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【東京国際ブックフェア2004 Vol.1】電子書籍ソリューションに注目、一方で紙への回帰も

2004年04月22日 00時00分更新

文● 千葉英寿

日本最大のブックフェア“第11回東京国際ブックフェア2004”が東京ビッグサイトにおいて22日に開幕した。併せて数々の電子書籍ソリューションに注目が集まる“デジタルパブリッシングフェア2004”が同時開催となった。主催は、東京国際ブックフェア実行委員会とリード エグジビション ジャパン(株)。25日まで開催される。

ソニー(株)の“LIBRIé(リブリエ)”を擁する(株)パブリッシングリンクなど電子書籍専用端末に関連したブースが注目を浴びているかに見えるが、その目の前で老舗が頑張っていた。黎明期から深く電子出版に関わってきた(株)ボイジャーとアドビシステムズ(株)だ。

アドビシステムズブース
会場随一の人だかり? となったアドビシステムズブース

例年は電子ドキュメントのワールドスタンダードである“Adobe PDF”を中心に展開してきたアドビシステムズは、今回、制作環境に徹したブース展開を行なっていた。中心となるソフトウェアは、PDFフォーマットへと印刷フォーマットのシフトが進む印刷・出版業界において、最もインパクトのあるパブリッシングソフト『Adobe InDesign CS』。同製品のデモが行なわれる際には、常に通路の幅一杯まで来場者であふれかえっており、一様に熱心に聞き入っていた。

T-Timeブース
T-Timeブース。休みなくさまざまな講演やプレゼンテーションが行なわれていた

ボイジャーは、同社が開発、推進してきた電子出版フォーマットの事実上のスタンダードである“T-Time”を中心に据えたブースを(株)新潮社、(株)講談社、(株)筑摩書房、エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ(株)、(株)東芝の5社とともに展開していた。同ブースでは、大型プロジェクターを配したステージにおいて、連日、出版界内外の著名人をゲストスピーカーとして、“電子出版 いかにつくり いかに読む”をテーマにトークセッションを行なっている。初日の22日には筑摩書房専務取締役であるとともにパブリッシングリンクの社長も務める松田哲夫氏が講演を行なった。23日には電子出版の祖、米Voyager創立者のボブ・スタイン(Bob Stein)氏やグラフィックデザイナーの大御所、杉浦康平氏が登壇する。24、25日も著名人が目白押しだ。

T-Time/TTXは、1998年の導入以来、同社が長年培ってきた電子出版ノウハウの結晶であり、独自のタグを備えたHTMLベースのフォーマットであり、可視的な構造は、編集者や作家にとって理解しやすく、出版社が求める美しさや読みやすさを実現している。
が、このところの続々と登場する読書専用デバイスに対応したフォーマットに脅かされつつあるようだ。電子出版の老舗もいよいよ凋落の時を迎えた、かに見える。ところが実はそうではない。

T-Time/TTX
さまざまな読書フォーマットにフレキシブルに対応するT-Time/TTX

松下電器産業(株)が推奨する“ΣBook”、ソニーが推奨する“Xylog/BBeB”(リブリエ)、シャープ(株)が推奨する“XMDF”はそれぞれ独自のフォーマットだが、独自フォーマットであるが故に、それぞれΣBookが『Σpac』、Xylog/BBeBが『Book Creator』(キヤノン)、XMDFが『XMDFビルダー』といった制作環境を独自に用意している。実はこれらの制作環境にはそれぞれ“TTX変換機能”が装備されている。

これはこれまで多くのドッドブックライセンス契約した出版社がすでに数多くの作品をT-Time/TTX化しており、この資産を独自フォーマットへの変換に活用してもらおう、というのが狙いになっているわけだ。これはT-Timeがデータ変換が確実で、効率的な変換が可能であり、電子出版最大のネックといえる制作コストの低減に貢献するからだと言えるだろう。

結果として、ΣBook、Xylog/BBeB、XMDF、もしくはそれ以外のフォーマットで統一がなされない限り、出版社をはじめとするコンテンツプロバイダーはひとまずT-Time/TTXでコンテンツを保持しておくことが得策ということになる。ここがボイジャーの強みと言えるわけだ。

作品も紹介
テクノロジーだけではなく、さまざまな作品も紹介されていた

さらに同社は、今回、電子的な書籍を紙に戻す提案も行なっている。新潮社、講談社、筑摩書房とともに共同開発したオンデマンド印刷システム『T-bridge(ティーブリッジ)』だ。これはT-Timeデータを必要に応じて一冊の本として印刷することができるソフトウェアで、今までのどの工程より簡素化・低廉にオンデマンド出版が実現できる。T-bridgeは、外字機能を持つ大日本印刷(株)の秀英体TrueType フォントを標準で装備し、QuickTime 6とPSプリンタードライバーをインストールしたWindows XP/2000を搭載したWindowsパソコンで動作する。ボイジャーは、現在、出版社に対して行なっているドッドブックライセンスにオプションとしてT-bridgeを加え、オンデマンド印刷ビジネスを開始する予定だ。

ボイジャー代表取締役の萩野正昭氏
ボイジャー代表取締役の萩野正昭氏。電子出版業界を引っ張り続けてきたキーパーソンだ

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