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NV-XYZ77

NV-XYZ77

2004年08月19日 01時11分更新

文● 永島 和夫

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地図は都道府県単位で購入可能

 XYZの地図はNV-XYZ33が全国地図(最詳細50mスケール)のみ、NV-XYZ55/77が全国地図に加えて約1425都市の住宅市街地図(最詳細10~50mスケール)や、東京23区と13政令指定都市の主要部の“XYZモーションストリートガイド”データが入っている。XYZモーションストリートガイドは、交差点手前約300mから交差点を曲がった直後までを、ドライバーが見た実際の街並みに近い3D動画でドライバーを案内する機能。3Dデータのある交差点では、カーレースのゲーム画面を見ているように、クルマの移動に合わせて景色が動いていく(運転中に見とれないように注意)。いずれも最新の地図(2003年12月締め)が入っているため、NV-XYZ55/77は現時点で地図を購入する必要はない。NV-XYZ33については、都道府県ごとの住宅市街地図/検索データパックとXYZモーションストリートガイド用の3Dガイドデータを、同社のオンラインショップ“ソニースタイル”からダウンロード購入可能で、一度パソコンに取り込んだ後、ホームステーションで接続して本体に地図を転送する。

四谷四丁目の交差点
3D表示された四谷四丁目の交差点。大都市主要交差点の風景が3Dでリアルタイムに描かれるXYZモーションストリートガイド機能によって、交差点通過の位置把握がしやすくなった。この3Dデータは実際の景色をデータ化し、3D画面で再現するもの。3Dデータのある交差点では、約300m手前から、カーレースのゲーム画面を見ているように、クルマの移動に合わせて景色が動いていく

 住宅市街地図/検索データパックは各都道府県ごとに1500円(9月30日までは1000円)、モーションストリート3Dガイドデータは東京23区版が3980円、大阪市内版が1980円で提供されている。今後、地図の追加・更新が行なわれれば、XYZシリーズ全モデルで有効なサービスとなる。

 一般的にカーナビの地図は、日本全国を網羅したものが多いため、DVD方式/HDD方式とも2万5000円程度の費用がかかることが多い。使わない地図まで更新しなくてもよいXYZシリーズは、地図更新の点でも低コストで使い続けることができる。なお、地図だけでなく、本体の内蔵ソフトウェアのバージョンアップ用ファイルもインターネット経由で提供される。他社のHDDナビゲーションが記録媒体への高速アクセスを売り物にしていることに比べ、XYZシリーズは書き換え可能というHDD本体のメリットを活用しているのが大きな特徴だ。

ジャイロなしでも高精度な測位性能

 カーナビとしての基本性能である自車位置の測位だが、想像以上に精度が良く、ほとんどズレを感じることがなかった。電源を入れてGPSを補足するとすぐに自車位置を示し、ほかのナビのようにしばらく走行してからでなければ正確な場所を示せないということもなかった。また、停車中に自車位置が変化して落ち着かないということもない。

 ただ、GPSのみ(ジャイロなし)の測位システムの宿命として、GPSの電波が入らない場所では自社位置が測定できない。都心でGPS衛星からの電波が受信しにくい建物が密集した都心の交差点では、残念なことに自車位置が正確に表示されず、本機の最大の特徴であるXYZモーションストリートガイドを活かすことができない。

 これを防ぐには、ジャイロを搭載し車速パルス(加減速や方向変化)を位置測位に使える、オプションの拡張ステーションNVA-TS1を併用することを勧める。XYZシリーズの上位モデルNV-XYZ77は、このNVA-TS1が標準で付属している。拡張ステーションを利用してもGPSによる位置把握の早さは変わらず、XYZを取り付けていない状態でクルマを移動させても、XYZの利用を開始した時点ですぐに現在地を示してくれる。一般的なカーナビは、カーナビの電源を切ってクルマを移動した後や、ターンテーブル(床が回転する)を持つ立体駐車場に止めた後は、なかなか自分の場所を確定できないものが多い。

操作系は独自色が強い

 地図の拡縮についても、縮尺表示を押すと現れるメニューのアイコンを押す。これらの画面に表示されるアイコン(ボタン)はおおむね小さく、押しにくく感じた。この点は工夫がほしかったところだ。ただし、タッチパネルを生かした独自のショートカット機能として、画面上で“クルッ”と円を描くことで地図の縮尺調整ができたり、山を描くようにタッチすることで自宅への帰路設定ができたりするものも用意されている。

 そのほか、従来のカーナビと違って、本体キーやリモコンには日本語表示がほとんどない。日本語表示を“格好悪い”と思うか、便利と思うかにも好みが分かれるところであろう。

 肝心のルート案内については、幹線道路を中心とした道路を選択する無難なルートを引くことが多く、多少細くても近道を選びたいというユーザーには物足りないかもしれない。XYZシリーズの地図上の進むべきルートは、1世代前の“Gシリーズ”とは異なり、さらに以前の“DVシリーズ”と同じように黄色の破線で表示される。道路種別の色やVICS情報の渋滞表示とも見分けがつきやすいものだ。この破線表示は、7月のバージョンアップで実線表示に変更することも可能になっている。なお、音声案内の女性の声も、Gシリーズは富士通テン(株)や(株)デンソーなどのカーナビと共通の声だったが、独自のものに変わっている。

ルート案内は黄色の破線で示される VICSによる渋滞情報
ルート案内は黄色の破線で示される。バージョンアップ後は実線に変更することもできるVICSによる渋滞情報を表示

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