オープンソースのWeb統合開発環境(IDE)として評価の高い米アプタナの「Aptana Studio」(関連記事)。登場した当初はデザイナー向けのDreamweaverのようなWeb(HTML/CSS)オーサリングツールとしての性格が強かったAptanaは、徐々にスクリプト言語のサポートを拡張。豊富なJavaScriptライブラリ/フレームワークへの対応を武器に、JavaScript開発者の利用も広がっている。
そうした中、米国時間12月11日には「Aptana PHP 1.0」が登場した。Aptana PHPは、Aptana StudioのPHP対応プラグインと関連サービスの総称。以前からAptanaは機能拡張プラグインを追加することでPHPをサポートしていたが、今回、「1.0」正式版としてサービスと合わせてリリースされたことで、PHP開発にも本格的に使えるツールへと進化した。
Aptana PHPプラグインを組み込んだAptana Studioでは、もともとのAptana Studioの基本機能であるHTMLやCSS、JavaScriptに加えて、PHP開発をサポートする機能が使える。具体的には、コードの色分け表示、コード補完、構文チェック、デバッグ機能などだ。
だが何といっても最大の売りは、同社が提供する新サービス「Aptana Cloud」とのスムーズな連携だ。名前からも想像できるとおり、Aptana CloudはAmazon EC2のような従量課金制の仮想ホスティングサービス。つまり、Aptana StudioでPHPのコードを書いてアプリケーションを作り、ローカルサーバーで動作をチェックし、それをそのまま公開系のサーバーへアップしてサービスとして展開する――という一連の流れをまるごとサポートしようというコンセプトなのだ。
Aptana Cloudの料金は256MBメモリ・5GB HDDの場合で4セント/1時間から。Amazon EC2よりも低めに設定されている(関連記事)ので、ちょっとしたPHPアプリを試しに世に出したり、ごく短い期間に限定して公開したい場合などには手軽で使いやすいかもしれない。ちなみに、ツールのAptana Studioにも無償版の「Community Edition」のほか、SFTP/FTPSに対応し、JSONエディタなどの追加機能を搭載した有償版(99ドル)の「Aptana Studio Pro」がある。