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【最新パーツ性能チェック(Vol.26)】Nocona登場! Pentium 4-3.6GHz以上の性能を安価に実現できるか?

2004年07月29日 03時07分更新

文● アスキープラス編集部 野口岳郎

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 2月にデスクトップ用のPentium 4が90nmプロセスのPrescottに移行したが、それから遅れること4ヵ月、ようやくサーバー用CPU Xeonも90nmの“Nocona”コアに移行した。
 Prescott相当のコアになった、と聞いてもあまりありがたみを感じないかも知れないが、Noconaでは重大な性能向上が図られている。長らく533MHz止まりだったFSBが、ようやくデスクトップPentium 4と同じ800MHzになったのである。

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単体でもPrescottと張り合える

Noconaのパッケージ。ES品なので、本来なら入るXEONの刻印がない
Noconaの裏面。従来のXeon同様の604ピンPPGAだ

 XeonはデュアルCPU構成が可能で、高いCPU性能が求められるサーバ/ワークステーション向け。当然その性能はデスクトップのPentium 4より高いことを期待したくなるが、現実は必ずしもそうではなかった。

 Pentium 4コアの初代Xeon(コードネーム:Foster)は、CPU単体の性能はPentium 4(コードネーム:Willamette)と同じで、デュアル構成が可能という明確な上位CPUだった。2002年2月には、Pentium 4より9ヵ月も早くHyper Threadingを装備もした。しかし、Pentium 4は同年5月にFSBを533にアップ、Xeonは11月に追いついたものの、Pentium 4は11月の3.06GHz版でついにXeonのお株のHTを搭載、翌2003年4月にはFSB 800MHz化を果たして、単体での性能では完全に優位に立った。

 これではXeonのメリットも薄れてしまう。そこでIntelはXeonに3次キャッシュを搭載するという奥の手を使ったが、FSBは高速化されていないので、同クロックのFSB 800のPentium 4には依然及ばないことも少なくない。

 Noconaは、FSBの大きなビハインドを1年ぶりに挽回した。クロックも従来は最高3.2GHzまでだったところ、今回は上は3.6GHzまで用意し、これもPrescottに並んだ。さらに、Noconaでは最初から64ビットOSを走らせられる新アーキテクチャ“EM64T”に対応している。加えて、負荷に応じて3段階にクロックを調整する拡張版スピードステップも内蔵し、消費電力の削減も図っている。つまり、単体でも明らかにPentium 4よりも高性能、高機能なCPUとして再登場したわけだ。



Sandra 2004 SP1で見たCPUID。Noconaと表示され、メモリ空間は物理36bit、論理48bitと出る。従来のPentium 4やXeonでは順に36bit/32bitだから、確かに拡張されている。EM64Tもありと表示される。No Executionはまだ未対応なのは発表どおりだが、拡張版スピードステップも未対応になっているのはES品だからか?

ちなみにCPUのパッケージは従来のXeonと同じ、PPGA604のままだ。ピンが十分多かったので、3.4/3.6GHz版の投入に際してもパッケージを変えずにすんだのだろう。

NoconaとPrescott(755)の標準価格は以下の通り。

- Nocona Prescott
3.4GHz EE - 11万4200円
3.6GHz 9万4660円 7万2820円
3.4GHz 7万6590円 7万2820円
3.2GHz 5万500円 3万1780円
3GHz 3万5070円 2万4920円
2.8GHz 2万3190円 2万350円

 Noconaは同クロックのPrescottより高価とはいえ、低クロック製品ならハイエンドのPrescottよりはるかに安い。そこで誰しも思いつくのは、安いXeonを2つ買えば、高いPrescottを1つ買うより高性能になるのではないか、ということだ。たとえば2.8GHzのNoconaを2つ用意すれば、作業が2つのCPUにきれいに分散し、バス競合やスヌーピングオーバーヘッドなどがまったくない理想的な環境なら、単体のPentium 4にして5.6GHz相当の速度になるはずだ。現実はそんなに理想どおりにはいかないわけだが、では、実際にはどれくらいの性能になるのだろうか。本稿はそれを検証していく。

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