このページの本文へ

日本能率協会、“IT戦略マネジメントの革新”に5つの提言

2001年02月22日 15時05分更新

文● ASCII24 Business Center 高島茂男

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

(社)日本能率協会は22日、都内において、シンポジウム「IT戦略マネジメント革新シンポジウム」を開催した。その席上で、提言「“IT戦略マネジメント革新”提言2001 5つのポイントと10のアクション」を発表した。

同シンポジウムは、今回が初めての開催となる。同協会 IT戦略マネジメント革新研究委員会は、「上場企業のIT担当役員に集まってもらい、委員会を設けた。(IT投資や戦略の)実態を把握し、対応を話しあい考えていくのが目的」(同協会の富坂良雄会長)という。その活動の1つとして、シンポジウムが開催された。同委員会の委員長には、コーポレートガバナンスやナレッジマネジメントに詳しい早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授の寺本義也氏が就いている。

image
IT戦略マネジメント革新研究委員会の寺本委員長

5つの提言

シンポジウムのオープニングセッションで寺本委員長は、提言「“IT戦略マネジメント革新”提言2001 5つのポイントと10のアクション」を発表した。これは、同委員会によってIT戦略の方向性や課題を提言としてまとめたものだ。5つのポイントが提言され、それを実践・実行するためにどのようなアクションを行なえばよいのかが10にまとめられている。

1、 IT戦略と経営戦略を統合せよ
(1) ITと経営の融合を実現させるための“戦略統治会議”を設定する
(2) “顧客起点”で自社事業をゼロリセットし、ビジネスモデルを再構築する
2、 IT戦略における強力な“知の仕切り”を発揮せよ
(3) IT戦略統括役員は、既存モデルの破壊と新たな事業モデルの創造をリードする
(4) 外部リソースの有効活用するとともに、ITノウハウの内部蓄積を強化する
3、 “知”の共有から“知”の共創へと進化させよ
(5) 企業内外の異質な“知”がコラボレートするための多様な場を設定する
(6) “問い”や“テーマ”が進化するような自立性を現場に付与する
4、 IT投資に関する意思決定フレームを構築せよ
(7) 戦略的な“実験と機動”を基礎にトップが俊敏に意思決定する
(8) 実践を通じて投資の有効な評価基準を構築し、投資効果のモニタリングを実行する
5、 IT活用の風土革新を推進せよ
(9) トップは明快な“バリュー”と挑戦的な“ビジョン”を内外に発信し続ける
(10) “IT活用のための風土革新”と“IT活用による風土革新”を同時に進める

寺本委員長は、「企業の価値は、

  • 顧客にとっての価値
  • 従業員にとっての価値
  • 株主にとっての価値
  • 社会から評価される存在意義

の4つがある。企業価値の増大に向けていかにITを活用するかという点で、まだ組織およびその構成員が十分な経験を積んでいるとは言えず、企業にも根付いていない。そこで5つの課題点を指摘し、具体的な対応のあり方を提言にまとめた」と、説明した。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン