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10年目の節目に登場した“Elements”2製品の意味と狙いをアドビ担当者に聞く!!

2006年10月05日 16時40分更新

文● 千葉英寿

アドビ システムズ(株)が初めてコンシューマー(パーソナルユーザー)市場に踏み込んだ記念すべき製品『Adobe PhotoDELUXE』(アドビフォトデラックス)をリリースしたのは、1996年のこと。その後、『Adobe Photoshop LE』を経て2001年に『Adobe Photoshop Elements』の最初のバージョンがリリースされた。写真加工でもビデオ編集でも、クリエイティブ分野のプロフェッショナル向け制作ツールを主力に掲げる同社が、コンシューマー製品をスタートさせてから今年でちょうど10年が経過したわけだ。

Adobe Photoshop Elements 5.0 plus Adobe Premiere Elements 3.0 日本語版
『Adobe Photoshop Elements 5.0 plus Adobe Premiere Elements 3.0 日本語版』のパッケージ

そんな節目となる今年、同社はパーソナルユーザー向けのデジタル画像編集ソフトの最新版『Adobe Photoshop Elements 5.0 日本語版』、ホームビデオ編集・DVD制作ソフト『Adobe Premiere Elements 3.0 日本語版』、およびこれら2製品を1パッケージにした『Adobe Photoshop Elements 5.0 plus Adobe Premiere Elements 3.0 日本語版』(いずれもWindows版)を11月上旬に直販サイト“アドビストア”などで販売開始する(関連記事)。

同社にとってAdobe Photoshop ElementsとAdobe Premiere Elementsは、より広くパーソナルユーザーの要望に応える製品として、プロ向けツールとはまた違った意味で注力している分野だと言える。事実、その成果として米国では両ブランドが、この分野でトップシェアをキープしており、“Photoshop”“Premiere”の名前をコンシューマーの写真やビデオの世界においても、不動のものにしていると言っていいだろう。

しかし今や“Web 2.0”、“サービス志向”の時代。米グーグル(Google)社が無料の静止画管理・編集ツール“Picasa”(ピカサ)をリリースし、数年前から台湾ユーリードシステムズ(Ulead Systems)社が“VideoStudio/DVD Movie Writer”を入門者向けに積極的にアピールしている。

アドビ システムズの以前からのコンペティターであるカナダのコーレル(Corel)社は今年、そのユーリードを買収してビデオ編集製品群をラインナップに加えた。同社には果敢に挑戦を続けている写真編集・加工ソフトの“Paint Shop Pro”シリーズがあり、コンシューマー市場においてはアドビ システムズの有力なライバルへと変貌を遂げたと言えるだろう。

今回インタビューに答えていただいたマイケル・ウィ氏ら
今回インタビューに答えていただいたマイケル・ウィ氏(左)、舟越美樹氏(中央)、宮島誠一郎氏

今や追われる立場となったアドビ システムズにとって、日本市場における両Elements製品の位置づけや新バージョンの製品戦略とは? 米アドビ システムズ(Adobe Systems)社のデジタルイメージング&ビデオビジネスユニットのシニアマネージャーであるマイケル・ウィ(Michael Uy)氏と日本法人のマーケティング部@ホーム部部長の宮島誠一郎氏、同部フィールドマーケティングマネージャーの舟越美樹氏らに話を聞いた。

