[――]
今回新たに登場したAdobe Stock Photosサービスのビジネスプランについてお聞かせください。
[中川]
まず、なぜ弊社がストックフォトサービスを手がけるかということですが、クリエイティブのワークフローをストリームラインするというのが主眼です。アプリケーションのひとつの機能として各ストックフォト・プロバイダーのアセット(資産、ここでは画像ライブラリーを指す)にアクセスできることで、グラフィック・ユーザーの作業を効率化することができます。また、弊社がストックフォト・プロバイダーとタッグを組むことで、相互にビジネスとして利益の得る環境を作ることができます。ユーザー/パートナー/アドビというコンビネーションの中でビジネス的なメリットを作り上げていきます。基本的に弊社は、ディストリビューターとしてストックフォト・プロバイダー各社の流通の部分を担います。その中でカスタマーサポートやマーケティングしていき、マージンを得るというビジネスモデルです。
[――]
ストックフォト・プロバイダー側はアドビ本社との契約が必要なのですか?
[中川]
そのとおりです。現在27ヵ国で交渉が進行中です。インターナショナルなサプライヤーを取り込み、この秋には米国で5~7社の追加を検討しています。このうち30%がアメリカ以外のヨーロッパや日本を含むアジアで、この地域を広げていきたいと考えています。ストックフォト以外にも、個人の写真家と『Adobe Photographer's Directory(アドビ フォトグラファーズディレクトリ)』という連携を作ることで、そこに登録している写真家の窓口にもなります。
[――]
クリエイターのためのフォトライブラリとしてだけでなく、写真家のオンライン・ギャラリーとして機能する可能性もあるのでは? そういうアナウンスが“Photoshop World”(※1)であれば、より多くの参加が期待でき、写真家にとっても楽しいものになりますね。
※ Photoshop World 11月9日~10日の2日間、Adobe Photoshop World(アドビ フォトショップワールド) Conference & Exhibitionが開催される。Photoshop Worldは、米国において年2回NAPP(National Association of Photoshop Professionals)で開催されている世界最大のPhotoshopイベントであり、今回、日本での開催が海外で初めてのものとなる。“Photoshopの伝道師”ラッセル・ブラウン(Russell Brown)氏も参加する予定だ。[中川]
もしそういうことになったら、それは凄いことですね。
[栃谷]
そうでなくともPhotoshop Worldは盛り上がると思いますよ。ぜひ期待していてください。
[――]
今日はありがとうございました。