個性がうまく分かれた3モデル
今回取り上げた3機種はコンパクトな超望遠ズーム機という点は共通。ただしコンセプトに関しては大きな違いがあり、選択の楽しみがある。
まず、PowerShot SX200 ISは、カメラとしての文法をきちんと踏襲しており、カメラの経験のあるユーザーが、スチルメインで使用するなら最も違和感なく使える機種だ。マニュアル露出が選べる唯一の機種でもあり、自分の意図で撮影設定を決めたいと考えるユーザーにとって魅力的な選択肢となるだろう。
本体は3機種中最も大型で、レンズが繰り出してくると鏡筒の太さなどを感じるが、グリップ感なども含めたトータルの操作感はなかなかのもの。H.264形式の動画記録やHDMI端子など、静止画だけでなく動画撮影にもこだわりを感じさせる。
LUMIX DMC-TZ7は、一回り広い25mmからの広角撮影が可能。また、AV機器との親和性が高いAVCHD Lite方式の動画記録も可能だ(ビデオカメラやBDレコーダーなどで標準的なAVCHDのサブセット)。背面には動画専用の撮影ボタンを装備するなど、こちらも動画撮影にこだわっている印象だ。
最後のμ-9000は、3機種中ではもっとも小さく、このサイズに光学10倍ズームがはいているとは一瞬信じられないほどコンパクトだ。一方で、初心者を意識してか、複雑な撮影機能は省略。十字キーとGUI画面主体のシンプルな操作体系となっている。スーパーマクロ時で最短1cmの接写が可能な点も特徴である。