【アキバ・キーマンインタビュー No.3】「ドネルサンド」が秋葉原名物になるまで！　「スターケバブ★Take away」店長ムスタファさんに聞く！

メイドさんもプライベートで食べに来てる!?

――それにしても、お客さんの切れ目がないですね。なにが人気の秘密だと思います？
ムスタファ　自分で必ず毎日1回は食べて、おいしいかどうか味をチェックしてるからね。昨日も今日も明日も、いつでも同じ味を出すことが大事。どこよりも一番おいしいケバブだと、自分で思っているよ。
――やりがいを感じるのはどんなときですか？
ムスタファ　おいしいものを作って、売って、食べてもらうのが大好き。本当においしかったとき、「ごちそうさま」と言うのが日本人でしょ。だから、食べ終わったときに「ごちそうさま」と言ってもらうことが一番うれしいこと。
――メイドさんも来たりしますか？
ムスタファ　メイド服姿では来ないね（笑）。仕事帰りに寄ってくれる人はいるよ。でも、だいたいメンバーの95％は男性。お肉好きなのは男性が多いからね。
――固定のお店になってから、ちょうど1年ですね。移動販売のときと違いますか？
ムスタファ　私はすっごくきれい好きなの。だから移動車で販売するよりいつもきれいなお店で営業できることがうれしい。それは従業員にとってもいいことだしね。あと、固定のお店だと、メンバーにいつでも同じ場所でやっているという安心感をもってもらえる。今日はあそこで明日は別の場所だと、お店に行くの大変でしょ。それと、路上のお店で営業しているときはよく警察に注意されて、そのたびに動かなくちゃいけないときも多かった。それでメンバーに迷惑かけることもあったけど、今はその心配がなくなったことがうれしいね。
――お店のデザインも、かわいいですよね？
ムスタファ　これ、私のデザインね（笑）。トルコのお守りのイラストも描いてるよ。あと、この車輪のイラストは一番はじめに“移動販売”から始めたことを忘れないようにと思って。
――ほかのオシャレな町でも似合いそうなお店だと思います。
ムスタファ　ぜんっぜん、オシャレな町でやりたいなんて考えてないよ。この秋葉原の、この路地の雰囲気が好きだし、このお店に合ってると思ってる。

車両を使った移動店から現在の固定店にするときの様子。この写真の撮影後2日目に営業が開始した。（写真は当時編集部が撮影したものを使用)		秋葉原店のマークは、トルコ人男性のイメージをマーク化にしたもの

狂牛病騒動の際は鶏肉を使ったことも

――今までで一番お店がピンチだったときは？
ムスタファ　狂牛病の騒ぎがあったとき。オーストラリア産の肉を使って、お店にちゃんとそのことを説明する紙も貼ったけど、１年半くらい新しいお客さんは増えなかった。鶏肉使ったりもしたしね。鶏肉もけっこうおいしかったんだけど、やっぱり牛肉のほうがみんな好きみたい。でも、そんなときでも、まったく変わらずに来てくれてお店を支えてくれたのが、古くから来てくれているメンバー。まったく疑うこともせず、いつもと変わりなく食べに来てくれたことは忘れない。あれはほんとに、うれしかったね。
――（ちょっと感動しながら）それは、ほんとにうれしいですね。お店の写真とかメニューとかいろいろ撮らせてください。どれからいきますか？
ムスタファ　肉はね、ちょっと待って。もうちょっとでベストの焼き色になるから。じゃあ、こっちの売り出し中のジュース撮ってよ。
――（トルコ直輸入のおすすめジュースを記者が撮る）
ムスタファ　ちょっと、写真斜めになってない？　……貸して、私が撮るから。
――（記者、しょんぼりしながらカメラを渡す）
ムスタファ　（何枚か撮って）あと、何撮る？　
――えっと、お店の全景とか。あと、肉を焼いてるところと、お肉を切っているところもお願いします。
ムスタファ　オーケー。（写真をいくつか撮ってくれる）じゃあ、あと肉ね。 （トルコ語で店員さんに話しかけて、どんどん撮っていく）
――このお肉、すごい厚さですけど、最初から固まりじゃないですよね？
ムスタファ　特別の調味料に漬け込んだ薄切りの肉を、（回転する）ドネルケバブ焼き器の鉄串にどんどん刺していくの。合間に脂身をはさむとコクが出る。そのあとに、余計な肉をそぎとってかたちを整える。この肉全部、1日で売るよ。(次ページに続く)

焼き色がついたお肉が実においしそう。大きめのナイフで斜めに肉をそぎ落とす。切っているのは、秋葉原店のシンボルのイスキアさん。サンタクロースのような雰囲気で人気者		トルコ直輸入のフルーツジュース。右が一番人気の“サワーチェリー”、左はネクタータイプの“アプリコット”