シーンラインモードとモニターウィンドウ編集の
直感的な操作性が“Premiere Elements”の自信の源

[――] (新製品発表のニュースを聞いて)今年もまた「“Elementsの季節”が巡ってきたな」と感じますが、リリースするサイクルが決まってきているのでしょうか?
[アドビ] そうですね。いつも夏の終わりぐらいにニュースリリースを発表して、秋に市場に出すという感じになっています。これは、最初からElements製品をこの時期に出そうということではなくて、Adobe Photoshop ElementsとAdobe Premiere Elementsと親和性の高いデジタルカメラやビデオカメラなどの撮影機器の発売・発表を意識しているわけです。これらの製品が年間を通じて最も売れ行きがいい時期である“クリスマスシーズン”に間に合うようにElementsシリーズも出すべく、というタイミングになります。
[――] 以前には、そうしたデジタルカメラなどのハードウェアとのバンドル版も用意されていたと思うのですが、今回はいかがですか?
[アドビ] Adobe Photoshop Elementsにはそうした予定はありませんが、Adobe Premiere Elementsは一部メーカーの製品との連携を予定しています。これはAdobe Premiere Elementsの置かれている立場が関係しています。
[――] 置かれている立場とは?
[アドビ] ご存じのように、Adobe Photoshop Elementsの方は(パーソナルユーザー向けフォトレタッチソフトで)トップシェアを維持していますので特にそうした施策は用意していませんが、Adobe Premiere Elementsは違います。米国ではAdobe Premiere Elementsがシェアトップなのですが、日本ではユーリードシステムズの“Video Studio”に水をあけられ、2番手に甘んじています。ぜひ今回のバージョンでトップを奪取したいと考えていますし、今度こそ“それがかなう”と信じています。
Adobe Premiere Elements 3.0のメイン画面
Adobe Premiere Elements 3.0のメイン画面。下のサムネールが並ぶ部分が“シーンラインモード”。中央の“モニタウィンドウ”に対してもドラッグ&ドロップによるエフェクトの追加やトリミング編集が行なえる
[――] シェアトップを奪取できる要素とは、具体的にAdobe Premiere Elements 3.0のどのあたりにあるのでしょう?
[アドビ] “シーンラインモード”を導入したことです。これはビデオ編集のワーキングスタイルを変えるもので、本当に“今回こそは”の自信作です。
[――] シーンラインモードが、なぜワーキングスタイルを変えるのですか?
[アドビ] プロフェッショナルの場合はやりたいことが分かっていてそれらは限定的なので、ワークフローの大胆な変更などは必要ないのですが、パーソナルユーザーのみなさんは“とてもスゴいことを簡単にやりたい”という希望をお持ちです。そこで今回、特に直感的に操作できる“シーンラインモード”を導入したわけです。

シーンラインモードは、取り込んだそれぞれのシーンがサムネールとして表示され、ドラッグ&ドロップで順番を入れ替えることができ、とても編集しやすくなったと思います。サムネールの間にある小さな枠を右クリックすればトランジションエフェクト(場面転換の効果)の選択や設定変更ができます。また、モニターウィンドウでトリミングなどの編集がダイレクトに行なえるようになっており、スムーズにビデオ編集ができます。

これらの直感的な操作は、これまで誰もが思いつきそうでいて、実は実現していなかったことです。もちろんシーンラインからタイムラインモードへステップアップにも役立ちます。アップルコンピュータの『iMovie』(Mac OS X用)は革新的なビデオ編集ソフトだと思いますが、そのiMovieも既存のワークフローのしばりを乗り越えていないと思います。


ストップモーション
ストップモーションでクレイアニメのような映像を撮影しているところ。上にうっすら前のシーンが表示される“オニオンスキニング”モードが用意されているので、動かしすぎ/動きが少なすぎ、といったチェックが簡単にできる
[――] ほかにはどのような新機能がありますか?
[アドビ] 対応フォーマットの拡大があります。今回、HDVやFLVに対応しました。パーソナルユーザー向けのデジタルビデオカメラもHDV対応の高画質モデルに注目が集まっています。これにいち早く対応しました。HDVカメラ以外にもDVDカムコーダーや既存のビデオカメラ、動画撮影が可能なデジタルカメラやウェブカメラなどにも対応します。また、書き出しは1層/2層どちらのDVDにも書き込め、オリジナルDVDが手軽に作成できます。MPEG-4形式での出力もできるので、携帯電話機やiPod、PSPなどの携帯デバイスでの閲覧も可能です。

新しく搭載した“ストップモーション”を使えば、ご自身がお持ちのフィギュアをウェブカメラなどでコマ撮りすることで簡単にクレイアニメーション風の映像が作成できます。コアなホビースト(熱心な趣味人)のユーザーにとっても楽しい機能だと思います。さらに“ナレーション”機能を使って、これにアフレコすることもできます。こういった新しい機能の開発、導入にはユーザーからのフィードバック(機能要求)によるところが大きいのです。
[――] ユーザーの声と言えば、パーソナルユーザー向けのビデオカメラの多くには手ブレ補正の機能がついていますが、Adobe Premiere Elementsにも“スタビライザー”(ソフト補正によるぶれ軽減)機能があったらコンシューマーは喜ぶと思うのですが?
[アドビ] 実はかねてより考えてはいます。しかし、スタビライズはプロでも難しい機能で、どのようなアルゴリズムがいいのかを図りかねています。これはなかなか難しい課題ですが、ぜひ継続して研究し、考えていきたいと思います。


