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type X 解体天国

type X 解体天国

2004年11月22日 00時00分更新

文● 編集部 小西利明

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type X 内部パーツ総覧 その2

(左から)CPU固定用の金具、DVIコネクタの延長コネクタ、電源ボタン・ドア開閉ボタンの内部パーツ、メモリーカードスロット部、(下段左から)RFディストリビューター(分配機)、MPEG-2エンコーダーカード マザーボード。CPUはPentium 4 560(3.60GHz)、チップセットはIntel 915P Express、メモリーは1GBのDDR2 SDRAM。拡張スロットは上から、PCI Express x1(NIC専用)、PCI Express x16(ビデオカード用)、PCIスロット(MPEG-2エンコーダーカード用)
(左から)CPU固定用の金具、DVIコネクタの延長コネクタ、電源ボタン・ドア開閉ボタンの内部パーツ、メモリーカードスロット部、(下段左から)RFディストリビューター(分配機)、MPEG-2エンコーダーカードマザーボード。CPUはPentium 4 560(3.60GHz)、チップセットはIntel 915P Express、メモリーは1GBのDDR2 SDRAM。拡張スロットは上から、PCI Express x1(NIC専用)、PCI Express x16(ビデオカード用)、PCIスロット(MPEG-2エンコーダーカード用)
電動ドアを動かすモーターと、そのフレーム (上段左から)マザーボードとサウンドボード間のシールド、右側面コネクタ基板、(下段左から)右側面下側ファン、左側面上側ファン
電動ドアを動かすモーターと、そのフレーム(上段左から)マザーボードとサウンドボード間のシールド、右側面コネクタ基板、(下段左から)右側面下側ファン、左側面上側ファン
(左から)左側面上側パネル、電動ドア用部品、電動ドア サウンドおよびビデオ/オーディオ出入力関係基板。マザーボードの裏にある
(左から)左側面上側パネル、電動ドア用部品、電動ドアサウンドおよびビデオ/オーディオ出入力関係基板。マザーボードの裏にある
スタンド部品 (左から)RADEON X600 XTビデオカード、D端子&光オーディオ出力端子基板、PCI Express接続のギガビットネットワークカード兼スイッチングハブ
スタンド部品(左から)RADEON X600 XTビデオカード、D端子&光オーディオ出力端子基板、PCI Express接続のギガビットネットワークカード兼スイッチングハブ

type Xのエアフローのデザインが自作ケースを変える?

排熱用ファンはCPUの真上ではなく、ヒートパイプで接続された大型ヒートシンク上に取り付けられる。2基のファンをゆっくり回して排熱する
排熱用ファンはCPUの真上ではなく、ヒートパイプで接続された大型ヒートシンク上に取り付けられる。2基のファンをゆっくり回して排熱する
[府中] もしかするとtype Xのデザインは、将来の自作ケースのあり方を提案しているのかもしれませんね。広い面は全部吸気口で排気口。これをやると効率が非常によく、ファンの総面積もすごく大きくとれています。
[ASCII24] これだけ中身が入っていてファンも多いわりには、動作音は静かですね。
[松藤] 静音にはかなり気を使ってます。リビングでテレビと並べて置いたときに、うるさいと使う気がしなくなる。パソコンとしてならある程度音が出ていても許容されるかもしれませんが。
[府中] 測定基準がメーカーごとに異なるのですが、他社の基準で言えば30dBを切っていますので、パソコンとしても相当に静かです。
[松藤] X3ビデオサーバーが2台とも録画中にパソコン側を動かしても、type Rとほぼ同等ですね。
[ASCII24] 静音化についてはどのような工夫が。
[冨田] できるだけ大きなファンをゆっくり回して、静音性を実現しています。電源ファンも通常は1つなのを2つに増やしたり、CPUもできるだけ大きなファンを使うために、通常ならCPUの真上にファンを乗せているところを、ヒートパイプでマザーボードの上側に持っていって面積を稼いでいます。
[ASCII24] ちなみに冨田さんはtype X以外に、どのような筐体の設計を手がけられていたのでしょうか。
[冨田] 元はノートパソコンの設計担当で、V505とかB5サイズノートですね。
[ASCII24] でもこれはかなり毛色の違うマシンですよね。
[冨田] 全然違いますね(笑)。
[府中] でも私が初めてメカのレイアウトを見せてもらった時には、「さすがノートを手がけていた人の考えた物だな」と思いましたね。デスクトップとは違う密度の高さが、type Xにはあります。
[ASCII24] というと?
[府中] デスクトップですと、従来のATXのルールに則ってどうにかしようと考えますが、これはまったく(ATXのルールを)無視していますよね。1番排熱にいい形はなんだろうと、追求した形がこれ。このヒートシンクや排熱の向きの工夫というのは、自作ケースでもやったらいいと思いますね。非常に効率が高い。CPUファンと筐体ファンを1つで兼ねていて効率がいい。


