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遠藤諭の「0(ゼロ)グラム」へようこそ

メディア・ポールに触る

2009年04月21日 10時00分更新

文● 遠藤諭/アスキー総合研究所

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モダンな街路樹? それとも
インターネットの出口?

 Kさんに教えてもらった翌日、メディア・ポールのある江南大路まで出かけてみた。道路の片側だけ、760mの区間に、30m間隔で22本のかなり大きな四角柱がずらりと並んでいる。ポールの高さは12.38mもあり、幅1.43m、厚さ0.65m。道路側と歩道側の面のほとんどは、LCDとLEDで覆われている。

 超縦長のスクリーンは、モダンなグラフィックや水墨画のような伝統美的な映像など、一斉に同じコンテンツを映し出す。そうした風景も新しいのだが、むしろ韓国らしいと思えるのは、情報キオスク的な機能を持った大型タッチスクリーン(歩道側の一番下の部分がそうなっている)である。

 買い物などの地域情報を探したり、ウェブカメラを使って撮影したものを指定したメールアドレスに送れたり、3Dアバターを使ったダンスゲームや写真ギャラリーを楽しんだりできる。要するに、かなりの部分がネット・サービスである点が特徴なのだ。地図と地域情報系はYahoo! Koreaが提供しており、写真ギャラリーはFlickrにつながるようになっている。

 55軒あった屋台や看板を一掃してできたのは、ただの公共インターネットネット端末という見方もできる。ソウル市は超縦長のデジタルサイネージを、モダンな街路樹くらいにしか考えていないのかもしれない。

 しかし、この種の大規模なデジタルサイネージが設置されたというニュースは、これから何度も目にすることになるだろう。このメディア・ポールという名前のついた柱がずらりと並んでいる光景を見ると、これは「インターネットの(外気に触れる)地上への出口」のような気がするのだ。

メディア・ポールは、地図を表示したり、付近の店舗などを検索できるほか、ニュースの表示やゲームまでできてしまう。

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