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【特別企画・最新パーツ性能チャート(Vol.4)】Pentium 4-2.8GHz世界最速レビュー!気になる性能をチェック!!

2002年08月24日 05時17分更新

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謎のSuperπ超高速化事件を追う

Superπによるプロセッサの演算性能の評価
【グラフ11】Superπによるプロセッサの演算性能の評価。今回最大の謎が、2.53→2.8GHzで性能が25%も向上していることだ。理由はともあれ、まだまだAthlon有利のはずだったこのテストで、一気にPentium 4が逆転に成功した

 さて、注目はグラフ11、SuperπによるCPU演算性能のテストだ。Pentium 4-2.8GHzがトップなのはあまり違和感を感じないかもしれないが、問題はその性能の伸び率。2.53GHzに対して、実に25%も高速化されている。CPUクロックが2800÷2533=10.5%しか高速化していないのだから、実アプリでは原理的にそれ以上の性能向上が得られるはずがない。最初は計測ミスかとも考えたが、同じ環境でCPUを2.2、2.4、2.4B、2.53、2.8と取り替えて計測した結果、グラフの値で間違いがないことがわかった。これはいったいどういうことだろうか?

 2.8GHzのコアになんらかの性能向上のための新機構が追加されたのであれば、他のベンチマークでもクロック差以上の性能向上があってもおかしくないが、ほとんどがクロック比の10.5%以内に収まっている。CPUが高速化したため、メモリのバンクを閉じる前に次のアクセスが行くようになってメモリアクセスがたまたま大幅に高速化された、という可能性もなくはないが、それでこれほど劇的な差にはなりそうもない。たまたまSuperπで多用され、他のアプリでは使われない命令が高速化された、というのも、もうひとつしっくりこない。
 そこで現れる大胆な仮説は、「ハイパースレッディングがONになっている」というものだ。ハイパースレッディングとは、Pentium 4のサーバ用バージョン、Xeonプロセッサで組み込まれている、CPUコアが同時に2つのプログラムを実行できる機構だ。Pentium 4にもこの機能がいずれ組み込まれるとか、すでに組み込まれているが殺されている、といった噂も流れている。これが2.8GHzからはこっそりONになっているのではないか、というものだ。

 だが、ハイパースレッディングが有効になっている場合、Windows XPはシステムを「2CPU」として認識するが、Pentium 4-2.8GHzではそのような認識はなされない。また、TMPGEncは、ハイパースレッディングをONにすることで60%ほどの性能向上が得られることがXeonにおけるベンチマークでわかっているが、今回TMPGEncはそのように大幅な性能向上を見せていない。
 ただ、TMPGEncでも率にすると13%以上の性能向上を見せており、クロックを上回っている。このテストはストップウォッチによる手計測なので、誤差の可能性もあるが、Superπの件も合わせて考えると、マイナーな何らかの機能がチューンされた可能性を示唆しているのかもしれない。



難しい買い時の判断

 CPU/int、マルチメディア、およびWindows Media Audioでの圧縮では、Athlon XP-2600+がまだトップの座にあるが、そのほかの多くのテストではPentium 4-2.8GHzがリードしており、その幅は、Athlon XP-2600+をPentium 4-2.6GHz相当と見なすとぴったりくる。3DMark 2001 SEとQuakeII ArenaについてはすでにPentium 4-2.53GHzでもAthlon XP-2600+以上の性能であり、こちらはAthlon XP-3000+とかそれ以上の性能になる。得手不得手を相殺すれば、2600対2800の数字に相当するリードがあり、Pentium 4は世界最高速の座を奪還したと言っていい。Athlon XP-2600+の王座は、8月21日から23日までの、文字通り「三日天下」となった。

 もっとも、6万4870万円のCPUにはおいそれと手は出ない。ユーザーにとっての期待は、中位=2.53GHz、2.4GHzモデルの値下がりだろう。ただここ1~2週間、2.53/2.4GHzの価格はかなり下がっており、順に5万、4万を切るところまできている。2.8GHz登場の効果はかなり織り込みずみと言える。性能的に競合するAtlhon XP-2400/2600が登場すればもう一段の下落も期待できるが、その時期が不明確なのが悩みどころと言えそうだ。

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