WiMAXを補完する公衆無線LANサービス
WiMAXは、現時点でまだサービスが提供されていない施設やエリアがある。そういう場合はどうしたらよいのだろうか。そのような場合は、単一のサービスですべて済ませるのではなく、そういう施設やエリアが得意なサービスと組み合わせて利用するのが良い。
UQ WiMAXでも考え方は同じ。地下街や地下鉄、私鉄駅構内など、安定した通信環境が得にくい場所でもインターネットを快適に使いたいなら、そのような施設やエリアに強い公衆無線LANサービスに入っておく、という手段もある。もちろん、利用できる場所や料金プランはさまざまなので、事前の検討は必要だ。
あまり難しく考えず、「とりあえず両方の通信環境を持っておきたい」という場合は、UQ WiMAXのオプションとして用意されている無線LANサービス「UQ Wi-Fi」に加入するのが本来はベストだろう。「本来は」と書いているのは、このサービスが2009年秋開始ということで、この原稿を書いている3月中旬現在はまだ利用できないからだ。
UQ WiFiのサービスエリアには、駅構内のほか、東海道新幹線(東京~新大阪間)、空港などが予定されている。東京、新宿、渋谷駅など都心の主要駅地下エリアなどでも通信ができるようになれば、それだけでもかなり便利になる方もいるだろう。新幹線での移動中やフライト前にネットが繋げるとなれば、出張でサービスエリア外に行くことが多いビジネスパーソンにも、UQ WiMAXが利用し甲斐のある選択肢となりそうな期待が持てる。
無線LANが外で使えるようになると、iPhoneやiPod Touch、Windows Mobile機器などパソコン以外持ち歩ける機器へもブロードバンド通信環境を提供できるようになる点も見のがせない。
ただ、すぐにでも無線LANを地下鉄や東海道新幹線の車内などで使いたい、という人は、既存の公衆無線LAN業者のサービスを利用する方が良いだろう。当然だが業者によって対象施設・エリアやサービス内容がそれぞれ異なるので、自分の利用形態にあったものを選びたいところだ。
まだまだ誕生したばかりのサービスだが、これからのサービス進展には要注目だ。後編となる次回は、遠方への出張などのビジネスシーンを考えながら、UQ WiMAXとそのほかのモバイル通信サービスとの上手な併用について考えてみたい。