Core 2 Duoで猛追撃を図るインテル
インテルが2006年に投入予定の“Core 2”ベースのデュアルコアCPUなどを掲げる、米インテル副社長兼デジタルエンタープライズ・グループ サーバー・プラットフォーム事業部長のカーク・スカウゲン氏 |
Pentium Dの世代では苦杯を舐めたインテルだが、今年1月の“Coreアーキテクチャー”の登場でAMDに追いつき追い抜くための準備が整いつつあるようだ。そのキーとなるのが、今年後半から市場に投入される“Core 2”だ。インテルは米国で3月に開催された“IDF 2006 Spring”を皮切りに、Core 2アーキテクチャーベースの CPUについて、アーキテクチャーやパフォーマンスなどの情報公開することで、Core 2への関心と期待を高めている。
Core 2はノートパソコン向けCPUである “Intel Core Duo”を改良し、消費電力あたりのパフォーマンス向上と64bit対応などを実現したCPUである。ノートからサーバーまで同じアーキテクチャーのCPUを投入する。サーバー向けCPUは“Woodcrest(ウッドクレスト)”、デスクトップ向けは“Conroe(コンロー)”、ノート向けは“Merom(メロン)”というコード名で呼ばれていたが、ConroeとMeromについては“Core 2 Duo”が正式名称となる。Woodcrestは“デュアルコアXeon”となる模様だ。
IDF 2006 Spring で公開されたWoodcrestの消費電力あたりの性能を示すスライド。なんと80%もの性能向上を実現するという | 同じく公開された Conroeの性能を示すスライド。こちらも低消費電力とパフォーマンス向上を両立させる |
インテルはこれらCore 2ベースのCPUについて、 Conroeは40%の低消費電力化と40%性能向上を実現、Woodcrestに至っては35%の低消費電力化を行ないながら80%という大きな性能向上を実現するとしている。Meromも消費電力を同等~低減しながら、性能は20%向上するという。
COMPUTEX TAIPEIでCore 2 Duoを大々的に披露
インテルはCore 2 Duoのパフォーマンスによほど自信があるようで、発売前にも関わらずさまざまな機会を利用して、パフォーマンスの披露を行なっている。そもそも発売の発表以前に名称まで公開すること自体が異例とも言え、パフォーマンスへの自信と共にシェアを伸ばすAMDへの危機感が強く感じられる。
去る6月7日にインテルは、台北で開かれた “COMPUTEX TAIPEI 2006”に併せて開催したイベントで、Core 2 Duoと対応チップセットである “Intel 965 Express”シリーズの発表を行なった。Core 2 Duoの登場は、従来“今年後半”と言われ続けていたが、 COMPUTEXでのイベントでは、“6~8月に出荷”とやや前倒しされている。パフォーマンスについても、同クロックで動作する Athlon 64 FXと比較して、メディアエンコードのテストでは1.1~1.5倍高速に処理を行なうという。
COMPTEX TAIPEI 2006 でのイベントで披露された、Core 2 Duo対Athlon 64 FXの性能比較スライド。赤がCore 2 Duoで、各種メディアエンコードで 1.1~1.5倍は高速だという |
日本でも、秋葉原UDXにて開催された公開イベント “AKIBA GRAND PRIX インテル テクノロジー・サーキット”にて、デスクトップ向けCore 2 Duoと、対応マザーボードなどの製品が多数出展されて、性能の高さと製品バリエーションの幅広さを宣伝していた。Core 2 Duoの登場で、今年の夏の自作市場は例年になく盛り上がりそうな気配である。
同イベントでは Woodcrestの実動デモが、日本初公開されている。Core 2 Extremeと同様のデュアルコアで、デュアルCPU構成が可能である。従来比 80%増のパフォーマンスを発揮するというだけあって、その性能に期待する向きは多い |