トーンカーブに近い高度な調整機能を用意
「作品づくりを楽しんでほしい」

[――] 続いてAdobe Photoshop Elements 5.0ですが、こちらはどういったところをポイントに開発されたのでしょうか?
[アドビ] まず、“作品づくり”を楽しんでいただきたい、という願いをもって開発しました。ひとつは“レンズ補正”や“カラーカーブ”の導入など、より高度な画像編集機能を搭載したという点です。それとテーマ別レイアウトやフレームテンプレートを活用して、みなさんのクリエイティビティー(創造力)を大いに発揮していただければと思います。
カラーカーブの画面
新たにPhotoshop Elements 5.0で追加された“カラーカーブ”の画面。編集中の画像でプレビューしながら補正ができる
[――] レンズ補正や、『Adobe Photoshop CS』などのトーンカーブとよく似たカラーカーブなどは、本来かなり高度な編集機能だと思いますが。
[アドビ] Adobe Photoshop Elementsの中心的なユーザーには、デジタル一眼レフカメラのユーザーが急増しています。こうしたユーザーの二ーズは今までよりも本格的な画像編集機能なのです。
[――] なるほど。トーンカーブに近い機能が盛り込まれたのはうれしいニュースだと思いますが、よく見ると4つのポイントについてスライダーを動かして調整するもののようですが?
[アドビ] トーンカーブの操作はプロでも難しいものです。そこであえてシャドー/ハイライト/中間(明るさとコントラスト)の4ポイントに絞って、スライダーで操作するのみで、カーブを直接編集はできないようにしています。この4つのポイントに絞るのも相当な研究を重ねました。
[――] 確かに、その方がユーザーにとっては安全かもしれませんね。しかし、このインターフェースだと一見してトーンカーブが自由に操作できると勘違いされるのでは?
[アドビ] その可能性はあります。でもカーブは直接触れないので、もし触りたい方はぜひ『Adobe Photoshop CS2』をどうぞ(笑)。
マイケル・ウィ氏
マイケル・ウィ氏は日本の市場性にも精通しており、日本語も堪能だ
[――] 以前のバージョンで日本語版のみの機能として、“QRコード”(2次元コード)生成の機能が盛り込まれたことがありましたが、何か日本向けに独自開発した機能はありますか?
[アドビ] 今回は“フリップブック”機能を搭載しました。複数の写真を選んで、簡単にパラパラマンガを作ることができます。この機能は、特に日本の教育市場からフィードバックがあったもので、そうしたご意見を取り入れ、日本主導で開発を進めたものです。弊社では日本市場を大変重要に考えています。その証として、日本市場の担当者(※1)がいます。これは日本市場だけの対応です。
その日本市場の担当者が、今回話を聞いたウィ氏本人。ウィ氏は日本在住の経験もあり、日本語がとても堪能で日本市場を知り尽くしているようだ。

[――] フリップブックというのは、一般ユーザーはあまり耳慣れない言葉だと思うのですが。
[アドビ] その機能名について、実はスタッフ内でもいろいろな意見が出たんです。「“パラパラマンガ”の方が分かりやすい」という声や「パラパラマンガだと限定されたイメージがある」などです。結局、パラパラマンガを英訳したフリップックに落ち着いたわけです。
[――] パーソナルユーザー向けの製品ではネーミングなどにも気を使いますよね。そういった意味では、前バージョンまでの顔になっていたおじさんのキャラクターやキャッチフレーズの“ぷろなみ”がなくなってしまいましたね。
[アドビ] これにも事情がありまして、「せっかく新しいバージョンをリリースしてもパッケージの印象が変わらないと新バージョンであることをお客さんにアピールできない」という販売店からのアドバイスがあったためです。それで今回は“ぷろなみ”とおじさんキャラクターをやめたわけです。ですので、さらに次のバージョンの時には復活させてもいいかな、と思っています。
[――] 楽しみにしています(笑)。
4.0のパッケージ
ちなみに、こちらは4.0のパッケージ。“ぷろなみ”“あくしょん”とひらがなのキャッチや、普通のおじさんがカメラを構えて日曜監督っぽく撮影しているのが印象的だ

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