大きい」ようだが、企業向けでは、予算が年単位で決まることなどから、本格的な導入は早くて2010年4月以降になるだろうと予測している。もちろん、それ以前にも評価用としての導入はあるだろうし、そのため年度末にはある程度の台数が出るのではないかと見ている。

 Windows 7への対応だが、取材時点(8月下旬)では“優待アップグレードプログラム”を実施している段階だという。また、導入のための社内評価といったケースは、ビジネス向けの場合、ディストリビューターや企業向けの営業部隊が行なうことになり、基本的には個別対応だという。

 ただし、ビジネス向けモデルの場合、コンシューマー向けモデルと違って、アプリケーションソフトを多数プレインストールしているわけではなく、どちらかというと「素」に近い状態であるため、アップグレードや導入で問題になるとすれば、ユーザー側で後からインストールするアプリケーションが中心になるとしている。これについては、当該企業自身でなければわからないため、ソニーとしては、「依頼があれば、担当営業などを通じて対応する」とのことだ。

 Windows 7の特徴のひとつでもある「XPモード」については、評価しているが、やはり1台のPC上でWindowsを二重に動かすため、“パフォーマンスを要求しない分野に関しては可能性ががある”と見ている。しかし、アプリケーションによっては、高性能を要求するものも少なからずあり、必ずしも万能の解決策とはいえないようだ。

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