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東芝のスマホ戦略は? 中田英寿も登場したT-01A発表会

2009年05月29日 00時00分更新

文● ビジネス・ソリューション編集部

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 東芝が開発し、NTTドコモから近日発売予定のWindows Mobile搭載スマートフォン「T-01A」の製品説明会が28日、都内で開催された。

左から東芝モバイルコミュニケーション社社長の岡本光正氏、NTTドコモ執行役員の永田清人氏、東芝代表執行役副社長の能仲久嗣氏、マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏、クアルコムジャパン代表執行役会長兼社長の山田純氏

 東芝から代表執行役副社長の能仲久嗣氏が出席したほか、NTTドコモ執行役員の永田清人氏、マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏、クアルコムジャパン代表執行役会長兼社長の山田純氏、さらにはプロモーションキャラクターに起用された、中田英寿氏も参加するなど、そうそうたる顔ぶれが集まった。NTTドコモをキャリアにしたスマートフォンとしては7年ぶりということもあり、気合いの入り方も尋常ではないという印象である。



長年の思いの結実と東芝の能仲副社長


T-01Aを手に持つ女性モデル

 説明会に登壇した能仲氏は「パソコンも担当している立場上、悪くは言えないが、まだまだパソコンには必要なものがある」と、T-01Aの開発経緯について話はじめた。dynapocketのブランド名で展開されるT-01Aは、dynabookの技術を応用したとうたわれている。同社が初めてノートパソコンをリリースしてから24年目に発売する、ポケットに入るインターネット端末だ。

 「スマートフォンといわれるオープンプラットフォーム端末は日本でも前年比140%と予測されている。この分野の製品を国内だけでなく、グローバルに投入していく」(能仲氏)

 薄さ9.9mmで、4.2インチとと片手で持ち運べる範囲で最大の画面を追求した点や、ビス穴などを極力減らした本体デザインなどは既報のとおり。 近年高まりつつある、外出先でのインターネットアクセスへの需要に触れながら「直感で使えるUIを持った。持ち運ぶWEB画面」「画面だけを携帯する高性能インターネットケータイ」に関しても改めて強調された。

スマートフォン市場の推移


スマホはタフな市場だが


 一方、NTTドコモの永田氏は「携帯電話市場が前年比25%減と苦戦する中、スマートフォン市場は(20~30%の成長率で伸びる)数少ない有望な市場」とコメント。NTTドコモは、2005年にスマートフォン市場に参入したが、「タフな市場であった」と永田氏自身が語るように、同社端末に占める割合は高くない。

 同社はこれまでスマートフォンを法人向け市場メインで展開してきたが、今年はこの方針にも転換が見られそうだ。個人向けでも「なかなかかっこうがいい、使いやすいと思える端末の市場が広がっていくだろう」「初めて見た際に、これはいけるだろうと自信を持った」と期待感を示す。

個人・法人向けスマートフォン市場の伸びと、ドコモがこれまで投入したスマートフォン

 永田氏は「T-01Aは物理的にもソフト的にも非常にすばらしく、ドコモから発売できるという強みを生かして、市場の大きいシェアをとっていきたいと考えている」と、市場開拓に対する意欲も見せた。



クラウドサービス「My Phone beta」も同日発表


 マイクロソフトの樋口氏は「Windows Mobileを7年前にイギリスで発表してから、5000万台を出荷した」と報告。数年前に米国の知人を日本に招いた経験に触れながら、米国ではBlackberryやWindows Mobile端末がビジネスマンの必須ツールとなっている点を紹介した。

 「米国人が新幹線を歩いて、誰もノートで仕事をしていない。ビールを飲んでいる人はいるのにと驚いていた。現在では、欧米では、スマートフォンを使ってビジネスマンがどんどんコミュニケーションしている。どこに行ってもメールやケータイに追っかけられるのは世知辛いが、それだけ生産性も上がっているのかなとも思う」(樋口氏)