“6年使えるパソコン”を実現するためのハイスペック

type XのDVDスーパーマルチドライブは、本体上のEJECTボタンを押すと、前面パネルの一角が電動スライドで開いて現われる。このギミックが秘密基地っぽくてかっこいい。ドライブ自体は普通のデスクトップパソコン用ドライブ
type XのDVDスーパーマルチドライブは、本体上のEJECTボタンを押すと、前面パネルの一角が電動スライドで開いて現われる。このギミックが秘密基地っぽくてかっこいい。ドライブ自体は普通のデスクトップパソコン用ドライブ
[ASCII24] 光ドライブなどは、ノート用の薄型ドライブをサイドオープンで使うという手もありませんでしたか。2層式DVD+R対応のものが、まだなかったからかもしれませんが。
[松藤] スペック的にハイエンドのパソコンを狙おうとすると、ノート用のパーツでは1~2世代遅くなってしまうので、そこは譲らずにハイスペックを使えるようにしました。
[ASCII24] パソコン側をここまでハイスペックにしたのはなぜでしょう。もう少しパソコン側のスペックを低くして、価格を抑えるという手段もあったと思いますが。
[府中] もちろん安いCPUを使って安く作るということもできました。しかしこの商品は、できるだけ長いライフサイクルにしたいという意図があります。ユーザーが半年後にはニューモデルに買い換えるという性格の商品ではない。ですので予算的には高めですが、その分高いCPUを入れておいて、長く使っていただけるものにしたかったのです。現時点で下のクラスのCPUにしてしまうと、来年には心もとなくなってしまうかもしれませんから。
[ASCII24] 確かに今はCPUクロックが上がりにくくなっていますから、現時点で最高の物を選択しておけば、長い期間ハイスペックでいられるという考え方はできますね。家電としてみれば5年くらいは使いたいですし、5年後まで使えれば、その頃にはデジタル放送中心にシフトしていて、アナログ録画機器はお役ご免まで使える可能性がある。
[府中] ソニーの部品の保有年数は6年なので、最低でも6年程度は使っていただけるようにしなくてはと考えています。
[ASCII24] X3から外部にネットワーク配信している場合をのぞけば、X3側で録画した番組はパソコンを起動しないと見られませんよね。家電のようにテレビとつないで、X3単独で見られるようにもしようという考えはなかったのでしょうか。
[府中] マーケティング面からの話とも言えますが、この製品がスペックに対してお買い得なのは、再生機能をパソコンに委ねているからなのです。単独での再生機能までつけると、6台のHDDレコーダ+パソコン1台とコスト的に変わらなくなってしまいます。再生機能をパソコンと共有することで、お得になっている面があるわけです。
[松藤] あとはユーザーインターフェースの統一感とかですね。表示を別に作ると、グラフィックの制約などでテレビへの直接表示ではチープなユーザーインターフェースになるということもありえます。パソコンでやればそういうことはおきないので、内蔵のチューナーと同じ見せ方ができる。
[ASCII24] 確かに、他社の製品でWindowsを起動しなくても視聴や録画ができる製品がありますが、Windows上と比べて機能や性能、操作性に不満を感じるものもあります。そういった中途半端さは、type Xには感じないですね。


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