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秋冬デスクトップ新製品のTV録画機能付きパソコン総ざらえ

秋冬デスクトップ新製品のTV録画機能付きパソコン総ざらえ

2005年09月30日 18時53分更新

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各社のTVパソコンの仕様を横並びチェック!

 それではここまでで取り上げた各社のTVパソコンについて、項目ごとにどんな特徴があるがをチェックしてみよう。まずはデジタル放送対応だ。

 4社ともデジタル放送の視聴/録画機能を備えたデスクトップを製品化しているが、その中身についてはずいぶんと異なる。富士通、ソニー、日立の製品は、デジタル放送をハイビジョン品質そのまま(MPEG-2 TS)で視聴/録画が可能だが、NECについては画質をSD相当に落としての視聴/録画のみとなっている。ただしソニーの製品でデジタル放送録画に対応するのは直販モデルのVGC-VA200DSのみで、店頭販売モデルは対応する製品がない。富士通、ソニー、NECの製品は、地上/BS/110度CSデジタル放送のすべてを視聴/録画できるが、日立のPrius Air AR37Hは地上デジタル放送のみの対応となっている(その分比較的安価)。一方で日立のAR37Hは、ひとつの視聴ソフトでアナログ放送とデジタル放送のどちらも視聴できるという特徴を持っている。いちいちソフトを切り替えることなく、同じソフト上でどちらも見られるというのは、使い勝手の良さを評価できる。さらに富士通と日立の製品は、デジタル放送とアナログ放送の同時録画も可能だ。

地上デジタル放送のみとはいえ、ハイビジョン録画対応、統合されたアプリケーション、D4端子で大画面TVもOKと、非常に多芸なPrius Air AR37Nはお勧めの製品だ
地上デジタル放送のみとはいえ、ハイビジョン録画対応、統合されたアプリケーション、D4端子で大画面TVもOKと、非常に多芸なPrius Air AR37Nはお勧めの製品だ

 こうしてデジタル放送に関する機能を見比べてみると、多機能な富士通と日立の製品に軍配を上げたい。特に富士通のTX90M/Dは、32インチワイドの大画面液晶ディスプレーもあって、高画質のデジタル放送を大画面で楽しめる。地上デジタル放送のみ対応だが、日立のAR37Hも優れている。ひとつのソフトでデジタル/アナログの両放送を見られるのは使いやすく、D4端子経由で大画面TVにつながるというのもポイントだろう。


液晶ディスプレーのサイズは?

 大画面液晶TVやプラズマTVの普及もあり、パソコンに付属または一体化される液晶ディスプレーも、最近は大型化が著しい。その筆頭が富士通のTX90M/Dで、なんと32インチワイドサイズの巨大な液晶ディスプレーを一体化したパソコンとなっている。デジタル放送視聴/録画にも対応しているので、デジタルTVとして楽しむのも十分な製品だ。それに続くのはNECのVW900/DDの26インチワイド液晶ディスプレーだろう。ソニーのVAIOシリーズでは、20インチワイド液晶ディスプレー一体型のtype V VGC-VA200RBが最大画面サイズの製品であるが、リビングの中心に大画面一体型パソコンを置くという両社のコンセプトと違い、“高性能・多機能を省スペースに”をコンセプトとしているため、極端な大画面には走らないとのことだ。

20インチワイドWXGA+液晶ディスプレーをセットにしたVGC-H71B2R。TVチューナーも内蔵されていて、パソコン側のダブルチューナーと合わせた3番組同時視聴なんてことも可能だ
20インチワイドWXGA+液晶ディスプレーをセットにしたVGC-H71B2R。TVチューナーも内蔵されていて、パソコン側のダブルチューナーと合わせた3番組同時視聴なんてことも可能だ

