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撤退→“アキバの玄関”に!これがアキハバラデパートのリニューアル計画だ!!

2001年11月25日 21時31分更新

文● 小磯

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 衝撃的な撤退発表後、生まれ変わるという“アキバ系ショッピングセンター”についての憶測が乱れ飛んでいるアキハバラデパート。すでに一部ではアキバの某大手量販店が参入するのでは…という声も聞かれるが、実際のところ新生アキデパはいったいどうなるのか。リニューアル責任者である、アキハバラデパートを運営する(株)秋葉原常務取締役の泰道真也氏に、今後の展開について話を伺った。

泰道氏
泰道氏。個人的見解としながらも「もし本当に駅前広場に高層マンションができるのなら、数年後には日用品を販売するスーパーになる可能性もある」と、アキバの変化にあわせた経営を行っていく旨を自信に満ちた表情で語っていた

プロジェクト「フジヤマ」
“アキバの現在”に即した業態転換

フジヤマのロゴ
フジヤマコンセプトのロゴマーク

 結論から言うと、アキハバラデパートはこれまでの紳士服や靴といった品揃えから、ゲームやコミック、アニメ関連製品を中心とした品揃えが中心の店舗となる。同社ではこのリニューアルプロジェクトを「フジヤマ」と呼んでおり、「アキハバラデパート」という名前はこれまでどおり残しながら、3Fすべてと2Fのレストラン街以外を、エンターテインメント性を強く意識した「フジヤマコンセプト」というブランドイメージで一新するという。アキハバラデパートの総敷地面積約1000坪弱に対し、3Fの約400坪と2Fの約200坪、約6割強が生まれ変わることになる。



リニューアル案
「最初は、アキバの入り口として、ゲームコンソールのショールームを作りたかった」(泰道氏)。すでに変更されているが、取材時以前の段階で作成されている3Fレイアウト図の叩き台では、JR改札口のすぐ近くにメーカ向けのスペースが確保されていた

 同店は1951年の開店以来「アキバに家電を購入しに来る30代以上の中高年男性を対象とした大衆百貨店」(泰道氏)として営業してきた。だが、Windows 95の登場に前後して、アキバはPCの街へ転換。これにともなってWindows 95以降のPCユーザーとかぶる場合が多い、若いゲーマーやアニメファンなどが集まるようになった。同店ではこれらを総称して“アキバ系”と呼んでおり、“アキバ系ショッピングセンター”の名前はここからきている。アキバ系の台頭によって同店がターゲットとする30代以上の来店数が目に見えて減少したのを受け「現在は黒字経営だが、2、3年後を考えて先手を打った」結果が今回の“撤退宣言”だという。もっともアキバの現在に即した業態転換だというわけだ。

 「中央通りにゲームショップやコミック専門書店、ゲームやアニメグッズショップなどが乱立する現在のアキバを象徴した、“アキバの玄関”にする予定です」という泰道氏によると、ドラッグストアや一部飲食店を除くすべてのショップを直営するため、イメージは「新宿や渋谷、原宿などにあるセレクトショップ『BEAMS』アキバ版」といったところ。なお駅から徒歩0分のPCパーツショップは残念ながら誕生しないが、これは「PCパーツ単品にはエンターテインメント性がないので、フジヤマコンセプトに合致しないから」という。

 3F、ならびに2F(レストラン以外)の主な構成は以下のとおり。

  • 3F:ゲームソフト、AVソフト(アニメDVD-Videoなど)、キャラクターグッズ、ホビーグッズ、コミック専門書店、カフェテリア
  • 2F:一般書籍&雑誌書店、ドラッグストア(3Fから移転)、100円均一&インポート食品ショップ

3Fリニューアル案
3Fリニューアル案。最終的に決定するのはもう少し先になりそうだ

 明正堂書店の撤退が決定しているが、3Fと2Fにそれぞれ従来以上の書店用スペースを確保。ゲームやアニメ、そしてそれに派生する製品を主に取り扱うフロアにはコミック専門書店を、そして2Fには120坪と現在の明正堂書店以上のスペースを使って一般書籍や雑誌を扱う書店をそれぞれオープンする。
 3Fのカフェテリアは「某大手コーヒーチェーンが入る予定。なんらかのキャラクターとタイアップする可能性もある」としており、詳細は不明ながらかなり“濃い”スペースになりそう。導入予定のポイントカードシステムとあわせた、マンガ家のサイン会やゲーム発売記念トークショウなど、イベントの開催も検討中だという。また、2Fの100円均一&インポート食品ショップは、従来の百貨店、あるいはスーパー然としたものから変身。食費にあまり金をかけないアキバ系に向け、100円で購入できるレトルト食品などを用意し、またインポート食品は「チョコエッグ」を代表とする、遊び心のあるものを中心に揃える予定だとしている。



外観
アキハバラデパートという名前はそのまま。ちなみに外装も“古き良き”まま残すそうだ

 アキバの再開発事業とは直接関係がないという今回のリニューアルだが、JR秋葉原駅に隣接するアキハバラデパートが大きく変わるだけに、街全体のイメージに与える影響は決して小さくないだろう。同店では今後も詳細が変更される可能性はあるとしているので、来年3月18日(月曜)が予定されるグランドオープンに注目だ。ちなみにリニューアルスケジュール予定は以下のとおり。工事中もJRのデパート口改札が使用できなくなることはないとしているので、愛用者はひと安心といったところだろう。



  • 2002年1月8日(火曜):2Fで100円均一ショップと靴店が閉店し、リニューアル開始
  • 2002年2月1日(金曜):3Fでクレープ店を除きすべて一斉に閉店
  • 2002年3月1日(金曜):2Fがリニューアルオープン
  • 2002年3月18日(月曜):3Fがリニューアル終了し、グランドオープン
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