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【矢部直治のアキバB級グルメ探検隊】自称「秋葉原の穴場」ウッドを検証する

2001年09月02日 22時32分更新

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■クリエイター魂のある店

「個性」的とは、岩波国語辞典第3版によれば「個体に特有の性質」を意味しており、いわばノット普通なオリジナリティを持っていることである。だがそれは同時に、普通の人が装備する理解力という名のメーターがレッドゾーンに突入しているともいえるワケで、「カフェテリア ウッド」を初体験した者の頭に、ご乱心とかトンデモといった言葉がよぎる可能性はめちゃ高い。かくいう私もそうだった。しかし、その根底にはふたつの崇高な志が秘められていた。

ハンバーガーや牛丼の価格破壊に喝采する人は多いが、本質的には「ライバルを蹴落として、他店の顧客をゲットする」ことが目的であり、「お客様のため」ではない。だが、「ウッド」は違う。タダでサービスをすればするほど、一人のお客の単価が下がり、店の回転率も低下するのに、各種フリーサービスを敢行。そこにはお客様に対する「もてなしのココロ」がある。
 そして、ドラえもんにおける「ジャイアンシチュー」のような、いかがなものか系セレクトの独創的なメニューは、一見すると「電波系思いつきの実験料理」に思えてしまうかもしれない。しかし、その裏には未知なる味を探求する「クリエイター魂」がたしかに存在しているのだ。私はここに宣言する。

「カフェテリア ウッド」は喫茶店界の「クッキングパパ(注1)」だと!!

ド○ールにフリーサービスができるか? ス○ーバックスに和洋折衷の料理開発ができるか? イヤ、できまい。たくわんとお好み焼きでピラフなのだ! 豆腐と抹茶でヨーグルトなのだ! そして、プリンに醤油をかけたらウニの味なのだ! ……自分でも何を書いているかわからなくなってきたけど、とにかく、故・岡本太郎氏ふうにいえば、喫茶店もまた爆発なのである。

この9月、「カフェテリア ウッド」の地上階であるラオックス ザ・コンピュータ館は、大幅なリニューアルを予定している。これによって今後の秋葉原、いや、おおげさにいえばパソコン業界が大きく変貌していくことは予測するにたやすい。  そして「ウッド」もまた、今まで以上にさらなる変容を遂げるだろう。しかし、「もてなしのココロ」と「クリエイター魂」のふたつのハートがあるかぎり、我々は安心してコーヒーを飲み、隠れメニュー探しに全力を尽くすことができるのだ。もッサイコーっ!

(注1)「クッキングパパ(うえやまとち著 講談社)」
「週間モーニング」誌上で長期連載を続けている料理マンガ。肉じゃがの味付けにコカコーラを使ったり、最新号ではイカの足や柿ピーなどおつまみでカレーを作るなど「冷蔵庫の残り物で美味しい料理を」的発想で、身近な食材から新しい味をクリエイトし、そのレシピをも公開するのが特徴。食材の正しい知識をナビゲートする「美味しんぼ(雁屋哲原作、作画 花咲アキラ 小学館)」と対照的かつより実践的なため、自炊派に教科書として愛読されている。主人公である荒岩主任の料理を食べた者はたいてい「もッサイコーっ!」という。

<店舗データ>
「カフェテリア ウッド」
東京都千代田区外神田1-7-6・B1F
営業時間:
 平日9:00-20:00
 土曜9:00-19:00
 日祝11:00-19:00
定休日:なし

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