●静音パソコンの登竜門を求めて
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AOpenが販売元のSAINT SONG CORP製ベアボーン「SnowKids」。 |
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「SnowKids」の背面をみると思い浮かぶインターフェースは、ほぼ揃っていると言っていいだろう。 |
例えば、そこそこ処理速度が速くて深夜の静かな部屋などであっても動作音が気にならないパソコンとは?と考えてみる。極端な言い方をすると「完璧」に近い静音パソコンを求めるならば市販の静音仕様に特化した一流ベンダー製のデスクトップパソコンを導入すれば手っ取り早いかも知れない。しかし、それだと身も蓋も、筆者の仕事も無くなってしまう訳で、少しだけ個人的な意見を述べさせてもらうと、これまで(これからも)PCは「自作派」を自称してきた者として、たとえ一部分であっても自分で組み立てたパソコンを使っていたいと考えている。したがって、パソコンを静音化する場合にもやはり「自ら手がけてみたい」と言うのがささやかな望みである。ただ、先にも述べた通り、そのノウハウは、断片的で未熟な部分も多く、高度なテクニックを駆使できる域ではない。そもそも、静音パソコンと一言で言っても、騒音や振動の発生源に防音防震対策を施したり静音仕様のパーツを選ぶなど「静かさ」にトコトンこだわった自作パソコンを筆頭に、果ては市販の静音パーツを惜しげもなく組み込んだショップブランドマシンが販売されるなど、奥が深く「既に確固たるPCのカテゴリを築いている」と言っても過言ではないだろう。その証にAkiba2GO!を調べてみると静音化に役立ちそうな小物パーツやマシンの紹介は後を絶たないし、パーツショップのウェブページを拝見すると品揃えも充実していて入手性も悪くはなさそうだ。しかし今回は、いきなり「静音パソコンを設計して組み立てる」というステップではなく、まずお手本のひとつとしてベンダー製の「静音仕様」パソコンを試してみる。
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「SnowKids」の付属品。右手前のACアダプターが独特だ。CPU冷却用のヒートシンクも専用品として付属している。 |
おりしも、編集部から送られてきたパソコンは、AOpenが発売している「SnowKids」 である。本体のケースサイズが「非常に小さい」だけでなく、静音重視設計のベアボーン製品だと言う。今回は、この「SnowKids」がコンパクトなボデーサイズであるにも関わらず、どういった静音重視設計になっているのか非常に興味深い製品でもあり本コラムの最初の題材としてその静音性に迫ってみることにした。果たして「静音パソコンの登竜門」としてはどうなのだろうか。
SnowKidsの主要スペック
項目 |
スペック |
対応CPU |
デスクトップ478ピンPentium4/Celeronプロセッサ |
FSB |
533MHz/400MHz |
搭載チップセット |
SIS 651+SIS962チップセット |
対応メモリ |
2スロット184-ピンDDR SD-RAM 、最大1GBまで(DDR333/266/200対応) |
グラフィックス |
チップセット内蔵 |
VRAM |
最大64MBをメインメモリから共有 |
対応HDD |
2.5インチHDD(9.5mm/12.5mm厚対応)、最大60GBまで (Ultra ATA/66/100/133対応) |
光学ドライブ |
ノート用スリムドライブ対応 |
対応OS |
Windows 98/ME/2000/XP |
騒音レベル |
21dB(A)(平均値) |
外形寸法 |
幅61 × 奥行き205 × 高さ156mm |
重量 |
約1.9Kg(本体のみ) |
ACアダプタ |
AUTO-switch(100v~240v)120W |
SnowKidsの主要スペックを表に抜粋したが、今回の試用で実際に組み込んだパーツ類は別の表に書き出してあるので参考にしてほしい。特にHDDや光学ドライブはオプション設定になっていて、本体とは別に用意しなければならない点に注意したい。もちろんCPUやメモリも別途用意する。なお、Pentium 4パソコンとしては、最高3.06GHzからFSB533MHzベースのCPUでミドルクラスの、FSB400MHzベースのCPUでミドルロークラスのパフォーマンスを発揮できるスペックを持つ。ただし、CPUとメモリはデスクトップタイプが使用可能であるもののHDDと光学ドライブはノートブックタイプのデバイスを組み込む仕様になっている。つまり、一般的な自作機に比較するとデータ転送速度にやや不利な2.5インチHDDと光学ドライブを使用しなければならないところに少々のネックを感じる。しかし、その反面、MicroATXサイズよりコンパクトな幅61mm×奥行き205mm×高さ156mmと、ほぼA5サイズのボデーは設置場所を全く気にしなくていいために「省スペース化」と言う意味では非常に優れていると言えるだろう。また肝心の「静かさ」については、少なくとも「SnowKids」本体に電源ユニットは組み込まれておらずノートブックタイプパソコン同様のACアダプターを採用していることから、典型的なデスクトップ機に比較すると冷却ファンが最低でも1つは少ない勘定になる。詳しくは、順に説明するとして次は組立作業についてお話ししよう。
SnowKidsに組み込んだデバイスやドライブなどのパーツ内容
パーツ名 |
スペックなど |
CPU |
FSB533MHz Pentium 4 2.66GHz |
メモリ |
PC2700(DDR333) 512MB×2 |
HDD |
2.5インチ 50GB 7,200rpm(東芝製MK5024GAY) |
ドライブ |
DVD-ROM&CD-R/RWコンボ(パナソニック製UJDA750) |