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ソニーが電子書籍専用端末“LIBRIé”を発表――対応ブックサービス“TimeBook Town”は4月1日サービス開始

2004年03月24日 00時00分更新

文● チバヒデトシ

ソニー(株)、ソニーマーケティング(株)、(株)パブリッシングリンクの3社は24日、都内ホテルにおいて記者発表会を開催し、電子書籍出版事業に関連した新製品ならびにサービスについて発表を行なった。発表会ではソニーの電子出版事業への取り組みに関する説明をソニーマーケティングの代表取締役執行役員社長の宮下次衛氏が、電子書籍専用端末のeBookリーダー“LIBRIé(リブリエ)”『EBR-1000EP』に関する説明をソニーのeBookビジネス推進室長の宇喜多義敬氏が、リブリエが対応する電子出版コンテンツの配信レンタルサービス“TimeBook Town”の事業内容をパブリッシングリンクの代表取締役社長の松田哲夫氏が、それぞれ発表を行なった。

左からソニーマーケティングの宮下氏、作家の鹿島氏、松浦氏、石田氏、パブリッシングリンクの松田氏、ソニーの宇喜多氏
発表会にはハードの開発と販売を行なうソニーおよびソニーマーケティング、コンテンツサービスを提供するパブリッシングリンク、コンテンツの提供者である作家が一堂に会した。左からソニーマーケティングの宮下氏、作家の鹿島氏、松浦氏、石田氏、パブリッシングリンクの松田氏、ソニーの宇喜多氏
ロゴLIBRIeのロゴ(上)とTIMEBOOK TOWNのロゴ

●“LIBRIé ”『EBR-1000EP』は4月24日に販売開始

メニュー画面 底面
メニュー画面は前面下にあるジョグダイヤルで操作できる本体底面にはUSB端子、音量ボタン、電源スイッチなどが配置されている
上面 キーボード
書籍データを記録するメモリースティックを差し込むスロット。メモリースティックのほかに内蔵メモリーにも記録できる。内蔵メモリーは約10MBで約20冊ぶん(1冊あたり250ページ)の書籍データが記録できる本体前面のキーボードで内蔵された辞書機能を使うことができる。辞書機能は国語辞典など4種類の辞書データを内蔵するほか、別売の“メモリースティックROM”辞書データ(8タイトル、58辞書データ)にも対応する
“LIBRIé(リブリエ)”『EBR-1000EP』は、ソニーマーケティングが、昨年、電子出版サービス会社パブリッシングリンクの設立発表の際に公開していた電子書籍専用端末であるe-Bookリーダー。4月24日に販売を開始する。価格はオープン価格で市場推定価格は4万円前後

●厚さ約13mm、重量約190gと薄型・軽量化された本体

リブリエは、E Ink方式電子ペーパーを採用した6インチの反射式ディスプレイ(SVGA)による紙の本のようにきれいな文字表示と厚さ約13mm・重量約190gと左手で持ってもまったく疲れを感じないほどの薄型・軽量化を実現した読書専用端末だ。

リブリエの提案する新しい読書スタイルは、閲覧ソフトウェア『LIBRIé LE forWindows』を使用して、パブリッシングリンクの提供する“Timebook Town(タイムブックタウン)”からBBeB規格に準拠した書籍データをダウンロードする。書籍データはリブリエ本体とUSB接続して内蔵メモリ(約10MB。1冊あたり250ページで約20冊分の書籍データを記録)に記録したり、メモリースティックに記録して読書できる。書籍データの記録(コピー)は4台まで可能となっており、パソコンとリブリエに同時に書籍データを収めておくことができる。

拡大文字表示は最大200%まで5段階で拡大することができ、読みやすい表示サイズを選択して読書できる

リブリエの販売はソニーマーケティングが全国の家電販売店を通じて行う。なお、リブリエは3月24日よりソニービル(東京・銀座)、ソニータワー(大阪・心斎橋)、メディアージュ(東京・台場)で一斉展示され、4月22日から開催される東京国際ブックフェア(東京ビックサイト)にも出品される予定だ。

宮下次衛氏 宇喜多氏
ソニーマーケティングの宮下氏は「出版市場は、2兆2600億円。うち書籍が9300億円、雑誌が1兆3300億円という音楽コンテンツの4倍の市場規模を持つ。eBook市場は2003年は25億円程度だが、2007年には300億円規模になるとみている。リブリエで本の買い方、読み方のスタイルを変えるため、ソニーマーケティングは頑張る」と語ったソニーの宇喜多氏は「リブリエは段組、ルビ、縦中横といった日本語独特の表現を実現し、高い解像度や反射光を用いたE Ink方式の新しい表示媒体で本に似たものになった。通勤や旅行、海外出張などの用途の他、シニア層にも楽しんでもらえる」と語った

リブリエはソニーが開発した電子出版規格“BBeB(BroadBand eBook)”に準拠している。BBeBはテキスト形式を採用することでデータ容量を小さく(250ページの小説1冊が約500KB)し、著作権保護技術“OpenMG”により電子出版コンテンツを安全に流通・配信し、著作者・出版社の権利を保護することができる。BBeBはBBeB BookフォーマットとBBeB Dictionaryフォーマットからなる。Bookフォーマットはリンクによる多彩な画面展開や朗読などの音声サポートといった電子コンテンツならではの表現を可能にしている。

