その大西ジムは兵庫県にある。実際に加古川市内の大西ジムの店舗を訪れてみると、広告とはうらはらに、意外(?)にもきれいな普通のパソコン量販店であることに驚かされる。以前は高砂市内に店舗を構えており、商店街の一角にある老舗の文房具屋というたたずまいだった。しかし、1999年の11月に、隣の加古川市に店舗を移転した。
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大西ジムの店舗。2階建てで、加古川市南部にある |
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店内1階。パソコン本体や周辺機器が並ぶ。2階ではソフトウェアやラック、椅子などが売られている |
大西ジムの正式な社名は“大西事務株式会社”。関西方面では、大西“ジム”とボクシングの“ジム”をからめたCMを放送しているそうだが、本来“ジム”は“事務”を意味している。創業は、なんと1655年(明暦元年)! 今から346年前の江戸時代初期から続く、老舗の雑貨商だという。その後、主に文房具、事務機器を扱うようになり、1963年(昭和38年)に株式会社に組織変更。約20年前から「大西ジム」の名前でパソコンを扱い始めたという。
以前は、さまざまな流通経路で入手した商品を、とにかく安く、通信販売と、店舗を訪れる常連客への対面販売とで提供していた。かつての高砂市の店舗には、店内あちこちに希少な商品、激安商品が並んでいたそうだ。しかし、パソコンや関連商品が広く普及したことで、顧客が常連客だけではなくなった。また、価格も下落してほかの販売店とそれほど大きな差をつけられなくなった。それらの理由から、新しい店舗で一般客向けに広く商品を販売するようになり、安さを前面に押し出した、かつてのような広告も出さないようになったという。
現在の大西ジムの強みとして、大西事務OA事業部特販課課長の安東保志氏は「ほかの大手量販店とは違う、きめ細やかなサービス、サポートをお客様に提供します。たとえば、ノートパソコンを購入する際のメモリー増設などはその場ですぐに行なうようにしています。また、購入後のサポートについても丁寧に対応しています」と、顧客へのサービス、サポートが充実していることを挙げている。
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この日は日曜日ということもあって、店内はかなり混んでいた |
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店の規模に比べてスタッフの数が多く、客の質問にも丁寧に答えていた |
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客の相談に乗るスタッフ。ノートパソコンのキャリアーバッグひとつを選ぶのに、展示品のノートパソコンを外して実際に入れて持ってもらうという、細かい対応が印象的 |