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PowerShot S3 IS

PowerShot S3 IS

2006年05月10日 16時06分更新

文● 小林伸

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手ぶれ補正に加え、ISO 800相当の高感度撮影にも対応

 このシリーズは従来から、光学式の手ぶれ補正機能(IS:Image Stabilizer)を搭載してきたが、本機ではISO 800相当の高感度モードも選べるようになった(従来はISO 400相当まで)。撮影感度が上がったことで、暗い場所でもより高速なシャッター速度で撮影できるようになり、手ぶれだけではなく、被写体ぶれも気にせず撮影できるようになる。画像処理エンジンには従来同様“DIGIC II”(ディジックツー)を搭載しており、高感度撮影時のノイズ低減にも一役買っているという。

サンプルを480×640ドットにリサイズしたもの等倍の画像を800×600ドットに切り抜いたもの

 ただし、ISO 800設定時の画質ではノイズがかなり増えてくる。そのため常用はお勧めできないが、緊急時に使用するのには問題ないだろう。ISO感度の設定には、カメラ側が感度を決める“オート”と、ISO感度を優先的に上げる“高感度オート”のほか、ユーザーが数値で感度を指定できるメニューも用意されている。通常は“オート”で撮影し、日がかげってきたら“高感度オート”を選ぶ程度の使い方がいいのではないかと思う。

サンプルを480×640ドットにリサイズしたもの等倍の画像を800×600ドットに切り抜いたもの

 最高感度に関しては前述のDMC-FZ7がISO 1600相当、ソニーのDSC-H5ではISO 1000相当を選択できる。他社製品よりは、若干低めの設定ではあるが、従来より高い感度が確保された点は評価したい。

毎秒60フレームの動画撮影にも対応、AF性能は少々不満

 連写性能に関しては、毎秒2.3コマの撮影が可能。最高解像度の“ラージ”モード(2816×2112ドット)で、JPEG圧縮率が最も低い“スーパーファイン”を選択した場合でも、連写が止まることはない。筆者が試用時に使用していた記録メディアは、書き込み速度が150倍速(毎秒22.5MB)のSDメモリーカードだったが、手元にあった50倍速のものに差し替えても一向に止まる気配が見えなかった。それよりも古いおそらく20倍速程度のものでも20枚を超えたあたりで、連写速度が落ちてしまったが、止まるまでにはいたらなかった。

記録メディアはSDメモリーカード。

 本機は、被写体の動きに追従する“CONT”(コンティニアス)モードのAF設定を持っているが、シャッターを半押しするとフォーカスロックがかかってしまうので、あまり有効ではなかった。半押しから全押しまでの時間が長いと、動きのある被写体ではピントを外す確率が上がってしまうのである。

 また、ピントの合焦点を前後にずらし、高速連写でブラケット撮影する“Focus-BKT”(フォーカスブラケット)という機能も用意されている。前後にずらす量は自分で設定できるのだが、動いている被写体がどれだけ移動するかなどは事前に分からないため、動きの激しい被写体の撮影には有効ではなかった。この機能は、被写界深度が浅く、しかもピントの合う位置で印象の変わる被写体を撮る際に便利だと思われる。マクロモードで静物を撮影したり、レンズの望遠側でポートレート撮影する場合などがこれに当たる。

背面。設定画面を呼び出すボタンは液晶脇のFUNCボタンと向かって右のMENUボタンの2種類があり、それぞれ設定できる項目が異なる。

 動画撮影用の“ムービーボタン”は、背面の液晶ディスプレーの右上にある。グリップ部分の上部にある“シャッターボタン”とは完全に切り離されており、誤動作はしにくいと思われる。動画撮影中には、光学ズームの使用も可能。512MBのメモリーカードを使用した場合、解像度640×480(VGA)/毎秒30フレームで4分以上の撮影ができる。解像度を320×240ドット(QVGA)に解像度を落とせば、毎秒60フレームで6分撮影可能だ。

 動画撮影時に、シャッターボタンを押すことで静止画を撮影することも可能だ。小学校などではそろそろ運動会が行なわれるが、子供の走っている姿をムービーで撮りながら、ゴールの瞬間だけスチール写真を押さえるといった使い方もできるだろう。ただし、動画の撮影時には、静止画ををワイドモード(16:9)に設定してあっても静止画は4:3の比率になる。

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