マザー/チップセットはどうなる?
CPUの形は従来と変わらないと述べたが、だからといって、Noconaが従来のXeonマザーに装着できるというわけではない。それは当たり前で、なにしろNoconaではFSBが800MHzになっているのに、従来のXeon用チップセットのほとんどは533MHzまでしかサポートしていないからだ。
IntelはNoconaと同時に、FSB800対応の新チップセット“E7525”(コードネーム“Turnwater”)を投入した。FSB800対応に加え、ビデオカードの接続にはPCI Express x16を使用するという最新仕様のスペックだ。MCH(ノースブリッジ)からはこのほかにPCI Express x8インターフェイスとHUBインターフェイスが1本ずつ出ている。基本的にはx8のほうにPCI-Xブリッジ“6700PXH”、HUBのほうには“ICH5(R)”または“6300ESB(いわゆるHance Rapids)”を接続する。
ただし、E7525がサポートするのはDDRが333(PC2700)、DDR2が400(PC2-3200)までで、モジュールはレジスタードが必要。これでは、個人ユーザーがPrescott対抗として考えるにはメモリのコストがばかにならない。そこで注目されるのが、i875PベースのデュアルXeonマザーだ。
ご存じのように“i875P”はPentium 4用であり、デュアルCPUはサポートしていないはず。にもかかわらず、市場にはi875ベースのXeonマザーがいくつも登場している。なかでも、IWillの「DH800」は、Nocona登場前から「FSB800の次世代Xeonに対応」することをうたってきた。
i875であればFSB800に対応しているのは当たり前。さらにうれしいのは、メモリに普通の(アンバッファードの)DDR400(PC3200)が使えることだ。FSB 800ならメモリは400MHzにしたい。E7525のように高価なレジスタードDDR2-400を使わずとも6.4GB/秒のメモリ性能が得られるのはありがたいことだ。
IWillのデュアルXeonマザー『DH800』。新旧のXeon(PrestoniaとNocona)に両対応という珍しいボードだ |
Noconaのヒートシンクは4つのネジで留めるようになった。Prestoniaの扱いずらい留め金に比べるとずいぶん便利になった |
サウスブリッジはHanceRapidsこと6300ESB。64bit/66MHzまでのPCI-Xをサポートする |
というわけで、今回はDH800にNocona 3.2GHz×2という構成を組み、どのようなパフォーマンスが得られるかをチェックしてみた。