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カシオペア E-2000

カシオペア E-2000

2002年04月02日 02時01分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・小林 久

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カシオペア E-2000

カシオ計算機

オープンプライス

「カシオペア E-2000」は、Pocket PC 2002を搭載したカシオペアシリーズの最上位モデルだ。国内での発表はPocket PC 2002日本語版の登場直後に製品をリリースしたNEC東芝日本HPに約3カ月遅れる形となったが、そのぶん完成度の高い1台に仕上がっている。

3種類のメモリスロットに加え
USBにも対応

写真1 十字キーにはスピーカを内蔵。「決定」に相当する機能をアサインできないのは使いにくく感じた部分。今後は片手だけでメニュー操作を完結できる仕組みをぜひとも取り入れていただきたい。
 従来モデル「カシオペア E-750」からの変更点で、まず目に付くのがスリムになった本体だ。これまでのカシオペアシリーズは、直線的でやや無骨な印象もあったが、本機は輪郭線に曲線を多用した精悍な印象のデザインだ。これまで左下にあった十字キーを中央に配置し、その周囲にアプリケーション起動ボタンを並べることでiPAQに似た外観となっている(写真1)。

 17.5mmという本体の厚みは、東芝の「GENIO e550X」などと同等だ。従来機は厚さが20mm、重さも250gあり、身に着けて運ぶには大きく重すぎる印象だったが、本機程度であれば、ジャケットの内ポケットに入れてもそれほど苦にならないサイズである。

 本体が小型化しても、拡張性が失われていないのはうれしい部分だ。本機は、標準でCF(TypeII)とSDカード(SDIOには未対応)の2種類のスロットを持つほか、専用オプションの「PCカードユニット」(JK-864PU、2万1000円)を背面に装着することで、PCカード(TypeII)やUSB機器を接続できる。このアダプタには本体と同容量(950mAh/3.7V)のセカンドバッテリも内蔵しており、本体バッテリと合わせれば最大24時間の連続使用が可能となる。装着時のサイズは86.2(W)×145.2(D)×31.6(H)mm、重量は320gとそれなりにかさばるのも確かだが、無線LANやデータ通信カードなど消費電力の多いデバイスを使う際には心強い。



写真2 メインバッテリとバックアップ用電池はともに交換可能。他社のPocket PCでは内蔵してしまっているケースも多いが、交換式であれば、予備バッテリ(JK-214LT、6000円)を用意しておくことで、外出先で電池が切れてしまっても対応できる。
 編集部のランダウンテストでは、本体バッテリのみでMP3を連続再生した場合、約5時間44分の連続動作が可能だった。往復の通勤時間に音楽を聴き、数時間おきにPIMやメールの確認を行う、といった使い方なら、合間に充電しなくとも丸1日使えるレベルである。本機のメインバッテリは取り外し可能なので、もし不足と感じるなら交換バッテリ(JK-214LT、6000円)を用意すればいい(写真2)。

 このようにカシオペア E-2000は携帯性と拡張性を兼ね備えたPocket PCだが、実際に使用してみると気になる部分もあった。そのひとつが操作性だ。



写真3 若干使いにくく感じたのが、ヘッドフォン端子の位置。コネクタが外側にはみ出してしまい、ソフトケースなどに入れにくいため、L字型の端子を持ったヘッドフォンを用意するといいだろう。
 本機は前面下部に十字キーと4つのアプリ起動ボタンを備えているが、「決定」に相当する機能をボタンに割り振れないのはやや中途半端に感じた。メニュー操作を行うには、スタイラスか左側面に装備したジョグスイッチとの併用が前提となり、片手で持った時のスマートさに欠ける。また、本機の音楽再生機能は音質が非常に良好で、半年ほど前に発売された他社のPocket PCとは明らかな違いを感じさせるほどだが、ヘッドフォン端子が側面にあるためソフトケースやポケットに収納する際に邪魔になってしまう(写真3)。

 これらは些細なことかもしれないが、長く使うほど不満に感じる部分でもある。特に前者に関しては、専用ユーティリティを用意するなどソフト面での解決策もあると思われるので、早期の対応をぜひともお願いしたいところだ。

 価格はオープンプライスで、予想実売価格は6万円弱。高い拡張性をうたうPocket PCには、本機のほかにNECの「ポケットギア」がある。ポケットギアはメモリが32MB(本機の半分)しかないものの、iアプリを実行することが可能だ。価格はほぼ同等だが、バッテリが交換可能な点やCFカードスロット部分にくぼみを付けてカード(特にmicrodriveなど)の着脱をしやすくするなど、PDA開発が長いカシオ計算機に一日の長があると感じさせる部分もある。


カシオペア E-2000の主なスペック
製品名 カシオペア E-2000
CPU StrongARM-206MHz
メモリ 64MB(SDRAM)+32MB(フラッシュROM)
表示 3.5インチ反射型カラーTFT液晶(240×320ドット/6万色)
スロット CF TypeII×1、SDカード×1
電源 専用リチウムイオンバッテリ、ボタン電池(CR2032)
バッテリ駆動時間 約12時間(非通信時)
本体サイズ 82(W)×130(D)×17.5(H)mm
重量 190g

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