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ネットショップとメディアミックス (2/2)

2008年05月27日 09時00分更新

文●森本 繁生/合資会社 逸品 社長

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銀座大賀靴工房の「ネットでも立地が必要!」

 ジャパネットたかたの例は、これまではテレビと電話、ラジオと電話、紙媒体と電話やファックス、郵便という「告知→受注」という流れにネットを採り入れたことにより、

「何の商品を紹介していたか忘れてしまった」
「興味ある商品の紹介をしていたようだが見れなかった」

というデメリットを解消し、受注の取りこぼしを防いでいるように見受けられます。

 もちろん、メディアミックスの第一歩としてこれをきちんとネットショップでやっていくだけでも効果はあると思われますが、それだけでは面白くありません。

 メディアミックスで「新たな顧客層」を開拓できればスゴイと思いませんか?

 その意味で、「銀座大賀靴工房」は注目に値します。


 もとは、大阪で「情熱ドットコム」という健康関連の商材のサイトを成功させた店長の井場元伸幸氏が、社運をかけて銀座にオーダー靴の実店舗を出し、その集客をネットで行っています。

 サイトのコンセプトが一言でよく表現されています。
たった一度のご来店 二足目からはネット通販


 このコンセプトからわかるように、実店舗への来店を必須とし、その後の購入、接客はすべてネットで行うというスタイルを採用しています。

 その実店舗を銀座に出したということがハンパではありません。

 オーダー靴の価格は14万8000円から。価格が高いので必然的にターゲットは会社の役員クラス以上の富裕層となります。このような方は、秘書が検索して探し当てたお店の前に、黒塗りの車を乗り付けて採寸に来られる、というパターンが多いようです。

 ここでお店が「銀座」であることが、ケタ違いの信頼感となってくるのです。ネットをうまく活用した実店舗。今の時代これは最も強い商売ではないでしょうか?

 多くのネットショップは世界中のどこでもできる、と言われてきました。しかし実店舗と比較されるようになった時代、ネットショップも最終的にはリアルでお客様と接する機会が求められてくるのかも知れません。

 ネットショップも、ネット外に広く視野を持っておきましょう!

著者プロフィール

名前 森本 繁生
会社 合資会社 逸品
サイト http://www.osmc.ne.jp/

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