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富士通、H.264を採用したハイビジョン対応映像伝送装置『IP-9500』を発表

2006年11月14日 16時58分更新

文● 編集部

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富士通(株)は13日、ブロードバンド映像ソリューション“Broadsight(ブロードサイト)”の新製品として、国内で初めて映像伝送方式に符号化方式“H.264”を採用したというハイビジョン対応映像伝送装置『IP-9500』を発表した。同日付けで受注を開始し、出荷時期は12月を予定している。価格は360万円(税別)。

『IP-9500』
『IP-9500』

H.264は、地上デジタル放送の携帯電話向け放送“ワンセグ”などで使われている動画データの映像符号化方式で、従来のMPEG-2に比べ、データ量を半分以下に圧縮できる。IP-9500は“H.264 HP@L4”を採用したことにより、10Mbps以下のネットワークでハイビジョン映像(1080i)を送信できるようにしたのが特徴。装置内に映像を一時的に蓄積でき、それを順次伝送することで、1Mbps程度の低速回線でもハイビジョン画像を伝送可能だという。

H.264の圧縮/伸張処理にはMPEG-2の10倍程度のデータ処理量(=10倍の回路規模)が必要と言われていたが、IP-9500では(株)富士通研究所が開発した独自アルゴリズムを採用し、エンコード時のデータ処理量を削減して回路規模を縮小。筐体も19インチラック1Uサイズに小型化した。また人間の視覚を考慮し、画質劣化が気になる部分(顔など)の圧縮率を抑える技術が搭載されているという。

IP-9500は設定を変更することで、エンコーダーとしてもデコーダーとしても使用が可能。エンコーダーとして使用する場合の映像入力はHD-SDI/HDMI、デコーダーとして使用する場合の映像出力はHD-SDI/HDMI/アナログに対応し、BB/3値入力同期にも対応。音声入出力はHD-SDI(エンベデッド)/HDMI/アナログに対応。なおHDMIは2007年以降対応予定。インターフェースはRS-232C、10/100/1000BASE-T、DVI-ASI(オプション、2007年以降対応予定)を備える。本体サイズは幅425×奥行き350×高さ42mm(突起物を除く)、重量は約6kg。

なおIP-9500は海外への出荷も予定しており(出荷時期は2007年3月を予定)、同社では放送業界や通信事業者を対象に、2008年度末までに全世界で2000台、80億円の受注を目指すという。

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