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Apollo Pro266の実力検証

Apollo Pro266の実力検証

2001年03月22日 00時00分更新

文● 鈴木雅暢

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DDR SDRAMをサポートしたPentiumIII/Celeron用チップセット
VIA Apollo Pro266

Apollo Pro266のNorth Bridge「VT8633」。
 Apollo Pro266は、Apollo Pro133Aの後継となるVIAのPentiumIII/Celeron用チップセット。North Bridge「VT8633」と、South Bridgeの「VT8233」の2チップで構成される。PC1600(データクロック200MHz)とPC2100(同266MHz)のDDR SDRAMに対応し、最大メモリ搭載容量は4GBとなっている。なお、DDR SDRAMのほかApollo Pro133A同様にSDRAMやVC-SDRAMにも対応する。Apollo Pro266を搭載したマザーボードの中には、DDR SDRAMとSDRAM、両方のメモリソケットを実装して好きな方を使えるようにしているものもある(DDR SDRAMとSDRAMの同時使用はできない)。



Apollo Pro266のSouth Bridge「VT8233」。
 また、チップセット間の接続には、従来のPCIバスに代わり、独自の高速バス「V-Link」を設けた。PCで扱うデータ量が増大していることや、それに伴って、IDE(100MB/秒)、IEEE1394(50MB/)など、各インターフェイスが高速化していることに対応したもので、転送速度は266MB/秒、Intelのi8xx系チップセットが採用している「Hub Interface」と同等の性能である。また、USBポートも6ポート(3コントローラ)と増え、LANコントローラも内蔵。Apollo Pro133Aがi815E(P)に対して劣っていた面はすべて追いつき、仕様的にはi815E(P)を完全に凌駕するものとなっている。ただ、Apollo Pro133AのSouth Bridgeである「VT82C686A」または「VT82C686B」が内蔵していたシリアル/パラレルなどのコントローラやハードウェアモニタといった、いわゆる「スーパーI/O」の機能は内蔵しないため、別途汎用のスーパーI/Oチップ(LPCインターフェイス)の実装が必要となる。



GigabyteのGA-6RXが実装するスーパーI/Oチップ「IT8507」。VT8233はVT82C686Bなどと違い、シリアル/パラレル/FDDなどの低速I/Oコントローラを内蔵していないため、別途スーパーI/Oチップの実装が必要となる。各部の電圧や温度などを監視するハードウェアモニタ機能も内蔵する。
 余談だが、チップセットの「North Bridge」や「South Bridge」という呼び方は、これら2つがPCIバスで接続されていることを前提に、「Host-to-PCI Bridge」の上(北)と下(南)ということから来ており、Intelはチップセット間の接続にPCIバスを使わなくなったために「MCH(Memory Controller Hub)」「ICH(I/O Controller Hub)」と呼び方を変えている。一方、VIAも、Apollo Pro266でV-Linkを採用したことにより、チップセットのブロックダイアグラムなどでは、それぞれ「Host North」「Client South」という名称を使っている。ただし、機能比較表などでは「North Bridge」「South Bridge」という表記が残っているように、現在では、「North Bridge」「South Bridge」に代わるような、チップセットを構成する各チップの機能を端的に表す言葉が存在しないので難しいところだ。本稿でも旧来のNorth Bridge、South Bridgeと呼称する。


PentiumIII/Celeron用各チップセット機能比較表
Apollo Pro266 Apollo Pro133A i815E(P)(※1)
North Bridge VT8633 VT82C694X FW82815
South Bridge VT8233 VT82C686BまたはVT82C686A FW82801BA
対応FSB 66/100/133MHz 66/100/133MHz 100/133MHz
対応メインメモリ DDR SDRAM、SDR
AM、VC-SDRAMほか
SDRAM、VC-SDRAMほか SDRAM
メインメモリ最大
クロック(帯域)
266MHz(2.1GB/秒) 133MHz(1.06GB/秒) 133MHz(1.06GB/秒)
メインメモリ
最大容量
4GB 2GB 512MB
AGP 4x 4x 4x
IDEコントローラ UltraATA/100 UltraATA/100/UltraATA/66(※2) UltraATA/100
チップセット間
バス
V-Link PCIバス Hubインターフェイス
チップセット間
帯域
266MB/秒 133MB/秒 266MB/秒
USBポート(コントローラ)数 6(3) 2(1) 4(2)
AC'97
オーディオ
6チャンネル 2チャンネル 4チャンネル
LAN 10/100BASE-TX なし 10/100BASE-TX
スーパーI/O
機能
なし あり なし
※1 i815EPは、i815Eから内蔵ビデオ機能を省いたもの。

※2 South Bridgeが686Aの場合。

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