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ケーブル・アンド・ワイヤレスIDC、“東京インターネットソリューションセンター”を設置

2001年05月31日 23時24分更新

文● 編集部 中西祥智

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ケーブル・アンド・ワイヤレスIDC(株)は31日、東京都江東区に同社としては国内最大のIDC(Internet Data Center)“東京インターネットソリューションセンター(ISC)”を設置した。6月1日に運用を開始する。

東京インターネットソリューションセンター
東京インターネットソリューションセンターの内部。発表会で流された映像より

同社は国内で、すでに東京第2、大阪第1、第2、横浜の4つのIDCを運用しているが、今回開設した東京ISCは総床面積が野球場4つ分にあたる1万3000平方メートルで、それらの合計を上回る。

建物は地上8階地下3階建てで、地上部分をデータセンターとして所用し、地下は駐車場など。1981年改正の耐震設計法に準拠しており、震度7の地震にも耐えられるという。24時間体制で警備しており、入館する者には非接触型のICカードキーを交付する。このICカードキーによって、入館者の現在位置を把握する。

電力は東京電力(株)より“3スポットネットワーク給電”(3つの拠点から別々に送電する)で供給を受ける。建物に供給する電力は総計で9MW。バックアップ用のバッテリーで、連続3時間の電力供給が可能。また、ガスタービン発電機も設置しており、6万リットルの備蓄燃料で18時間の給電が行なえる。

東京インターネットソリューションセンターの電源施設
東京インターネットソリューションセンターの電源施設

設置できるサーバーは、4400台の19インチラックに最大1万8000台。各ラックへはAC100V 50Hzで20Aの電源を供給する。顧客の要望に合わせてカスタマイズも行なう。各サーバー室は1年を通して温度22度、湿度45~65%を維持する。

建物内にある監視室では、入館者のIDカードや各サーバーの状況などを一元管理しており、国内の他のIDCの状況も監視できる。

同社ではこの東京ISCも含めて全世界に23のIDCを設置しているが、そのうち5ヵ所を“ISC”と称して各地域の拠点と位置付けている。東京ISCは、アジア・太平洋地域の拠点となる。

英ケーブル・アンド・ワイヤレス(Cable & Wireless)社取締役のドン・リード(Don Read)氏は、ケーブル・アンド・ワイヤレスIDCは現在ウェブホスティングの市場におけるリーダー企業であり、今後もあり続けると話した。また、日本市場は、年40%で成長する重要な市場であり、今後も注力していくとしている。

左が代表取締役社長 サイモン・カニンガム氏、右が英ケーブル・アンド・ワイヤレス社取締役 ドン・リード氏
左が代表取締役社長 サイモン・カニンガム氏、右が英ケーブル・アンド・ワイヤレス社取締役 ドン・リード氏

同日の記者会見で、記者側が何度も大手プロバイダーの(株)インターネットイニシアティブ(IIJ)を同社が買収するという一部報道についての質問を行なったが、代表取締役社長のサイモン・カニンガム(Simon Cunningham)氏はそのことについて、何も答えなかった。

同社によると、今回の東京ISC設置で、ウェブホスティングサービスの提供は今後2~3年は余裕が持てるため、現在のところ今後新規にIDCを設置する計画はないという。

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