iPhone3.0発表翌日
開発者向けAndroid配布
基調講演では、ここで一旦PCウェブに関する話題から、ITフォン(スマートフォン)に視点を移した。日本でのGDD2009のまさに前日にWWDC2009(関連記事)では新型iPhoneが発表されたわけだが、開発用のAndroidケータイ配布は大きな拍手で迎えられた。
iPhone向けアプリ開発は現在のところ、Mac上で、多くのプログラマーが慣れ親しんだ言語記述とは異なる文法で開発を行なう必要がある。対して、Android向けの開発は、PC上でJava言語で開発できるため、開発者の視点で見るとその敷居は低い。Googleが今回1000台近く端末を配布したのも、その点に注目を集めるひとつの戦略だったとも言えるだろう。
アプリ流通に目を移すと、講演でも強調されていたのは、Androidマーケットは事後審査制であるということだ。iTune Storeでは審査に通らなかったり、審査に時間が掛かるケースもあり(それがiPhoneアプリのクオリティ維持に役立っているという意見も一方であるが)、即時に反映されるAndroidマーケットとは対照的だ。果たして両者のこの違いが、開発者や消費者にどのように評価されていくのかも注目していく必要がある。
OpenSocial
続いて、Googleが提供するSNS向けAPI共通規格「OpenSocial」のプレゼンテーションが行なわれた。開発効率を高めるだけではなく、サイトの集客力を高め、収益性を高めることも強調されていた。
その活用の日本での代表格がmixiだ。2007年11月の参加表明から1年半が経ち、mixiの開発者向けブログではその具体像も明らかになってきている。サードパーティがmixi内にソーシャルグラフを活用したアプリを提供する仕組み(mixiアプリ)が間もなく一般にも公開される。
既にmixiではPC向けサイトよりもモバイルサイトの方が、ページビューが多くなっており、両方のプラットフォームでの同時展開は世界初となる。日本独自の発展を遂げてきたmixiが、やはり独自の成長過程を辿ってきた日本のケータイをどのように活用し、開発者にどの程度のメリットや裁量を与えて参加を促すか、注目していく必要がある。
mixiアプリとAppStoreやAndroidマーケットとの相違としては、SNSを活用し、口コミでのアプリ流通が期待できる点だろう。Facebookでも既にアプリ利用が一般的となっており、日本のユーザーがどう反応するかも楽しみのひとつだ。
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