●マザーボードや構成パーツについて
i845Dを搭載するGigabyte製GA-8IRXP |
今回のテストマシンに選んだマザーボードは、i845Dを搭載するGigabyte製「GA-8IRXP」で、思いつく装備はほぼ全てと言っていいほどの内容がオンボードで搭載済だ。しかも、FSB設定クロック操作のみならずコア、メモリ、AGPの各電圧をも操作できるオーバークロック機能が充実している。マザーボード以外の構成パーツに関しては表を参照していただくとして、これまでのテスト環境との違いを述べておくと、OSにWindowsXPを導入した。加えて、ビデオカードをGeForce3 Ti500(Inno VISION Tornado)に格上げしている。早速、これらのパーツを組み上げてオーバークロック研究室では初めてのPentium 4マシンを完成させた。
【表1】テストマシンのパーツ構成表
CPU | Intel Pentium 4-2.0AGHz |
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CPU冷却 | リテールクーラー(山洋) |
マザーボード | Gigabyte GA-8IRXP(REV2.0) |
BIOSリビジョン | F4 |
メモリ | PC2100 CL=2.5 128MB×1 |
ビデオ | InnoVISION Tornado GeForce3 Ti500(DDR64MB) |
ドライバー | Ver.4.13.01.2311 |
解像度 | 1024×768ドット/32bitカラー |
HDD | IBM Deskstar 60GXP ICL35L060AVER07(U-ATA100 60GB 7200rpm) |
OS | WindowsXP Professional |
リテールBOXに付属のCPUクーラーは、CPUに対して強力に密着する。それはマザーボードを反り返すほど強引だ |
組立に関して印象的だったのはリテールBOXに付属のCPUクーラーで、従来の「おまけ」的な存在とは違っている。まず、ヒートシンクを押さえつけるリテンション機構が意外と良くできている。一旦、ロックするとCPUにガッチリ固されてガタつきがほとんどない。ただ、一方でその強さはマザーボードが反り返るほどで、ちょっと不安を感じてしまうのも事実だ。ヒートシンクの素材は単なるアルミである。オーバークロックを前提に考えると同じ形状の銅製ヒートシンクが欲しいところだが規定クロック動作なら十分なのだろう。ともあれこのリテールクーラーを使用してテストに臨むことにした。
さて、組立後の通電テストでは何事もなくBIOS画面が表示され順調そのものである。すぐさまBIOS SETUPを呼び出してPC Health StatusからCPU温度やコア電圧などをチェックしてみると、各項目とも正常値で無難に動作しているようだ。ひと通り他のページにも目を通して必要なパラメータをセットしSAVE EXIT。OSのインストール作業とドライバー、ベンチマークプログラムも整えてセットアップを完了させた。ひとまずこの状態でベンチマークテストを走らせてみる。言ってみれば「素」のPentium 4-2.0AGHzパソコンのパフォーマンス測定だ。ベンチマークテストはこれまでのテストと同じメニューのSuperπと3D mark 2000 Rev1.1及び3D mark 2001を用いた。結果は、Superπの104万桁だと95秒で計算完了となるが、このタイムはハッキリ言って「遅い」。つまりAthlon XP 1500+の標準クロック動作時における計算時間より10秒の開きがあるのだ。この程度のタイムならこちらでテストした結果といい勝負である(ちなみに3D関連は、ビデオカードのグレードが異なるために単純比較できないので割愛する)。不得意な整数演算とは言え、OSをWindowsXPとしたことでこれまでのテスト環境より成果は上がって然るべきである。しかも単純に2次キャッシュ容量が倍増したことで好結果が得られるハズだと期待を抱いてのテストであったが…。