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“Adobe Creative Suite 2 Debut Fair アイデアから先のすべてを。”レポート Vol.2――松尾貴史氏とアートディレクター佐野研二郎氏の軽妙なトークにごきげん!

2005年06月29日 11時19分更新

文● 千葉英寿

アドビシステムズ(株)が28日に開催したユーザーイベント“Adobe Creative Suite 2 Debut Fair アイデアから先のすべてを。”の後半では、ユーザーゲストによるトークセッションが繰り広げられた。

最初のゲストセッションは(株)博報堂のアートディレクター佐野研二郎氏を迎えて、“アイデアやクリエイティブを生み出すために大切なことは?”と題して行なわれた。モデレーターは総合司会の松尾貴史氏が務めた。松尾氏はデジタルやデザインに関しても理解が深いようで、スムーズなモデレーターぶりだった。

TBSのキャペーンキャラクターとしてデザインしたブタのキャラクター
(株)東京放送(TBS)のキャペーンキャラクターとしてデザインしたブタのキャラクター。水戸黄門(左端上から2段目)や金八先生(右端最上段)といった同局らしいキャラなど、さまざまなバリエーションがあった

佐野氏はASCII24読者の誰もが一度は目にしたことのある有名キャラクターを生み出し続けているアートディレクターで、セッションでは作品の数々を紹介しつつ、制作の裏話を松尾氏が聞いていくという趣向ですすめられた。佐野氏は『Adobe Bridge』のスライダー機能を巧みに使いこなして、次々に写真を示しながら作品を紹介していった。

ソニー・コンピュータエンタテインメントの『PSP』 日光江戸村の“にゃんまげ”
(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントの『PSP』。駅貼広告には実物のPSPを貼付けたため警備員が立ったことでも話題を集めた日光江戸村の“にゃんまげ”。キャラクター制作を依頼されたわけではなかったが、大手のテーマパークのキャラクターを対抗してネコのキャラクターにしたのだとか
日清食品の『ラ王』 日産自動車の『MURANO』
日清食品(株)の『ラ王』。ラーメンのシンボルと言えば小池さん日産自動車(株)の『MURANO』。これも佐野氏の手による

作品を見ながら佐野氏が、「広告デザインは誰も期待していないところから始めて、目を止めてもらわなければならないんです」と語った。すると松尾氏は「路上で歌っているのと同じですね」と例え、それを受けて佐野氏は「それだけコミュニケーションって難しいんです」と答えた。

デザインやアイデアをどうやって発想するのかという話題になると、佐野氏は「僕も一時期はタイポグラフィー(フォントに趣向を凝らしたデザイン)にこだわったりしたのですが、そういうことって一般の方にとってはあまり意味がないのではないか。アイデアとかデザインって、もともとシンプルなものでは? そう思うようになったのです。それから、オリエンもらったら(発注のための打ち合わせを終えたら)、机で考えてるよりもどんどん作業してった方がいい」と、発想への姿勢について語った。

「どんな時にいいのが浮かぶんですか?」との松尾氏の質問に対して、佐野氏は「僕は会社まで50分ぐらいかけて自転車で通っているんですが、そういう時に出てくるアイデアって抜けていますね」と答えた。すかさず松尾氏が「やっぱりそういう時って、音楽とか聞きながら?」と突っ込むと、佐野氏は「ええ、『iPod』買って凄い量の曲を入れてるんです。音楽は重要ですね。制作する内容によっても違う音楽をかけて状況を作っています」と語った。

「Adobe Creatice Suite 2(ACS2)で、いいと思ったところがあったら教えてください」との松尾氏のフリに対して、佐野氏は「思いついたものをどんどんトライ&エラーできるのはいいですね。『Adobe Bridge』で比較しながら見られるのもいいです」と答えた。また、「Vanishing Point(Adobe Photoshop CS2で新たに追加された、パースや間隔を計算しながらコピー&ペーストできる機能)も凄いですね」との佐野氏の発言に、松尾氏がすかさず「不動産の広告作っている人にはうれしいでしょうね」と加えると、会場に爆笑が巻き起こった。

思わず身を乗り出す佐野氏
Adobe Illustrator CS2の新機能、ライブトレースの面白さに思わず身を乗り出す佐野氏。同氏のTシャツにはシャレで作ったという“Art Director 2.0J”の文字が(笑)

佐野氏の作品を一通り見たところで、ACS2の新しい機能を見て行くことにし、アドビ システムズのクリエイティブプロフェッショナル部 フィールドプロダクトマネージャの西山正一氏、マーケティング部の百合智夫氏を交えて、“ACS2で遊ぼう”といった趣旨のコーナーに突入した。

アドビの西山氏を交えて、しばしAdobe Illustrator CS2で遊ぶ3人
アドビの西山氏を交えて、しばしAdobe Illustrator CS2で遊ぶ3人

