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仕事で使える!Firefox便利ワザ 〜夏休み3日間集中講座〜 第3回

Firefox 3.5 モバイル環境での便利な使い方

2009年08月17日 09時00分更新

文● 野々下裕子

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端末が変わっても
同じようにFirefoxを使いたい

 Firefoxはいつでもどこでも自分のブラウジング環境が再現できるようにすることを、開発目的のひとつに掲げている。ビジネスシーンでも複数の端末を使い分けることは珍しくなくなっているが、Firefoxを使えばブックマークや履歴のシンクロがしやすく、端末のOSのバージョンが変わっても同じような使い方ができる。

 ブックマークの共有などはソーシャル・ブックマークサービスを使ってもできるが、Firefoxならば、Google ブックマークと連動する「GMarks」やはてなブックマークと連動する「Hatena Bookmark」のような、既存のサービスをさらに使いやすくするアドオンが使える。

GMarks

「GMarks」はGoogle ブックマークをFirefoxのサイドバーやツールバー上で同期、管理できる

Hatena Bookmark

はてなブックマークと連携してブックマークの登録やコメント付け、管理などが簡単にできるようにする「Hatena Bookmark」アドオンは、はてなが公式に開発している

Xmarks

Firefox間でブックマークや履歴などの情報をインターネットを介して共有できる「Xmarks」は、IEやSafari版も登場し異なるブラウザ間での環境共有もできるようになった

 さらに「Xmarks」ならば、Firefoxのブックマークの同期以外にサイトのログイン情報なども共有することができる。「Xmarks」はもともとFirefox向けに開発されていたが、最近はIEやSafari向けのサービスも始まったので、複数の端末はもちろん複数のOSやブラウザでブックマークを共有する場合にも使えそうだ。

Weave 0.5

Mozilla Labs で開発が進行中の「Weave」は、Firefoxの設定環境をいろいろな端末やいろいろな人と共有するためのサービスだ

 また、Firefoxの先進的な機能の開発を行なっているMozilla Labs では、自身のFirefoxの設定状態を、どこでもどんな端末でも再現できるようにする「Weave」というサービスの開発が進められている。「Weave」では専用サーバーを介してブックマークや履歴、クッキー、ログイン情報などのFirefoxのデータ同期が簡単にできるようになり、複数の端末でほぼ同じ環境でFirefoxを使えるようになる。もちろん、セキュリティやアクセス管理も配慮されていて、将来的には、ブックマークだけを同じ部署の社員同士で共有するといったこともできるようになるという。現在、ベータ版として試験的にサービスが始められており、「Weave 0.5」というアドオンを使って利用することができる。

Fennec

モバイル版Firefoxという位置付けの「Fennec」は各OSで使えるエミュレータ版と、米国ではタッチディスプレイ方式のスマートフォン向けのバージョンが公開されている。今後はウィンドウズモバイル版も開発される予定だ

 Firefoxについてもうひとつだけ注目しておきたいのは、モバイル端末向けのFirefoxとして開発が進められている「Fennec」の登場だ。スマートフォンなどの小さな画面で使うことを前提としたブラウザで、画面や操作もシンプルながら、Firefoxの魅力であるアドオンはしっかり使えるようになっている。すでに各OSで使えるエミュレータ版が公開されているので、開発に興味がある人は試して見るのもいいかもしれない。

※Mozilla Labsで開発中のサービスやアプリケーションについては、開発者や上級者向けなので、インストールなどは各自の責任において行なってください。

「Ubiquity」で理想のインターフェイスが実現する

 ネット上には無数のウェブサービスやアプリケーションが提供されており、ブラウザから検索やメール、地図の表示といった様々なサービスをブラウザを介して使うのが当たり前になってきた。そうした便利な機能をそれぞれのサイトにアクセスし直さなくても使えるようになれば、ブラウジングはもっと便利になるはず。そんなアイデアがMozilla Labsの「Ubiquity」というプロジェクトによって実現されようとしている。


 「Ubiquity」は自然な言葉を使ってコマンド入力の感覚でFirefoxを操作しようというもので、たとえば、「東京駅を地図で表示」と入力すると地図検索ページへジャンプして検索するまでの動作を一挙に行うことができる。さらに、その地図の検索結果を同じ部署のメンバーにメールしたい時は「これを○○君に送信」と入力すると、宛先とURLの入力が終った状態でウェブメールの送信画面が表示されるといった具合だ。


 キーボードから手を放さずに様々な操作ができるので、ポインタ操作やクリックなどが面倒なネットブックではさらにFirefoxが便利になりそうだ。


 英語で開発されているが、Mozillaが得意とするローカライズにより内蔵コマンドも日本語化され、「Ubiquity 0.5」からは日本語も使えるようになった。また、公開されているAPIを手軽にマッシュアップするような感覚で、新しいコマンド(動詞)も簡単にJavaScriptで追加できるようになっている。


 すでに専用ページからダウンロードできるようになっているので、新しいブラウジングのインターフェイスを体験してみたい方は一度試してみてはいかがだろうか。

※Mozilla Labs で開発中のサービスやアプリケーションについては、開発者や上級者向けなので、インストールなどは各自の責任において行なってください。

アドオン開発を支援する「JetPack」

 Firefoxのアドオンは続々と開発されているが、Mozillaではこの魅力あるツールをもっと良いものにしようと、様々なアイデアを検討している。その一つがMozilla Labsの新しいプロジェクトである「JetPack」だ。

 現在、Firefoxのアドオンはアドオンメニューから簡単にダウンロードしたり管理することができるようになっている。ただし、インストール直後や設定の変更、オン/オフの切り換え時などは再起動する必要があった。「JetPack」はそうしたアドオンに必要な設定を再起動なしに可能にする。

 さらに開発者には朗報だ。ウェブを作るための基本的な技術であるHTMLやCSS、Javascripを使える人であれば、「JetPack」で新しいアプリケーションを簡単に作ることができるという。まだ開発途上でゴールも未定だが、もし現在のアイデアがそのまま実現すれば、アドオン開発の敷居は大きく下がり、ユニークで新しい機能がたくさん登場するだろう。

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