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シトリックス・ジャパン、サーバーベースコンピューティング・システム『Citrix Access Suite 4.0』を発表――“MetaFrame”からブランド名を改称

2005年05月26日 18時19分更新

文● 編集部 内田泰仁

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シトリックス・システムズ・ジャパン(株)は26日、シンクライアント/サーバーベースコンピューティング環境を進化させた“アクセス・インフラストラクチャー・プラットフォーム”『Citrix Access Suite 4.0』を発表した。製品の販売は、同社販売パートナーを通じて行なう。製品ライセンスは、同日に発表されたメールやウェブなどの電子的な方法で提供する“Eライセンスプログラム”により提供される。1同時アクセスライセンス(CCU)あたりの参考価格は約10万円で、最小構成時のライセンス価格(5CCU)は50万円前後。

代表取締役社長の大古俊輔氏“Citrix”製品の目標

同社は従来、“MetaFrame”の名称でシンクライアント/サーバーベースコンピューティング関連製品を展開していたが、今回の発表にあわせて、“Citrix”のブランド名と主機能を表す固有名詞を組み合わせた名称へと改め、本製品シリーズの名称も従来の“MetaFrame Access Suite”から“Citrix Access Suite”へと変更された。今回のブランド名変更について、この日開催された記者発表会で同社の製品戦略などについて説明した代表取締役社長の大古俊輔氏は、“プラットフォーム”としての製品の充実を志向し、製品ポートフォリオを拡大していくにあたり、旧来の“MetaFrame”の名称(“MetaFrame”という技術を指す名称)では「製品が収まらなくなってきた」と判断し、ブランド名を社名を同じ“Citrix”に改称したとしている。

同社が提供するアクセスプラットフォーム。『Citrix Access Suite 4.0』はこの図の中央部分のエンドポイント・セキュリティー/アクセス・セキュリティー&コントロール/コンテンツサービス/プレゼンテーションサービスを構成する『Citrix Access Suite 4.0』の導入メリット製品の概要を説明したマーケティング本部本部長の樋渡純一氏。同社製品の基本姿勢を「セキュリティー対策として“つながせない”のではなく、(ネットワークや情報/リソースに)“つなぐ”ことが基本」だとして、セキュリティー対策としてのサーバーベースコンピューティングの導入を強調

今回発表された『Citrix Access Suite 4.0』は、企業の情報システムやリソースをネットワークを介してさまざまなデバイスから“安全に”アクセスして利用するためのサーバーベースコンピューティング基盤(同社では、より進化したサーバーベースコンピューティング基盤という意味で“アクセス・インフラストラクチャー・プラットフォーム”と呼んでいる)。今回のバージョンで新たに、あらゆるデバイス/場所/ネットワークにまたがって、継続的なアクセスを可能にするという“SmoothRoaming”テクノロジーや、ポリシーベースの柔軟かつセキュアなアクセス制御を実現する“SmartAccess”テクノロジーが盛り込まれている。両テクノロジーの搭載で実現した主な機能は以下のとおり。

“SmoothRoaming”
システム全体で一貫したシングルサインオン
自動的な接続の再開
近接するプリンターでの印刷
“SmartAccess”
エンドポイントの解析
暗号化されたSSL接続
高度なアクセス制御とアクセス権の管理

『Citrix Access Suite 4.0』を構成する製品は、基盤製品でシステムの核となる『Citrix Presentation Server 4.0』、パスワード管理ソフトウェア『Citrix Password Manager 4.0』、アクセス制御アプライアンス(ハードウェア)『Citrix Access Gateway 4.0』の3製品。各製品の主な特徴/新機能などは以下のとおり。

『Citrix Presentation Server 4.0』
・『MetaFrame Presentation Server』の後継となる最新版。CPU/仮想メモリー処理の最適化により、1サーバーあたりのユーザー数を従来バージョンに対して最大25%向上。
・リアルタイムにアプリケーションを共有して共同作業環境を構築する『MetaFrame Conferencing Manager』の機能を統合。
・ターミナルサービスや複数ユーザーでの利用に未対応のWindowsアプリケーションの複数ユーザー利用が可能な“アプリケーション分離環境”、VoIP製品の利用を可能にする“仮想IPアドレス”を新たに搭載。また、PDAとのシンク機能/スキャナー/デジタルカメラなどのUSBデバイスをサポート。
・印刷スピードの向上、印刷機能の管理/セキュリティーの強化、近接プリンターでの印刷など、印刷機能を強化。
 
『Citrix Password Manager 4.0』
・ユーザーの代わりにソフトウェアがアプリケーション/サービスごとのパスワードを管理するシングルサインオン・ソリューション。ウェブアプリケーションやWindowsアプリケーションなどを特別な変更なしにシングルサインオン化でき、エンドユーザーの生産性向上とシステム運用コストの削減が可能。
・Windowsで利用可能な多要素認証デバイス(スマートカード、バイオメトリックス、トークンなど)との連携が可能。
・従来からのActive Directoryログオン情報ストアーに加え、新たにNTFSログオン情報ストアーでもPassword Manager設定を可能となり、導入が容易になった。
 
『Citrix Access Gateway 4.0』
・同社製品としては珍しいハードウェアで、新たにSuiteに加わった新規製品。エンドポイントでのきめ細かいアクセスコントロールを可能とするSSL-VPN対応アプライアンス。
・ユーザー/デバイス/接続場所/接続手段に応じたポリシーベースでのアクセス/捜査権限の制御と管理が可能。
・VoIPを含む多数のプロトコルをサポートし、自動接続再開機能を搭載。

『Citrix Password Manager 4.0』の基本的な構造『Citrix Access Gateway 4.0』

なお、今回発表された各製品は、現時点では“x64”対応の64bit版Windowsには未対応で、x64対応製品については、現在開発中だという。また、セキュリティー対策アプライアンスの『Citrix Access Gateway 4.0』は、あくまでも『Citrix Access Suite 4.0』の一部という位置付けの製品で、本製品を主とした販売や今後の展開は行なわないとしている。

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