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ドライアイス冷却でマイナス70℃の世界へ!FSB設定クロック200MHzでの起動をマーク!!

2001年08月19日 19時25分更新

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●手軽に零下70℃の世界へ

(株)田川アルミが販売する“たかちん印サーマルコンパウンド(TSC-1)”どちらかというと「とろり」とした感じで対象物になじみよい

 温度監視に完璧と言えない部分も残っているのだが、とにかく冷却実験を開始しよう。それでは、“クリぬいてマス!MAXX”をEP-8K7Aに装着する(この作業は、卓上で作業する方が良い)。この時に注意することは、“クリぬいてマス!MAXX”には装着方向がありCPUコア位置に準じてオフセットされたバッファー部分を確認し向きを間違えないことだ。それと言うまでもないがCPUコアとバッファー部にサーマルコンパウンドを塗布し、常温環境時よりも増して空気を介在させてはならない(熱伝導効率の低下だけでなくミクロの水分が氷結膨張して最悪コアの破壊につながる可能性も考えられる)。ちなみに筆者は、他の製品に比較して粘度が柔らかく塗布切れのない(パサパサしていない)(株)田川アルミが販売する“たかちん印サーマルコンパウンド(TSC-1)”を使用した。そしてアタッチメント金具“鳥居くん”のステーをCPUソケットのラグに引っかけて“クリぬいてマス!MAXX”に圧力をかける蝶ねじを適度に締め込む。ただし必要以上に締め込むとCPUソケットのラグが破壊するので注意が必要である。加えて固定後に“クリぬいてマス!MAXX”を持ち上げる行為は厳禁だ。装着後の移動は、必ずマザーボードを支持し“クリぬいてマス!MAXX”が傾くことのないように配慮しながら保冷BOXの定位置に配置する。この時点で動作に必要な配線やメモリーなどのデバイスをセットした。



いよいよドライアイスを“クリぬいてマス!”に投入した。“鳥居くん”は、既に真っ白に凍っている

 一方、“クリぬいてマス!Pro”は、NorthBridgeにも十分サーマルコンパウンドを塗布した上で押さえつけ、空気の介在を排除する(こちらは固定方法を特に考えなくても冷却課程で凍り付いてしまうので心配はない)。これで冷却装置の準備が整ったわけだが、念のために電源を投入しPOSTするかチェックしておく。“FF”以外のコードが表示されて逐次変化するならBIOS画面を確認し、異常がなければ速やかに電源を切断(この時点でドライアイスは投入していない)。ただし、CPU温度を監視しながら実行する(異常に高い温度に到達する以前に電源を遮断することが重要)。また、異常なCPU温度を関知したり起動困難などのトラブルが起きた場合は、この時点で原因を追求し解決しなければならない。特に問題がなければ、双方の“クリぬいてマス!”に寒剤を投入する。手順は、予めメタノールを少量注いでおくのだが、量が多いとドライアイスを投入した途端にメタノールがわきあがって溢れてしまう恐れがあり、あまり好ましくない。もしも、溢れ出た場合は、実験を中断してメタノールを排除した方がよいだろう。なお、ドライアイスは、素手で触らない方が無難。軍手などをはめて持つようにする(手元に割り箸を用意しておくと重宝する)。砕く際には、金槌で叩いて適当なサイズ(ウイスキーを飲むときに使うロックアイス程度)に必要な量だけを基本にして一度にたくさん砕かない。また、あまり細かくしないことが肝要だ。

 筆者は、必要ならメタノールを後で追加する予定で双方の“クリぬいてマス!”に1/4ほどのメタノールを注いでからドライアイスを投入した。すると盛んに発泡して冷気が溢れてくる。続いてメタノールが溢れ出ないように注意しながらドライアイスを徐々に追加した。ドライアイス投入後、数分でCPU温度は温度計の測定限界を超える勢いで下降。その時の“クリぬいてマス!MAXX”内に投入した寒剤温度はマイナス70℃より下回っていた。すぐさま保冷BOXの空いたスペースにドライアイスの塊を配置する(次々に手際よく作業しなければならないので結構忙しい)。特にメモリが冷えるように考慮した配置が好ましいのだが、筆者の場合は自作のシャーシを組み込んだ関係でドライアイスがシャーシに触れた途端に「ジィージィー」と音をたてて暴れ出した。こういったケースでは、ドライアイスを新聞紙などで包んで配置すると金属に触れてもたいして暴れない。



CPU温度は、デジタル温度計の測定限界を超えたまま。デフォルトのクロックで動作させる程度なら、温度測定範囲まで上昇してこない。一方、保冷BOXを密閉した状態だとメモリーの周囲温度は、マイナス18℃に低下しているので結露水による動作障害の心配はないだろう。ちなみにCPUソケット付近の周囲温度は、マイナス37℃だが、温度監視としてあまり意味を持たない気がした(やはりこの温度計でCPU温度を測定すべきだった)

 さて“クリぬいてマス!MAXX”内のドライアイス量に注意を払いながら電源を投入してみると、順調にPOSTが進み無難にWindows Meが起動した。ただ、今のところは、デフォルトの設定なので起動を確認しただけである。はたしてどこまでCPUが反応するのだろうか?これからが本番だ。動作確認はそこそこにしてCPUの動作限界を探るために、一旦、Windowsをシャットダウンする。そして倍率を10倍に変更。CPUコア電圧も+0.2VのスイッチをONにして昇圧しておいた。やはり保冷BOXを解放状態でCPUを動作させるとデフォルトの1.2GHzであってもそれなりにドライアイスが消耗する(CPU温度がマイナス50より上昇するほどではないが…)。すかさず双方の“クリぬいてマス!”にドライアイスを最大限追加して保冷BOXを密閉した。



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