シングル時の性能は同等、デュアルなら激速!
グラフ1 Sandra CPU | グラフ2 Sandra メモリ | |
グラフ3 3DMark 03 | グラフ4 Final Fantasy XI ver.2 | |
グラフ5 Unreal Tournament 2003 | グラフ6 PCMark 04 | |
グラフ7 CineBench | グラフ8 WMV | |
グラフ1、2はSandraによるCPUとメモリ性能測定。CPU性能はシングル時、およびPrescott+875とほぼ同じ、デュアル時には見事に倍になっている。このテストはマルチCPUの理想的なピーク速度を計算するものなので、まあ、倍になって当然である。ただ、メモリ性能については、PrescottよりもXeonのほうが、シングル時に6%、デュアル時には21%も低下している。
メモリ性能はマザーボードによって多少は異なるので、厳密に一致しないのは仕方がないが、ほぼ同条件のシングル時に6%違うのは、ちょっと気になる。Xeon自身の事情があるのかもしれない。が、もっと気になるのはデュアル時の大きな差だ。本当にこれだけ遅かったら、スレッドが1つしかない(=CPUが1個しか動かない)アプリでは相当性能が落ちてしまうはずだからだ。
しかし、Professionalhearts製メモリアクセスベンチでは、シングル時もデュアル時も変わらず4800MB/秒という性能が得られた。また、後ろで見ていくが、デュアル時にシングルスレッドのテストの性能が大きく落ちるという結果もない。どうもこれはSandraのメモリベンチが、マルチスレッドに対応していることがアダになっているだけのようだ。デュアルXeonマシンで4つのスレッドが終始、1つしかないCPUバスとメモリを取り合うことのオーバーヘッド、メモリアクセスの場所が連続しなくなる非効率が出ているものと思われる。現実のアプリケーションでは、全スレッドがメモリアクセスばかりを続けることはなく、このような速度低下が実際に現れることはないものと考えられる。
さて、いよいよリアルなベンチマークに入ろう。グラフ3~5は3Dゲーム系のベンチマークの結果だが、Prescott 3.2GHzとXeon 3.2GHzシングルの性能差はわずかだ。NoconaとPrescottは、単体での性能は期待どおり同等と言って良さそうだ。いっぽう、Xeonのシングル、デュアルでも、これまたスコアはほぼタイ。わずかにシングルが速いようだ。このことから、これらのテストはいずれも1つのスレッドしか使っていないことがわかる。
さて、いよいよマルチスレッドに対応したアプリの性能を見ていきたい。まずはPCMark04。トータルスコアで13%、CPUテストについては19%も性能アップしている。実際にはPCMarkのテストのうち、マルチスレッドの意味があるものはメインテストで40%、CPUテストで43%にすぎないことを考えれば、かなりの性能向上が得られることがわかる。
マルチスレッド対応のレンダリングエンジンを持つCinebench 2003の結果は驚愕的だ。スコア606は、シングルのPrescott 3.2GHzの1.8倍! 当然のごとく、このスコアはPrescott 3.6GHzの378を足下にも寄せ付けないスピードだ。
マルチスレッド化が進むエンコード系の例として、TMPGEnc 3とWindows Media Videoの結果はグラフ8、9。WMVのほうはシングルの45%アップ。TMPGEncに至っては、標準モードで65%、負荷の重い最高画質では実に83%も速い。もちろんPrescott 3.6GHzと比較しても大差のリードだ。