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三井物産、企業の顧客向けサイトのFAQシステムを代行するサービスを開始

2001年07月19日 22時06分更新

文● 編集部 佐々木千之

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三井物産(株)は18日、都内で記者発表会を開催し、米RightNow Technologies社のCRMソフトウェア『RightNow Web(ライトナウ ウェブ)』を使い、企業の顧客向けウェブサイトにおけるFAQ(※1)システムを請け負うサービスを30日に開始すると発表した。

※1 FAQ(Frequently Asked Questions):多くのユーザーによって繰り返し行なわれる疑問や質問とそれに対する回答を集めたもの。Q&A集。

RightNow Webは、ウェブサイト上で顧客自身が操作して疑問の答えを得ることができるFAQシステムのためのソフトウェア。三井物産はRightNow Webを使って、企業のウェブサイトのFAQの部分のみを請け負うホスティングサービスとして提供する。ただし、希望する企業にはRightNow Webソフトのライセンス販売も行なう方針。

RightNow Webシステムの仕組み
RightNow Webシステムの仕組み

RightNow Webを使って構築したFAQシステムでは、それぞれのFAQ項目について、参照した顧客に対し、その回答で満足が得られたかどうかを数段階の満足度(大変満足、まあ満足、やや不満、不満、など)で答えさせる。各FAQ項目には、こうして得られた満足度が高いほど点数が加算される満足度ポイントがあり、顧客からの問い合わせに対して、ポイントが高い順にFAQ項目が示される。このポイントには満足度以外にも、クリックされれば上がり、長期間クリックされなければ下がるといった仕組みになっている。また、あるFAQ項目を参照後、別のFAQ項目を参照すると、それらは“関連性の高いFAQ項目”としてリンクされる。これらによって、顧客の立場に立ったFAQデータベースのメンテナンスが行なえるとしている。

RightNow Webを使ったFAQの例
RightNow Webを使ったFAQの例

また、顧客の質問・疑問に対してFAQ項目がなかった場合は、メールでオペレーターあてに質問させるが、オペレーターの回答メールもデータベースに組み込まれ、ステータスを“公開”とするだけで、新たなFAQ項目として追加される。

米RightNow Technologiesグレッグ・ギアンフォルテCEO
米RightNow Technologiesのグレッグ・ギアンフォルテ(Greg Gianforte)CEO

米RightNow Technologiesのグレッグ・ギアンフォルテ(Greg Gianforte)CEOによると、RightNow Webサービスを導入している企業は、全世界で1100社以上あるが、サービス導入によって、毎日1100件あった質問の電話が、導入後40日で3割減ったり(米国三洋電機社)、毎月1万件あった手作業で答えていた質問のメールが、4割に減った(エア・カナダ社)、という明確な投資対効果が得られているという。

三井物産、ITソリューション事業部山添俊之氏
三井物産、ITソリューション事業部三井RightNowテクノロジーゼネラルマネージャーの山添俊之氏

三井物産、ITソリューション事業部三井RightNowテクノロジーゼネラルマネージャーの山添俊之氏によると、米RightNowとは3月に日本での販売に関するライセンスを結んだが、すでに米国支社で導入している企業から、多くの引き合いを受けているという。興味を持っている企業の多くは、すでに顧客向けコールセンターを持っているが、メール業務を減らすためにメールとFAQを統合したRightNow Webを求めているとしている。また、顧客向けでなく、社内のナレッジマネージメントシステムとしての利用を考えている企業もあるという。

料金は、RightNow Webのソフトウェア使用料として、年間700万円、または2年間で1200万円。三井物産がASPサービスとして請け負う場合は、これにホスティングサービス料金年間100万円を加えた年間800万円となる。RightNow Webシステムの導入支援コンサルティングサービスなどは別料金。30日にサービスを開始し、今年度に20億円の売上げを見込むとしている。

企業において、コールセンターなど顧客のケアをする部門はコストがかかりがちだが、あまりかけると無駄になるし、足りなければ顧客満足度が低下してしまうという。RightNow Webは、ウェブサイトのFAQという、顧客が疑問を持った際に最初に調べるところを最適化することで、よりコストの高いオペレーターの作業を減らし、全体のコストを引き下げる。三井物産では今後、ウェブサイトを使った、比較的コストの低い顧客サービスの重要性が高まるとして、多くの企業を対象に事業を拡大する構えだ。

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