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松下電器、2001年度上期決算は純損益で695億円の赤字──半期で初

2001年10月31日 13時07分更新

文● 編集部 佐々木千之

松下電器産業(株)は30日、東京・港区の東京支社において2001年度上期(4~9月期)の決算を発表した。IT関連市場の不振を受けて、情報通信機器、FA機器、デバイス事業が大幅に売り上げを落とし、営業損益、税引前損益、純損益すべて赤字となった。通期の見通しも大幅に下方修正するとした。

松下電器産業の中村邦夫代表取締役社長(左)と、川上徹也取締役(右)
松下電器産業の中村邦夫代表取締役(左)と、川上徹也取締役社長(右)

IT、パソコン、携帯電話市場の不振が直撃

松下電器によると、連結ベース(※1)の売り上げ高は前年同期比9%減の3兆3856億円(うち国内は12%減の1兆6485億円、海外は6%減の1兆7371億円)、営業損益は757億円の赤字(前年同期は996億円の黒字)、税引前利益は873億円の赤字(同951億円の黒字)、695億円の赤字(同513億円の黒字)。希薄化後の1株あたり当期純損益は33円41銭の赤字。

※1 連結対象会社数は337社。持分法適用会社数は47社。

財務担当取締役の川上徹也氏によると「'71年の連結決算を公表開始以来半期ベースで初の営業赤字」という。この理由として同氏は「第1四半期に続いて第2四半期もIT、パソコン、携帯電話市場が極度の不振で、情報通信機器事業、FA機器事業、デバイス事業が大きな影響を受けた。このほかグローバルな価格競争も影響した」ことを挙げている。

前年同期との比較による営業利益分析。販売減による利益減が大きい
前年同期との比較による営業利益分析。販売減による利益減が大きい

同社の商品分野ごとに見ると、AVCネットワーク分野の1兆9372億円で前年同期比6%減。この分野のうち映像・音響機器部門はビデオの低迷をテレビ、DVDプレーヤーなどが堅調で1%増だったが、情報・通信機器部門でカーエレクトロニクス、CD-R/RWドライブ、業務用システム機器などが前年同期を上回ったものの、携帯電話など移動体通信機器、HDDなどが不振で11%減となっている。白物家電などのアプライアンス分野では6042億円で5%減。エアコン、洗濯機、調理機器などが堅調だったが、冷蔵庫、掃除機が同期を下回ったとしている。インダストリアル・イクイップメント分野はFA関連機器の落ち込みにより36%の大幅減となった。デバイス分野ではエアコン用コンプレッサーは好調だったが、移動体通信機器市場の減速により、半導体、一般部品、モーターなどで前年割れとなった結果、6981億円で14%減となっている。

通期見通しベースでの営業利益分析
通期見通しベースでの営業利益分析

通期見通しでは、「下期においても米国のテロの影響などで景気回復の兆しは見えず、上期にひきつづき大幅な減収・減益は避けられない見通し。したがって通期でも大幅な減収・減益となり、営業赤字の見込み」(川上氏)として、売上高は6兆8000億円(前年比11%減)、税引前損益は3700億円の赤字、当期純損益も2650億円の赤字との予想をしている。ただし、この損益見通しには、構造改革費用として2000億円を営業外費用として計上され、織り込まれている。

2001年度年間連結業績の見通し修正
2001年度年間連結業績の見通し修正。黒字予想から大きく後退した

来期業績のV字回復を目指して構造改革に注力

川上取締役の決算概要説明につづいて、代表取締役社長の中村邦夫氏が、松下電器が進めている構造改革・成長戦略プロジェクト“創生21計画”の進捗状況について説明した。

まず取り上げたのは雇用構造の改革。すでに国内の家電流通部門では2000年度末までに約3600人の早期退職を実施したが、さらに今回は社外に転職する従業員に対して“特別ライフプラン支援金”制度を設けた。この制度への応募見通しは約6400人で、さらにこれを含めて、連結製造会社の合計で約8000人の早期退職者を見込んでいる。この人員削減によって、2002年度に1000億円の固定費削減を見込むとしている。

次に事業/拠点の選別と集中について説明した。それによると、国内外の拠点の統廃合を進めており、現在17拠点で完了し、さらに12拠点で進行中で、2002年度には200億円の経費削減を見込んでいる。また(株)東芝との液晶事業統合によって、2002年度230億円の営業利益の改善も見込むとしている。

国内家電流通改革の概要
国内家電流通改革の概要

国内家電の流通改革では、22社あった家電販売会社を1社に統合、流通会社9社を1社に統合、クレジット会社とリース会社の統合などを実施しており、2002年度に250億円の流通コスト削減を見込んでいる。さらに2001年度から2003年度までの累計では850億円のコスト削減を図る計画だが、この削減分のうち、600億円を競争力強化に使って、現在およそ20%強(前年比0.9%減)の国内家電占有率を2003年度に25%に引き上げたいという。

このほか在庫日数の削減、生産性の向上などを計画しており、雇用改革、流通改革などすべてを合わせて、2002年度は売り上げの伸びにかかわらず約1580億円の営業利益の改善を見込むとしている。

会社の壁を超えて開発リソースを結集するという
会社の壁を超えて開発リソースを結集する。デジタルTVの開発ではこの方法で成功したとしており、ほかの分野にも広げることになった

一方、成長戦略としてはこれまで会社ごとに分散していた研究開発体制を、グループ全体の成長を牽引できるような戦略商品群開発のため、事業部・会社の枠を超えた集中型の開発体制とするという。12月には、開発テーマを15に絞って開発技術者の力を結集する体制を構築するとしている。また1社ですべてをカバーできる時代ではないとして、松下電器グループの強みが最大限生かせるよう、トップ企業と戦略的提携を推進していくとした。

現在発表している他社との戦略的アライアンス
現在発表している他社との戦略的アライアンス
2003年度の創生21計画達成時の目標。携帯電話では世界シェア10%を目指す
2003年度の創生21計画達成時の目標。携帯電話では世界シェア10%を目指す

中村社長は「初の営業赤字となったことについては責任を痛感している。2002年度に必ず業績を回復させる。必ず実現できると考えている」と業績のV字型回復は可能との考えを示した。

松下電器の主要商品商品の売り上げ見通し
松下電器の主要商品商品の売り上げ見通し
構造改革と成長戦略により、V字回復を目指す
構造改革と成長戦略により、V字回復を目指す

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