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【オーバークロック研究室】水冷キットを使って最新CPU“Pentium 4-2.8GHz”をオーバークロック動作させてみる

2002年09月21日 00時00分更新

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●CPUのオーバークロック耐性

最初にPC HealthでCPUコア温度をチェックしてみる

 さて、テストマシンの準備も整ったところで、先ずはBIOSセットアップを呼び出してみる。最も気になるCPUコア温度を調べてみると34℃を表示していた。また、マザーボード上のセンサーは、システム温度として33℃を示している。ちなみにデジタル温度計は、マシン付近の温度を27℃と示しており、少々ケース内温度が高いようだ。ただ、CPUコア温度とシステム温度の相対温度を考えると、無負荷状態とは言えさほど悪くはない。むしろ温度差が少なくて冷却性能は良さそうに思えた。作業は、その他の設定項目を一通り済ませてOSのインストールを実行。この時は、全て規定の標準設定で実施した。インストール作業は、特に問題も発生せずいたって順調である。ビデオカードのドライバーやハードウェアーモニターそれにベンチマークテストの準備を整えてオーバークロックテストに備えた。

 再起動後、もう一度BIOSセットアップを呼び出した。いよいよオーバークロック動作を設定してみるのだ。BIOSセットアップのマニュアル操作でFSB設定クロックを規定より5MHz高い138MHzにセットしてみた。ところが、リセット後の再起動に何やら手間取っている様子でなかなかBIOS画面が表示されない。「えー!もうダメなの?このCPU」と諦めかけた時、ようやくモニターに画像が表示された。しかし、残念なことにセットしたFSB設定クロックで起動せず、規定の133.3MHzで立ち上がってきている。「おー!オーバークロックができない」。これには、少々まいった。「何か設定を誤ったか?」と方々を調べてみたが、特にミスはなさそうだ。結局、FSB設定クロックを1MHzステップでマニュアル操作することが許されないらしい。予めクロックジェネレーターに用意されている飛び飛びのFSB設定なら、設定可能である事が判明し、テストは、そちらを操作して何とか急場を凌ぐことになった。

【表1】テストマシンのパーツ構成表
CPU Pentium4 2.80GHz
CPU冷却 POSEIDON
マザーボード1 AOpen AX4G Pro
メモリ DDR 512MB PC3200 CL2.5
メモリ数 1
ビデオ ABIT Siluro GF4 Ti 4400(GeForce4 Ti4400)
ドライバー Ver.6.13.10.3082
解像度 1024×768ドット/32bitカラー
HDD Seagate Barracuda ATA IV 60GB
OS WindowsXP Professional
【表2】 表2:tab16-2.xls Tableモードで設定可能なFSB設定クロック表(単位:MHz)
FSB設定クロック コアクロック
133.3 2799.3
133.6 2805.6
136 2856
140 2940
144 3024
148 3108
152 3192
156 3276
160 3360
164 3444
166.6 3498.6
170 3570
175 3675
180 3780
185 3885
190 3990
200 4200
200.4 4208.4

 一時は、どうなることかと思ったが、ともかくオーバークロックテストの開始だ。ここで、改めてテストマシンのパーツ構成を表1に紹介しておくが、今回は、FSB設定クロックを思いのままに操れないのでアバウトな精度のデータしか取得できない。もし、機会があれば、改めて再調査したいと思うが、テスト結果が何かの参考になれば幸いだ。なお、BIOSのTableモードで選択できるFSB設定クロックは、表2に抜粋している。以下、この表に従ってCPUのオーバークロック耐性を調査した。

【グラフ1】Pentium4-2.80GHzのオーバークロック耐性(水冷)

 では、グラフ1をみてほしい。最初に規定のコア電圧1.525Vにおいてどこまで高いクロックで動作するのか調べてみた(メモリのタイミングは、緩めておく)。その結果は、FSB設定クロック148MHzであればSuperπの計算が完了するが、そのひとつ上の152MHzでは、計算エラーとなってしまう。このことから、規定コア電圧1.525Vでの動作上限は、3.1GHzと定義し、双方の数値を基準値とした。従来のテスト方法では、次にコア電圧を一定間隔で高くセットし、どこまでFSB設定クロックを高くできるのかを調べてきたが、今回はFSB設定クロックをステップアップして、そのクロックで動作させるために必要なコア電圧はどれほどかを調査した。具体的には、次のFSB設定クロックとなる152MHz(3.19GHz)で無難に動作できるコア電圧を探った。そしてSuperπの計算が完了すると次のFSB設定クロックに高くするテストを繰り返した訳だ。
 結果的には、規定動作クロックの20%アップに相当する3.36GHz(FSB設定クロック160MHz)動作がコア電圧1.775Vで実現できたが、グラフに注目するとFSB設定クロック152MHz(コアクロック3.19GHz)の条件が最も効率よく動作している様子がうかがえた。また、更に高いクロックでは、比率より高いコア電圧を必要としており、効率としては低下する傾向にあることが改めて理解できた。



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