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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第48回

ファッションを主張するドコモ新シリーズに思う

2008年11月20日 20時24分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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PROシリーズは短いショーだったが一番見応えがあった。アヴァンギャルドな雰囲気が非常に印象的

アヴァンギャルドなショーで際立つPROシリーズ

 ショーの話に戻ると、最も印象的だったのがPROシリーズ。未来的というかスペーシーなファッションに身を包んだ3人の女性が登場し、中央の女性の真っ白なスカートの裾が広がる。スカートには大きな墨絵のアートが施され、なんともアヴァンギャルドなステージだった。

 PROシリーズはスマートフォンのモデルが入ってきた。そしてHTCのTouch Pro(HT-01A)、Touch Diamond(HT-02A)に加えて、ノキアの「E71」がラインアップに加えられた。PROシリーズの中でも、SH-04Aのように、日本のケータイのスタンダードであるワンセグやおサイフケータイ、ドコモの新サービス「iウィジェット」に対応している端末はよい。しかし、Windows Mobileベースのスマートフォンやノキアの端末は、カタログやウェブサイトを見ても対応していない機能ばかりで、本来の端末の魅力をアピールできていなかった。

「Nokia E71」

ノキアの「Nokia E71」

「SH-04A」

シャープの「SH-04A」

 そのため海外メーカーの端末を含むスマートフォンをカタログ上切り分けるPROシリーズの意味は非常に大きいし、SH-04Aのように、日本のケータイのスタンダードを持ったスマートフォンとのクロスオーバーが進むことは非常に意味がある。

 さらにE71には、新しいドコモの端末命名ルールが与えられていない点も、1つの大きな変化に気付かされる。今までのノキアのメーカーコードは「NM」だったため、NM706iといった端末名だった。しかし、ノキアには、製品ラインを端末ごとに切り分ける独自のペルソナを持っている。E71は「Solution Seekers」と「Pragmatic Leaders」に、ソフトバンクからこの冬リリースされるN82は「Technology Stylists」、ソフトバンクの以前のモデルN95は「Technology Leaders」という具合だ。

 彼らはグローバルに展開していて、各マーケットに対して適切な製品を集中して投入することで、世界ナンバーワンのケータイメーカーの座を築いてきた。ケータイキャリアも、グローバルを含めたメーカーのブランディングを認め始めた「変化の現れ」と見ても良いかもしれない。

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