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NV-XYZ77

NV-XYZ77

2004年08月19日 01時11分更新

文● 永島 和夫

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充実したAV再生機能

 XYZの特徴は、3Dナビ機能や地図更新だけではない。他社のHDDナビのほとんどが搭載しているように、HDDに音声データを溜め込んで再生するオーディオ機能も持っているのだ。そのほか、静止画/動画ファイルの再生にも対応する。音楽/静止画/動画の再生可能なフォーマットは以下の通り。

音楽
ATRAC3/ATRAC3plus/MP3
静止画
JPEG/TIFF/Bitmap/PNG
動画
MPEG-1/MPEG-2/MPEG-4/AVI(DV)/WMV

 映像や音楽ファイルは、XYZをホームステーションに設置し、パソコンから付属のソフトウェアを使ってXYZの内蔵HDDに転送する。また、CFカードやメモリースティックに直接書き込み、それをXYZのメモリーカードスロットに装着することでも再生が可能だ。例えば、その日だけ見たり聞いたりしたいファイルを転送するために、いちいちカーナビ本体を車外に持ち出さなくても、MP3ファイルを書き込んだメモリースティックをクルマに持ち込めばすぐに再生できる。ただし、メーカーは、動画についてはメモリーカードの読み出し速度が追いつかず、画像が途切れる可能性があるため、快適な視聴には本体HDDへの転送が望ましいとしている。

 AVコンテンツの再生操作はナビゲーション実行中にも行なえ、地図とビデオ/テレビの映像の2画面を表示できる(動画の再生はパーキングブレーキを引いた状態のみ行なわれる)。音声の再生は、別途カーオーディオの汎用のAUX端子との接続が必要となるが、FMトランスミッターを内蔵しているのでFMラジオを通して聞くこともできる。

テレビや映像ファイルは全画面表示のほか、地図との2画面表示も可能 音楽は、内蔵HDDに約5000曲(1曲4分換算、ATRAC3plus48kbps時)収録可能
テレビや映像ファイルは全画面表示のほか、地図との2画面表示も可能。AV再生用の小さなウィンドウが開く音楽は、内蔵HDDに約5000曲(1曲4分換算、ATRAC3plus48kbps時)収録可能

 パソコンとの接続には、USBケーブルでホームステーションを介して行なう。ビデオファイルの転送はパソコンにインストールした「XYZビデオマネージャー」を利用する。対応する形式の動画ファイルをドラッグ&ドロップするだけで、変換と転送が可能だ。音楽ファイルの転送は、音楽ファイル管理/再生ソフト「SonicStage」を経由して行なう。すでに作成してあるMP3ファイルを転送するなら、コンテンツとファイル管理ソフトの「XYZデスクトップ」でファイルを転送するだけでもよい。

無線LAN接続で車内インターネット環境を実現!

 インターネット接続機能を持っている競合製品もあるが、このXYZも同様の機能を搭載している。ただし、接続は携帯電話ではなく、PHS通信カードや無線LANカードとなる点が大きな違いだ。

ブラウザでXYZの公式サイトを表示させたところ
内蔵するウェブブラウザーでXYZの公式サイトを表示させたところ。レイアウトが崩れることなく、正常に表示している

 ソニーによると動作確認済みのカードは、PHSではAirH”のCFタイプの「AH-N401C」「CFE-02」「AH-H403C」「AH-S405C」とb-mobileの「BMH11C-J」、無線LANカードは“CLIE用”として販売されているCFカードタイプの「PEGA-WL110」だ。筆者は試しに、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモの@FreeD対応PHS「P-in Free 1S」も使ってみたが、これも問題なく接続できた。

 現在のところネットワークに接続して行なう機能はメールの送受信とウェブブラウズのみ。携帯電話とは違い、利用エリアに制限はあるものの、通信料金や通信の快適性という面では非常にメリットが大きい。最近は幹線道路沿いに設置されている“道の駅”でも公衆無線LANサービスを提供している例があり、クルマでの無線LANカードによる高速通信も意味のあるものとなってきた。

無線LANの設定も可能 PDFファイルの閲覧も可能
無線LANの設定も可能。無線LANのチャンネルは、当初1~12までと変則的なものだったが、バージョンアップによって1~14チャンネルまで設定可能になったPDFファイルの閲覧も可能。XYZの取扱説明書を閲覧しているところ

 また、このナビの画面はカーナビの言い方にならって“VGA表示”と呼ばれることが多いが、パソコンで言うVGAサイズ(640×480ドット)ではなく、液晶パネルはいわゆるWVGA(800×480ドット)表示だ。これだけの横サイズがあれば、パソコン向けのウェブサイトを表示させた場合でもレイアウトが崩れることなく表示でき、縦横のスクロールも可能だ。なお、7月に行われた本体ソフトウェアのアップグレードで、Macromedia Flashにも対応し、Flashコンテンツを用いたウェブサイトも閲覧することができる。

 そのほか、電子メールの送受信も対応している。文章入力には学習機能付きの予測変換方式“POBox”が搭載され、タッチパネルやリモコンのテンキーから比較的スムーズに入力ができる。

 PHSカードや無線LANカードを使っての接続手順は“プロファイル”という設定ファイルで管理しており、この設定をパソコンで作成して転送することや、ウェブブラウザのブックマークをパソコンで管理することができる。そのほか、「Adobe Reader LE」を搭載し、PDFファイルの表示も可能だ。

パソコン周辺機器的なカーナビ

 こうしてみると、XYZはブロードバンドとパソコンをうまく利用したカーナビゲーションシステムと言うことができる。ただし、操作性は少々独自なので、ソニー製品を含めてほかのカーナビからの買い替えであれば最初は戸惑うこともある。

 しかし、パソコンユーザーであれば、使えば使い込むほどに十分に満足できる機能を満載している。ほかの多機能HDDカーナビゲーションと比較して、一歩進んだパソコン連携ができ、車内でPHSや無線LANを使ったウェブブラウズや電子メールも可能なので、一度試してみる価値がある。

「NV-XYZ77」の主なスペック
製品名 NV-XYZ77
主な機能 地図(日本全国・住宅市街地図・3Dランドマーク)/検索(周辺検索・ジャンル検索・住所検索・施設電話番号検索・個人宅電話番号検索・名称検索・郵便番号検索・シチュエーション検索・)/案内(モーションストリートガイド・都市高速入口ガイド・JCT・ランプガイド・レーン情報・リアル交差点ガイド・リアル方面看板・交差点拡大図・有料道路料金案内)/探索(複数路探索・経由地設定・細街路探索・オートリルート)/VICS(VICS渋滞箇所表示・VICS文字情報・VICS渋滞回避・迂回ルート)/ナビ機能/AV機能(TV表示/動画再生/音楽再生/静止画再生)(※3)
液晶ディスプレー 144×78mm(800×480ドット/115万2000画素、36万2144色表示)
HDD容量 30GB
スピーカー モノラル
拡張スロット メモリースティックスロット、CFカードスロット
電源 DC12V(マイナスアース)
対応OS Windows Me/2000/XP
本体サイズ 幅204×奥行き49×高さ104mm(突起部含まず)/重さ約720g
主な付属品 カーステーション「NVA-CS1」、ホームステーション「NVA-HS1」、拡張ステーション「NVA-TS1」
※3 VICS関連機能など、一部機能はNVA-TS1使用時のみに使える。詳細はメーカーのウェブサイトを参照のこと

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