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Pentium M搭載静音PCの真の実力

Pentium M搭載静音PCの真の実力

2005年02月01日 00時00分更新

文● 鈴木 雅暢

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Pentium M搭載静音PCの真の実力

インテル

本記事は、月刊アスキー2004年8月号の“DOS/V Navigator”に掲載された記事を再掲したものです。

Dothanの性能と消費電力

DothanコアのPentium M 735
DothanコアのPentium M 735。ダイの部分がほぼ正方形だったBaniasよりも横長になっている。

 DothanコアのPentium Mの流通が本格的になっている。Dothanを機にPentium Mの取り扱いを開始する店舗もあり、Baniasコアのモデルよりも流通量自体が多い印象だ。最高クロック(原稿執筆の2004年6月末時点)の755(2.0GHz)、データシートには情報が記載されていない725(1.6GHz)や715(1.5GHz)といった低クロックモデルも販売が開始されている。

●2004年7月2日現在購入できるPentium M/Celeron Mの仕様
コアL2キャッシュTDP
Pentium M 755(2.0GHz)Dothan2MB21W
Pentium M 745(1.8GHz)Dothan2MB21W
Pentium M 735(1.7GHz)Dothan2MB21W
Pentium M 725(1.6GHz)Dothan2MB21W
Pentium M 715(1.5GHz)Dothan2MB21W
Pentium M-1.7GHzBanias1MB24.5W
Pentium M-1.6GHzBanias1MB24.5W
Pentium M-1.5GHzBanias1MB24.5W
Pentium M-1.4GHzBanias1MB22W
Celeron M 350(1.5GHz)Banias-512K512KB24.5W
Celeron M 320(1.3GHz)バルクBanias-512K512KB24.5W

 Dothanを正しく認識するにはマザーボードの対応も必要だ。早くから動作確認がされていたPFU製「PD-41PM160M1」(新BIOSで正式に対応)に加え、ベアボーンで採用例のあるCOMMEL製「LV-671」にもDothan対応の新BIOSがリリースされるなど、動作環境も揃ってきている。

 DothanコアとBaniasコアとの違いは、プロセスルールが0.13μmから90nmへと微細化するとともに、L2キャッシュを1MBから2MBへと倍増していること。TDPはBaniasの24.5Wに対して21Wと低くなっており、また、Intelによれば性能も同クロックどうしの比較で10%程度高速化しているという。

●実測消費電力

アイドル時の差はかなり微妙だが、負荷時では明らかにBaniasよりもDothanのほうが低消費電力だ。なお、※はSpeedStepオンの結果。
アイドル時3Dゲーム(FF XI)時エンコード(WME9)時
Pentium M 735
(1.7GHz/Dothan)
51W
(46W※)
78W63W
Pentium M-1.6GHz
(Banias)
50W
(47W※)
83W65W
Pentium 4-3GHz80W148W148W
Athlon 64 3200+103W146W124W
Athlon 64 3200+
(Cool'n'Quietオン)
80W146W124W

●テスト環境

マザーボード
PFU PD-41PM160M1(Pentium M)
Intel D875PBZ(Pentium 4)
MSI K8T Neo-FISR(Athlon 64)
メモリ
PC3200 DIMM(256MB×2、Pentium MのみDDR333動作)
ビデオカード
GeForce FX5900XT
HDD
HGST Deskstar 7K250(80GB)
光ドライブ
TOSHIBA SD-R5112
OS
Windows XP Professional日本語版(SP1)

 今回はDothanコアのPentium M 735(1.7GHz)を入手したので前回と同じ環境でベンチマークテストを実施してみた。結果は別掲したとおりだが、DothanとBaniasのクロックは統一できていないものの、そのクロック差(6.25%)以上の性能向上は明らかで、Dothanのもつ高いポテンシャルは十分に伝わるだろう。消費電力も低下しており、TDPの数値を実証する結果となった。これだけの優れたCPUをノートPC用としておくのはあまりにもったいない話だ。対応製品のさらなる増加を望みたい。

●各種ベンチマークテストの結果

●PCMark04 CPU

PCMark04 CPUの結果
Dothan 735はBaniasの1.6GHzから20%弱のスコアアップ。CPUのスコアはAthlon 64 3000+にほぼ匹敵する。

●FinalFantasy XI Official Benchmark2

FinalFantasy XI Official Benchmark2の結果
3DではL2キャッシュの増量は有効。Dothan 735はBaniasの1.6GHzから7%以上のスコアアップ。Pentium 4-3GHzに迫ってきた。

●Photoshop 7(画像50枚バッチ変換)

Photoshop 7(画像50枚バッチ変換)の結果
Dothan 735は、Banias 1.6GHzと比較して25%もの短縮を実現。Pentium 4-3GHz、Athlon 64 3000+をも上回る驚異的な性能を見せた。

●Windows Media Encoder 9

Windows Media Encoder 9の結果
Dothan 735は、Banias 1.6GHzから9%弱の短縮。ハイパースレッディングが効くため、Pentium 4との差は依然として大きい。
上記グラフについて、掲載当初、数値と棒グラフの長さの表現に不整合がありました。お詫びして訂正いたします。

●テスト環境

マザーボード
PFU PD-41PM160M1(Pentium M)
Intel D875PBZ(Pentium 4)
MSI K8T Neo-FISR(Athlon 64)
メモリ
PC3200 DIMM(256MB×2、Pentium MのみDDR333動作)
ビデオカード
GeForce FX5900XT
HDD
HGST Deskstar 7K250(80GB)
光ドライブ
TOSHIBA SD-R5112
OS
Windows XP Professional日本語版(SP1)

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