次に佐野氏が手描きしたアドビをイメージしたキャラクターを使って、ひとつのプレゼン案を即興で作ってみせた。

“アドビ システムズ”をイメージして手描きしたというキャラクターをスキャン ライブトレースでアウトライン化
セッション前に佐野氏が“アドビ システムズ”をイメージして手描きしたというキャラクターをスキャンする取り込んだ画像から“鳶”(“あ、トビ”から連想したそうだ)を選び、早速ライブトレースでアウトライン化する
ライブペイントで着色して仕上げ プレゼン案を2つ仕上げ
続いて、佐野氏は「やはりニッカは紫ですよね。肌は浅黒くて」と楽しそうに、ライブペイントで着色して仕上げるAdobe StockPhotosから探してきた鳶に近いイメージを加工し、プレゼン案を2つ仕上げた

最後に佐野氏は「アイデアって手元にある時は楽しいけれど、出てしまうとなんか寂しい感じがします。アイデアってお寿司と一緒で、職人がいつまでも握っていると美味しくないですよね。アイデアもそれと同じで、タイミングが大事だと思います。そういう意味では、どんどん発想するのにAdobe Bridgeはとてもいいと思います」と語った。


続くゲストセッションでは、(株)日経ビーピー(日経BP社)の編集委員の林 伸夫氏をモデレーターに、“ブランディングとクロスメディア展開”としてセッションが行なわれた。(株)ジョージズファニチュアの代表取締役の横川正紀氏と、同社のブランディングの一翼を担っている(株)エスエスワン(SS1)の代表取締役の松村有祐氏がスピーカーとして登場した。

左より、SS1の松村有祐氏、ジョージズファニチュアの横川正紀氏、そしてモデレーターの林 伸夫氏
左より、SS1の松村有祐氏、ジョージズファニチュアの横川正紀氏、そしてモデレーターの林 伸夫氏

ジョージズファニチュアのブランドである“CIBONE(シボネ)”は、家具やインテリア、ファッション、音楽などジャンルを超えてライフスタイルを提案しているが、このCIBONEのブランディングからカタログ、ポスター制作、ウェブサイトやモバイルへのクロスメディア展開まで、トータルでACSを活用していることがユーザー事例として紹介された。配布された資料には、実際にACS2の機能をフルに使って制作したというCIBONEのパンフレットが封入されていた。ちなみに、ゲストセッションで使用されたリビングセットもCIBONEのコーディネートによるものだ。

左から日経デザインの中井法之氏、エステムの谷口宏佳氏、DNPトータルプロセスBFの川野辺武司氏
左から日経デザインの中井法之氏、エステムの谷口宏佳氏、DNPトータルプロセスBFの川野辺武司氏

最後のゲストセッションも林氏がモデレーターとなり、“日経デザインにおける誌面デザインの向上とPDF/X”と題し、雑誌でのPDF/X導入の実例を編集/制作/印刷の各当事者の証言を交えて、PDF/Xによるワークフローの優位性を紹介した。スピーカーは、編集の立場から日経デザインの発行人の中井法之氏、制作の立場からエステムのデザイナー谷口宏佳氏、そして印刷の立場から(株)DNPトータルプロセスBFの執行役員第一部長の川野辺武司氏が登壇し、それぞれの立場から発言した。

Mac OS Xへの移行時期を迎えていることから、併せてACS導入を決意したという中井氏は、当初編集側から、月刊誌を1.5~2ヵ月かけて制作している(制作期間が重なっている時期がある)ことや、デザイン&レイアウト作業へのしわ寄せがいくことなどを理由に反発を受けたが、「責任は自分がとる」ということで導入を進めたと当時を振り返った。実は心配だったのは、制作を担当するデザイングループ“エステム”だった。Adobe InDesignでのレイアウト経験者が1名だったことや移行時の負荷が未知数ということが挙げられた。大日本印刷ではPDF/Xでの入稿が少なかったことから、社内のDDCP(ダイレクト・デジタル・カラー・プルーフィング、デジタルデータを直接網点階調で印刷する機械)、RIP(ラスター・イメージ・プロセッサー、EPSなどのベクターデータを印刷可能なラスターデータに展開する機械)など、現有する設備をすべて検証し、日経デザインにはこの設備という形で準備した。

結果、“PDF/X入稿はラク”という結論を得たという。川野辺氏はPDF/X入稿のポイントとして「DDCP出力を確認してからPDF/Xデータを作るのではなく、PDF/Xデータを作ってからプリフライト(テスト出力)で確認用DDCP出力を行なうことです」と語った。日経デザインのACS導入から、日経レストランや日経メディカルをはじめ7誌が移行を済ませたという。現在も2誌が移行中で、年内にはさらに5~6誌が移行に取り組む予定だ。

林氏は「次はAdobe InCopy CS2に興味があります。こうした編集ワークフローに沿ったツールの必要性は数年前から訴えていたのですが、ようやくこういうツールが出てきました。ぜひ、Adobe InCopyを記者、ライターが導入することでワークフローが改善することに期待したい」と締めくくった。


今回はいつもの同社のイベントとは趣きを変え、松尾氏を交えたリラックスしたセッションあり、林氏をモデレーターとした実の多いセッションあり、と硬軟取り混ぜた内容となった。これはすなわち、ACS2がより幅広いクリエイターに使用されることを想定しているものと理解できた。

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