HDVカムコーダで撮影した映像の読み込みにもバッチリ対応
HDVネイティブデータの入出力をサポート
Premiere Elements 3におけるもうひとつの大きなポイントが、HDVフォーマットのサポートだ。この秋のカムコーダ市場には、ソニーに続く形でキヤノンがコンシューマ向けのHDVカムコーダ「iVIS HV10」を発売(関連記事1)。対してソニーからもDVDメディアにHDビデオを記録できるAVCHDカムコーダが登場するなど(関連記事2)、大きな動きのあるシーズンとなっている。特にHDVは実際にコンシューマ市場におけるHDカムコーダの中心となっていることから、これからのビデオ編集ソフトは、やはりHDVのデータを扱えなければ話にならない。
このとおりPremiere Elements 3では、1440×1080ドットのMPEG-2 TSによるHDVのネイティブデータを扱えるようになっている。 |
そこでPremiere Elements 3では、HDVの映像記録フォーマットで採用しているMPEG-2 TSファイルが直接扱えるようになった。もちろんネイティブデータ(MPEG-2 TS)を扱えるだけではなく、HDV機器に記録した映像のキャプチャ・書き戻しもPremiere Elements 3から容易に行なえるようになっている。コンシューマ市場のカムコーダもHD対応が一般的な流れとなりつつあるだけに、このサポートの実現を期待していた人は数多くいるのではなかろうか。HDVカムコーダを既に所有している人、あるいは購入を検討している人にとって待望の新機能といえよう。なお、今秋に初めてカムコーダが登場したAVCHDについては残念ながらまだサポートされていない。AVCHDも今後の製品展開次第では主流になりうるフォーマットなだけに、その対応が待たれるところだ。
モバイル機器あるいはインターネット経由で配信する映像の出力フォーマット一覧。iPodやPSPのプリセットが用意されており、それを選択するだけでそれぞれの機器に最適な映像ファイルを出力できる。 | iPod用設定の詳細。標準のパラメータに不満がある場合には、この設定を手動で設定することにより好みの状態へと変更できる。 |
また、入出力フォーマットではH.264やFlash Videoも新たにサポートした。このH.264は、iPodやPSPといったポータブルメディアプレーヤーを考慮しての対応で、iPod・PSPでの再生に最適な映像を簡単な操作で出力できるようになっている。
価格はオープンプライスで、アドビ システムズが運営するオンラインストア“アドビストア”での販売価格は1万4490円。登場当初はPremiere的“お作法”を勉強しなければ扱えなかったPremiere Elementsであったが、今回のPremiere Elements 3によってユーザーインターフェースが大幅に変わり、ずいぶんと分かりやすくなった。これならビデオ編集に不慣れな人でも、容易に扱うことができるだろう。ビデオ編集をしてみたいけれど、難しそうで……と尻込みしている人に、ぜひともオススメしたいソフトである。
「Adobe Photoshop Elements 5.0 plus Adobe Premiere Elements 3.0 日本語版」のパッケージ。 |
なお、アドビシステムズではPremiere Elements 3単体のパッケージ以外にも、同社のコンシューマ向けデジタルイメージングソフト「Adobe Photoshop Elements 5.0」をバンドルしたパッケージ「Adobe Photoshop Elements 5.0 plus Adobe Premiere Elements 3.0 日本語版」も用意している。Premiere Elements 3とPhotoshop Elements 5は連携をとることが可能で、例えばPremiere上で静止画を編集したいと思ったときには自動的にPhotoshop Elementsを呼び出すことができる。そしてPhotoshop Elements上で編集した結果は、別名保存や読み込みなどの手間をかけずにPremiere Elementsに即座に反映される。アドビストアでの販売価格は2万790円とそれぞれのパッケージを別に買うよりもお得。どちらも使ってみたいという人にはセットパッケージがオススメだ。
Adobe Premiere Elements 3.0 日本語版の主なスペック | |
製品名 | Adobe Premiere Elements 3.0 日本語版 |
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対応OS | Windows XP(Media Center Edition含む) |
CPU | サーバー側:動作クロック2GHz以上のIntelまたはAMD製プロセッサー クライアント側:動作クロック500MHz以上のCPU |
CPU | Pentium MまたはSSE2対応Athlonクラスのプロセッサー(動作クロック1.30GHz以上を推奨) |
メインメモリー | 512MB以上(HDV編集時には1GB以上を推奨) |
HDD | 4GB以上の空き容量 |