 また、クラウド連携として「My Phone beta」の日本語サービスが同日開始された点も発表された。My Phone betaは、Windows Mobile 6以上の端末で、アドレス帳やメールなどのデータをインターネット上のサーバにバックアップできるサービス。秋以降の本格的な運用が予定されている。先日発表されたMarket Placeと合わせて、サービス面での核にしていく考えのようだ。

 樋口氏は「マイクロソフトとしては、世界一の日本の技術を世界にフォーカスすることで、世界を席巻できる。日本品質、グローバル基準。文化も一緒に輸出できればと少し頭の中をよぎっている」ともコメントしていた。

T-01A。シルバーとブラックの2種類のモデルがある

 クアルコムの山田氏は、T-01Aに搭載されているCPU「SnapDragon」が東芝との共同開発であることを紹介。「初期の段階からかなり密に共同開発した。米国にも技術者を派遣していただき、ここまでディープな共同関係を築けたのは、会社始まって以来、例のないもの」とコメントした。

 SnapDragonのコンセプトに関しては「(ノートパソコンやNetbookと違って)ケータイは電源を入れっぱなしで使うのがあたりまえ。ハイパフォーマンスの電子デバイスを電源を入れたまま使いたい。そういったニーズにこたえられるよう(ARMをベースにしながら)独自に作ったCPUだ」とした。

 同社では、近日中にデュアルコア版のSnapDragonもアナウンスできる体制で、「高性能を低消費電力で提供する」というコンセプトの実現に邁進していくという。



みんなにメリットがあることを考えたい


 PRキャラクターとして起用された中田英寿氏は、自らが理事を務める「TAKE ACTION FOUNDATION」の活動内容を報告しながら、東芝とのコラボレーションについて説明した。

中田英寿氏

 TAKE ACTION FOUNDATIONは「みんなにとってプラスになる」を基本理念に掲げ、さまざまな活動を行なっている財団。元プロサッカー選手を中心にしたチーム「TAKE ACTION F.C.」を結成し、企業や個人の協賛によってクラブを全国に派遣。地域活性化に貢献するとともに、入場料収入の一部を使い、厳しい生活を余儀なくされているアフリカの子供たちにサッカーボールを送るプロジェクトにも参加している。

 6月17日から開始される「+1クリックアクション」では、パソコンや携帯電話からアクセスできる専用サイトでボタンをクリックすると、1クリックにつき1食分の換算レートで、ケニアの子供たちに給食が支給される。寄付金は東芝が負担し、10万食(=10万クリック)を目標とする。専用サイトの意匠はT-01Aを象ったものとなっている。また、クリックしたユーザーから抽選で10名が、12月にリッツ・カールトンホテルで開催される活動報告会を兼ねたパーティーに参加できる。

訂正とお詫び:目標クリック数の値を修正しました。(6月1日)

 中田氏は「これは、クリックアクションの第1弾だが、この先も考えている。このプロジェクトを取り上げられたのは東芝さんのおかげ。多くの人の参加も期待している」とコメントした。

 また、キャンペーンについては以下のようにも話していた。

 「クリック募金自体は目新しいものでもないが、参加する人にもメリットを出すのは難しい中で、パーティへの招待を考えた」

 「不況の厳しい経済活動の中で、東芝さんが協力してくれるのは大変だったと思うのですが、プロジェクトを立ち上げ結果を出したい。経済不況の中、個人・企業が自分たちのメリットだけを考えてやっていくのは難しい状況。より多くの人にメリットがある形でやっていくのは現状の社会にも合っていると思うので、個人として、財団としてもそういうスタンスでやっていきたい」

 T-01Aに関しては「僕は今年、日本全国を車で回るプロジェクトをやっているのですが、沖縄で実際に使わせてもらいました。大きくて薄くて、かばんをもたずに収まるので、持ち歩きやすかったですし、画面も大きくて使いやすかったですね」と感想を述べた。会場では、日本最南端と書かれた岬の上で、荒波を前にした中田英寿氏の映像も流れた。

 「コラボという、個人で何かをしたいというよりは、より大きな波を作るということを目指してやっていきたいと思います」

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