BBeB Bookフォーマットは中間フォーマットに“XML”を採用することでコンテンツのワンソースマルチユースを可能にしており、オープンな電子書籍規格としてライセンス提供されている。すでにカシオ計算機(株)やセイコーインスツルメンツ(株)が対応ハードウェアの開発を、凸版印刷(株)、(株)大日本印刷や電子書籍フォーマットのスタンダードであるドットブックを提供している(株)ボイジャーがコンバーターの開発にあたるなど、20社がBBeB規格に賛同している。すでにキヤノンシステムソリューションズ(株)がBBeB規格対応の電子書籍オーサリングツール『Book Creator』の販売を3月24日に開始している。

E Ink方式電子ペーパー
E Ink方式電子ペーパーは、白色顔料と黒色顔料、透明な分散媒を納めたおよそ40μmのマイクロカプセルを透明電極と背面電極で挟み込み、帯電されることで表示を可能している

●E Ink方式の電子ペーパーを採用

リブリエに搭載される電子ペーパーは、ソニー、オランダのロイヤルフィリップスエレクトロニクス社、米イー・インク(E Ink)社が共同で開発した“E Ink方式電子ペーパー・ディスプレイモジュール”を採用したもので、世界で初めて量産化される。

E Ink方式電子ペーパーとはマイクロカプセル型電気泳動方式電子ペーパーのことで、表示原理、材料および駆動系技術は、米イー・インク社によって開発された技術だ。E Ink方式電子ペーパーは、これまでのパソコンなどに使われているディスプレーの常識を覆す反射型を実現しており、180度の視野角で紙と同様に日差しの中や暗い場所といった場合でも高い可読性を保つ。また、600×800ピクセルに170ppiという高解像度を実現しており、白黒印刷された紙と同様の解像度、コントラストでの表現を実現している。

E Ink方式電子ペーパー・ディスプレイは、ソニー、フィリップス、イー・インク、凸版印刷の4社が2001年より実用化に向けて研究開発してきた。今回の量産化にあたって、イー・インクが電子インク・マイクロカプセルの製造、凸版印刷が前面板へのフィルム化、フィリップスがセル化・モジュール化、ソニーがシステム制御と最終商品化を担当した。

テキスト マンガ
書籍コンテンツを表示した場合。表示している作品は石田衣良の“4TEEN”マンガコンテンツを表示した場合。表示している作品は水木しげるの“ゲゲゲの鬼太郎”
コンテンツの表示例

●コンテンツのネットワーク配信は4月1日から

パブリッシングリンクは、リブリエの発売に先行して4月1日午前10時から、ポータルサイト“Timebook Town”においてネットワーク配信による電子書籍コンテンツの会員制レンタルサービスを開始する。

Timebook Townでは“Timebook Club”と“Timebook Library”の2つの貸本サービスを用意している。Timebook Libraryでは会員全員が好みの作品を1冊単位でレンタル・閲覧できる。Timebook Clubはジャンル別、読者層別に分かれた多彩なメンバー制クラブで、おすすめ作品をクラブ書庫から月に3~5冊レンタル・閲覧できる。Timebook Clubは当初、エンタテイメント/文芸 up-to-date/オー・ファム/新書セレクション/ビジネスプラス/NOVE-e/官能小説の7クラブで開始される。松田氏は、今年の夏までにコミックを提供するクラブも立ち上げるとしている。なお、Timebook Townは貸本サービスなので、レンタルした電子コンテンツが閲覧できる期間は60日。期限以降は自動的に読めなくなる仕組みだ。決済方式はクレジットカード決済となる。

ビューワー
書籍データはパソコンから閲覧ソフト『LIBRIe LE for Windows』を使ってダウンロードする。LIBRIe LE for Windowsは4月1日より“http://www.sony.co.jp/LIBRIE/”から無償ダウンロード提供される

松田氏は「読書のスタイルがペーパーバックを読書する層が中心になってきている。図書館やレンタルブックサービス、マンガ喫茶などの利用者も増えており、本を所持することより中身を取る読者層がある。こうした層からTimebook Townは支持されると期待している」と語った。

松田氏
パブリッシングリンクの松田氏は「リブリエは紙の本に近いものが出てきたと思う。TimeBook Townでは活きのいいコンテンツを集めて提供したい。リブリエと両輪で本気でビジネスを進めていく」と語った

発表会の後半では松田氏とTimeBook Townに作品を提供する作家陣が出版界におけるeBookビジネスについて語った。

作家陣
発表会に出席した作家陣。左から鹿島茂氏、松浦理英子氏、石田衣良氏の3氏

共立女子大学教授でフランス文学者、読書家の鹿島茂氏は「自分の書いた本をたくさんの方に読んでもらいたい。読書家としては膨大な蔵書をコンパクトにできるのは助かる。しかし、愛書家としてはちょっと残念でもある」と語った。『親指Pの修業時代』で女流文学賞を受賞した松浦理英子氏は「リブリエはかわいらしい。名前に私と同じ“リエ”が入っているのでナルシズムを感じる」と語った。テレビドラマ化された『池袋ウェストゲートパーク』で知られる石田衣良氏は「作家になって6年の間、出版界は小さくなり続けており、出版は厳しい。できるかぎりのお手伝いがしたい。本の世界に元気がでるといい」と語った。

なお、この三氏はTimebook Townでオリジナル書き下ろしを提供する予定だ。鹿島氏は『脇役映画館三本立て上映中』、松浦氏は『犬身』、石田氏は『ありがとう』を連載する。

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