オリンパス/ペンタックス
オープンプライス
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2005年は一眼レフ機、普及の1年か?
「OLYMPUS E-300×PENTAX *ist Ds」。 |
2004年はデジタル一眼レフの新製品が続々と登場した1年だった。
ハイエンドでは、35mmフルサイズ、有効1670万画素のCMOSを搭載したキヤノンの「EOS-1Ds MarkII」(以下1DsMkII)が11月に登場。ニコンからもDXフォーマットフラッグシップ機となる、有効1240万画素APS-CサイズCMOSを搭載した「D2X」が2005年1月に発売予定になっている。どちらも1000万画素を超える解像度を持ち、主にプロカメラマンをメインターゲットにした製品である。
20万円前後のミドルレンジクラスでは、キヤノンが「EOS 20D」を発売した。これによりキヤノンはローエンドのEOS Kiss DIGITALからハイエンド機までのきれいなラインナップを完成させたことになる。ニコンも2004年3月にローエンドの「D70」を発売したが、これによりミドルレンジクラスの「D100」の存在が希薄になった感もある。CCDの解像度は同様ながら、連写性能などでは下位モデルにあたるD70のほうが上回っているためである。2005年には、D100のモデルチェンジが発表されるかもしれない。
一方で、ミドルレンジクラスのバリエーションも増えた。コニカミノルタの「α-7 DIGITAL」などである。コニカミノルタはこの製品でデジタル一眼レフ市場に参入したが、CCDシフト方式の手ブレ補正機能が今も話題になっている。
一眼レフデジカメ市場分布図。 |
しかし、こういった状況を眺めていくと、ローエンドからハイエンドまでバランスよく機種を揃えているのはキヤノンとニコン。それも解像度でのキレイなクラス分けまで完成しているのは現状ではキヤノンだけという状況が分かる。特にローエンドクラスの市場は両社の独壇場だった。しかし、そこにさらなる低価格を引っさげ乱入してきたメーカーがある。それがオリンパスの「E-300」とペンタックスの「*ist Ds」なのである。
資産を生かすか、一新するか
コンパクトデジカメですら800万画素クラスのCCDを搭載している現状において、敢えてデジタル一眼レフを選ばなければならない理由はどこにあるのだろうか?
ひとつは、レンズ交換によって画角変更のバリエーションが豊かになる点が挙げられる。*ist Dsは「Kマウント」という、ペンタックスが過去からずっと使い続けてきたレンズマウントを使用している。
一方、E-300は、オリンパスとコダックがデジタル一眼レフ用の統一規格として提唱する「フォーサーズシステム」に準拠した製品となっている。この規格に準拠したレンズはまだ少なく、過去のレンズ資産とは決別した形になっている。つまり、ボディだけでなくレンズも新調しないといけない。
ただし、メリットもある。オリンパスはデジタルカメラ専用にコダックが開発したフルフレーム転送型のCCDを採用している点だ。銀塩カメラで言えば、感材(フィルム)に最適なレンズシステムをセットで開発することと同様であり、ユーザーに対して自社の優位性をアピールするポイントとなる。
画角の違い。 |
一眼レフにAFの波が押し寄せてきたときに、ミノルタやキヤノンはレンズマウントを刷新した。それ以外のメーカーはマウントの基本形状は変更せずに今日まで来ている。その対立とよく似た状況が現在のデジタル一眼レフ市場で展開されているのだ。とはいえ、デジタル一眼レフは銀塩カメラのようにフィルム(つまりCCD)を自由に変えることができないため、専用設計のレンズの意味は大きいだろう。上述した画質の問題のほかにも、CCDと35mmフィルムの大きさの違いから生じる、画角の違いも考慮しなければならない(同じレンズでも銀塩とデジタル一眼レフでは撮影できる範囲が異なる)。
デジタルカメラ専用を謳ったレンズのラインナップ整備に各社とも余念がないのはそのためだ。マウントは同じだから使用はできるのだが、まったく同じというわけにはいかない点は頭の片隅に入れておきたい。「よりキレイな写真を撮るには専用レンズを購入してください」というわけだ。