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日本HP、エンタープライズ事業戦略発表会を開催――3つの新サービスを提供開始

2003年05月27日 17時33分更新

文● 編集部 栗山博行

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日本ヒューレット・パッカード(株)は27日、同社のエンタープライズ事業の新戦略“アダプティブ・エンタープライズ戦略”の発表会を開催。同戦略に基づいたエンタープライズ市場向けの3つのコンサルティングサービスを、同日より提供開始すると発表した。

樋口泰行氏
日本ヒューレット・パッカード代表取締役社長兼COO 樋口泰行氏

アダプティブ・エンタープライズ戦略は、サービスの提供を継続したまま、ビジネス環境の変化に即座に対応できるシステムを、より少ない総所有コストで実現するITインフラの構築をサポートするという、ITサービス需要に向けた新戦略。日本HPでは、このようなシステムをサポートするための技術/サービスとして“HP ダーウィン・リファレンス・アーキテクチャ”を定義、これに基づいた製品やソリューション、サポートを提供していくという。

HP ダーウィン・リファレンス・アーキテクチャの特徴的な技術は、

  • ダイナミックなリソースの最適化(仮想化技術)
  • 自動化されたインテリジェントな管理(マネージメント技術)
  • 連続的で安全なオペレーション(ビジネス継続性の確保技術)

の3つ。他社においても同様に、リソース、デバイスの仮想化により管理コストを削減する構想が進められているが、同社によると、それらとの違いは「サーバーやストレージといった小さな単位ではなく、データセンターなどネットワークを含むシステム全体を仮想化するのが特徴。システム監視/管理ソフト『hp OpenView』や、複数のベンダー/OSに対応するシステム仮想化ユーティリティー『hp Utility Data Center』など、現時点で当社が持っているソフトウェア、ハードウェアを使い、システムを実際に構築できるのが大きなアドバンテージだ」という。

日本と世界のサーバーの種類別シェア比較
日本と世界のサーバーの種類別シェア比較

戦略発表会に出席した、日本ヒューレット・パッカード代表取締役社長兼COO 樋口泰行氏は「企業、事業の統廃合に加え、需要の急変、モバイル環境、ブロードバンド環境への対応など、市場では大きな変化か続いている。変化に対していかに迅速に対応できるかが、システムのコストに直結する」と指摘。これからのIT投資の効果測定は、変化に適応する能力“ビジネス・アジリティー”が大きな意味を持つとした。また、日本と世界のサーバーの種類別シェア比較にも言及し、汎用機比率が30%を超え、柔軟性に欠けるシステムを使い続けている日本市場での成長余地の大きさも示した。

エンタープライズ向けコンサルティングサービスを提供

3つの新コンサルティングサービス
3つの新コンサルティングサービス

日本HPは、ビジネス・アジリティーの実現と、IT投資対効果の最大化を目指すインフラ構築に向けたコンサルティングサービスとして、

  • アジリティ・アセスメント・サービス(AAS):同社と経営大学院の仏INSEADが提携し開発した手法を基に、ビジネスとITプロセスの両面から、企業の“アジリティー(俊敏性)”を測定、改善への提案を行なうサービス。価格は500万円からの個別見積もり。
  • アダプティブ・アプリケーション・アーキテクチャ(AAA):AASの結果を受け、アプリケーションの統合、管理などを行なうシステムの構築を支援するサービス。価格は個別見積もり。
  • アダプティブ・ネットワーク・アーキテクチャ(ANA):AASの結果を受け、物理的なネットワークではなく、論理的に仮想化されたネットワークモデルの構築を支援するサービス。価格は個別見積もり。

の3サービスを発表した。同社では、サービス提供に向け30名のアセスメントコンサルタントと、300名のAEコンサルティングチームを用意、エンタープライズ向けの中核サービスとして、国内のITサービス需要を開拓していくという。

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