 これらの大画面液晶ディスプレーは、サイズこそ大きいものの、解像度は1366×768ドット程度と、実は最新のノートパソコンの液晶ディスプレーよりも低いものが多い。これはTV用の液晶パネルをベースにしているため、解像度自体はあまり高くないという理由もある。しかしこの秋冬モデルの新製品では、20インチワイドサイズで1680×1080ドット(WXGA+と称する場合もある)という、大画面と高解像度を兼ね備えた液晶ディスプレーを採用する製品も登場してきた。たとえばNECのVX980/DD、VL980/DDやVL770/DDなどの付属液晶ディスプレーがそうだし、ソニーのtype H VGC-H71B2Rの付属ディスプレーや、type RのOWNER MADEモデルで選択できるTVチューナー内蔵ワイド液晶ディスプレーにも、20インチワイド液晶ディスプレー(WXGA+表示)がラインナップされている。富士通と日立の製品には、この種のディスプレーは採用されていない。20インチワイド&WXGA+クラスの液晶ディスプレーは、大画面ワイドの迫力と、パソコン用ディスプレーとしての高解像度を兼ね備えながら、単体でも販売価格も10万円未満(たとえば(株)ナナオの『FlexScan S2210W』は21.1インチワイドだが直販価格で9万9750円)と、比較的低価格になっている。今後はTVパソコン上位機種のプレミアム感を高める付属ディスプレーとして、採用も増えていくのではなかろうか。




ダブルチューナー&2番組同時録画は当たり前に?

 秋冬モデル新製品を並べて眺めると目立つのは、ダブルアナログTVチューナーを内蔵し、2番組同時録画を可能にした製品の増加だ。特に積極的なのがソニーで、type V、type R、type Hの全機種が、ダブルチューナー搭載で2番組同時録画を可能としているほどの力の入れようだ。NECも多く、VALUESTAR Xで2機種中1機種、VALUESTAR SRで4機種中3機種、VALUESTAR Lでは5機種中2機種が2番組同時録画に対応している。富士通ではTXシリーズの2機種のみ、日立ではPrius Deck Nシリーズの2機種が対応している。

 またデジタル放送録画に対応する製品では、デジタル+アナログの同時録画が可能なものも多い。さらに録画をしつつ裏番組を視聴というものなら、NECのVALUESTAR Wシリーズや富士通のHシリーズ、CEシリーズのTVチューナー内蔵液晶ディスプレー付属モデルが可能である。TVパソコンのほとんどが、今や1録画+1視聴は当たり前。2番組同時録画も珍しくない機能になっている、と言っても過言ではないだろう。このトレンドはこれからますます進んでいくと思われる。


インスタント機能はどこが使いやすい?

 昨年あたりから採用され始めた、Windowsを起動せずにTVやDVDを楽しめる“インスタント機能”だが、秋冬モデルでは富士通、ソニー、NECの3社が採用した製品を投入している。ノートパソコンでの採用も多く、今後はより一般的な機能になると思われる。

 デスクトップパソコンの場合、特に熱心なのが富士通だ。同社は早くからインスタント機能に注目していて、TX、LX、CEシリーズの対応機種が採用しているインスタント機能用ソフト“インスタントMyMedia”は、かなり使い勝手の良いものとなっている。ライブのTV放送(アナログのみ)の視聴やDVD、CDの視聴はもちろん、TV放送の録画も、HDDとDVD-RAMへの録画をサポートしている。インスタントMyMediaで録画したビデオをWindows XP上のアプリケーションから見たり、Windows XP上で録画した番組をインスタントMyMediaから見ることも可能だ。ただし録画時間は最大6時間までと制限されている。

 ソニーの製品では、type Vだけがインスタント機能を備えている。TVとDVD、CDの視聴が可能なほか、DVD-RWやDVD-RAMへの番組録画が可能であるが、HDDへの録画はできない。これはインスタント機能時に動作するOSが、Windows XPのHDDパーティション内にアクセスできない制限のためだ。一方NECの製品では、Lシリーズ全機種とSRシリーズの3機種にインスタント機能が搭載されている。こちらはTV、DVD、CDの視聴に加えて、見ている番組HDDへの録画が可能である。逆にDVDメディアへの記録はできない。

 機能面での使いやすさを見ると、やはり早くから採用を行なった富士通に、一日の長があると言えよう。Windows並みとは言えないが、機能制限を意識せずに利用できる幅が広い。もっとも最近のパソコンはWindows XPの“スタンバイ”や“休止状態”を使えば、数秒~30秒程度で使用可能な状態に復帰できるので、これらを利用して電源を完全には切らない状態で使えば、インスタント機能なみの短時間起動が可能である。その点ではインスタント機能がなくても、あまり重大な欠点とは言えないだろう。

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