このページの本文へ

シトリックス・システムズ、事業動向などに関する記者説明会を開催――企業、自治体でのサーバーベースコンピューティング環境の大規模導入が進展

2005年09月06日 20時31分更新

文● 編集部 内田泰仁

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

シトリックス・システムズ・ジャパン(株)は6日、都内同社オフィスで記者説明会を開催し、2005年度の現時点までの事業動向や、5月末に発表で出荷が開始されたアクセスコントロール・アプライアンス『Citrix Access Gateway 4.0』についての説明を行なった。

代表取締役社長の大古俊輔氏大古氏がプレゼンテーションの最後に紹介した同社主催のカンファレンス“iForum 2005 JAPAN”の概要。米本社CEOが来日予定なほか、国内サーバーベンダーなどを中心に同社パートナーが多数参加予定とのこと

事業の動向について説明した同社代表取締役社長の大古俊輔氏によると、個人情報保護法の施行などに伴う企業のセキュリティーへの意識の高まりにより、同社が“アクセス・インフラストラクチャー・プラットフォーム”と呼ぶサーバーベースコンピューティング基盤製品群『Citrix Access Suite 4.0』について「“セキュアーな情報アクセスのための基盤”としての価値の認識」が浸透してきていると述べた。このことから、同社製品の導入規模は全社的な一括導入を視野に入れた例も少ないとしており、大規模導入の事例としては、地方自治体による「1万に近い数千ライセンス」規模での導入があるという。

また、自治体/教育機関と並んで同社が販売促進に重点を置いている金融機関については、実名での事例公表の許可が得られない企業が多いと前置きはしたものの、有力な事例のひとつとしてUFJ銀行を紹介。同行では、全従業員の端末からのウェブアクセスの制御にシトリックス製品を用いているといい、今後は最新版の『Citrix Presentation Server 4.0』の導入を検討していくという。大古氏によると、調査会社の調べでは、日本企業のITコストのうち、新規設備への投資は15%程度にとどまっているといい、同社では、シンクライアント/サーバーベースコンピューティング環境による“セキュリティー向上”だけでなく、管理の集中化による“TCO削減”も両立できるという点を訴求した活動を進めていくとしている。

このほか、大古氏が取り上げた2005年度の事業動向のトピックとしては、2005年度から日本でも展開を開始したライセンス販売形態“Eライセンスプログラム”が挙げられている。これは、同社製品の各種ライセンスを、Eメールやウェブサイトなどで購入し、電子的な流通のみでライセンスキーの提供を受けられるというもので、物理的な流通を伴うパッケージ提供に比べて納期やコストの面でメリットがあるという。大古氏によると、現時点で約20%のライセンスが“Eライセンスプログラム”を通じて販売されているといい、日本市場においても確実に同プログラムが浸透してきているとした。

マーケティング本部プロダクトマーケティング統括マネージャーの竹内裕治氏5月の発表会で展示された『Citrix Access Gateway 4.0』

続いて登壇したマーケティング本部プロダクトマーケティング統括マネージャーの竹内裕治氏は、5月26日に発表された『Citrix Access Suite 4.0』の構成製品のひとつで、同社としては唯一のハードウェア製品となるSSL-VPN対応アクセスコントロール・アプライアンス『Citrix Access Gateway 4.0』についての製品説明を、デモンストレーションを交えて行なった。

『Citrix Access Gateway 4.0』を社内外のゲートウェイとしたサーバーベースコンピューティング環境の構成図

『Citrix Access Gateway 4.0』は、インターネットを介して外部の端末から社内の情報システムを利用可能にするVPNアプライアンス。『Citrix Presentation Server 4.0』によるサーバーベースコンピューティング環境と外部ネットワークのゲートウェイとして機能し、専用クライアントやウェブブラウザーをベースに、企業内にあるパソコン環境、サーバー上のデータファイル、アプリケーションなどへのセキュアーなアクセスを実現するという。『Citrix Access Suite 4.0』には、ソフトウェアによるゲートウェイ機能“Secure Gateway”が含まれているが、同機能は企業ネットワークのDMZ上に設置したWindows Serverで運用する必要があることなどから、Windows Serverを狙った不正アクセスなどのリスクの回避や、設置/管理コストの面で、Linuxベースのアプライアンスである『Citrix Presentation Server 4.0』がより優れているとしている。

なお同社では、『Citrix Access Gateway 4.0』の出荷開始に伴って、本体と同時接続ライセンス×10をセットにした特別割引パッケージの販売キャンペーンを実施する。通常の価格では『Citrix Access Gateway 4.0』が42万4200円、同時接続ライセンス×10が16万8000円となているが、5日から11月30日のキャンペーン期間中は、本体とライセンスのセットで35万円で販売するという。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン