新しい強力な接着剤を開発していた米3M社の研究者が、失敗作としてたまたま作り出した、すぐに剥がれる“弱い接着剤”。当初使い道が見つからなかったその接着剤を付箋に使うというアイデアから、「Post-it」(ポストイット)が誕生したというエピソードは比較的よく知られているところだろう。
ともあれ、なにか思いついたら、すぐにメモとして書き込んで、会社のPCディスプレーから書籍、冷蔵庫まで、ありとあらゆる場所にペタペタ貼りつけるという、ポストイットが生み出したスタイルはもはや定番で、仕事にも生活にも欠かせないモノになっている。
ポストイットの基本といえば、やはり黄色くて細長いしおりタイプ。本や書類に貼りつけて耳の部分をページの端からわずかに飛び出させるとインデックス代わりに使える。しかし、最近ではその用途に特化したカラフルな製品が登場している。さらに付箋の根本部分を半透明にすることで、付箋紙への書き込みと下の部分の可読性を両立させるなど改良が進んでいる。
付箋や伝言メモとしてだけでなく、手帳などの代わりに使うのに適した製品も増えている。3Mのポストイットのラインナップにも手帳(A7~A6)サイズより大きなA4サイズなどでも、さまざまな商品が用意されている。罫線や方眼が印刷された製品もラインナップされており、長文メモなどの用途に使いやすい。
手帳やノートサイズの物を日常的なメモ取り用に使い、書き込んだものは手帳などに貼り付け、用事が済んだら剥がして捨ててしまうというメモ取り方法もよいだろう。さらに大判の「イーゼルパッド」と呼ばれる画板サイズ(A1とA2の中間程度)もある。壁に貼りつけて白板のように書き込みながらミーティングをして、残したい場合はそのままベリッと剥がして持って帰れるというわけだ。
メモ取りアイテムとして見ても便利なポストイットの有用性を考えると、デスクの上の常備品としてのみ用いるのはいかにも勿体ない。そこでポストイットを普段から持ち歩くことを提唱したい。必ずや新しい活用法が発見できるはずである。